第15話 〜国王への直談判〜
アルト達は、輪廻の宝珠を手に入れる為謁見の間へ向かって行き、国王様へ直談判する事にした。
「国王様、お願いがあります」
「お願いとはなんだ、言ってみよ」
「輪廻の宝珠をお譲り頂けないでしょうか」
「魔術大会の優勝賞品が欲しいと?もしや、お主ら輪廻の宝珠隠れた能力を知っておるのか?」
「はい、レオニス国王様、その能力が必要なのです」
「ほう、その能力の詳細を教えよ」
「それは…っ、」
アルトは眉間に皺を寄せ少し曇った表情を浮かべたが、アイリスは覚悟を決めた様子で国王様を見ていた。
「わかりました、レオニス国王様この事はどうか御内密にお願い致します」
「良かろう…今この場にいる者達よ、今からの話を他の者に漏らした場合死罪だと思え」
「「はっ!」」
「輪廻の宝珠は、一度死を無効化するだけではなく…死者蘇生の儀を行えます。魂の再形成は不可能ですが、魂を操る者がいれば可能です」
「ほぅ、死者蘇生の儀か…」
「ですが…魂の再形成は亡くなって直ぐにじゃないと不可能です、あと魂が破壊された場合は再構築も再形成も不可能です。」
「その情報は国家機密レベルだな…何故その情報を知っているのだ、アイリスよ」
「それは、私の輪廻能力が魂だからです」
「まさか、そんな禁忌に近い能力を持っているとは…そうか、そういうことだったのか」
「ならば、お主らに輪廻の宝珠を渡す条件をやろう」
「その条件とは、なんですか?」
「災害級魔物、「黒獄魔竜」を討伐せよ」
「魔王領の近くにある、禁忌の森…「深淵樹海」ですか…」
ヴァルハイム王国の北西にある、魔王領「深淵樹海」は、人類未踏の巨大森林領地。
昼間でも樹冠が太陽を遮り、森の奥へ進むほど光が失われていく。
ヴァルハイム王国では、こういう言い伝えがある。
「深淵樹海に入る者は、己の魂を置いて帰る」
と言い伝えられている。
そこに棲む魔物のランクは、S級から災害級までが生息している。
そこは洞窟となっており、第一層から第五層まである。第五層の樹海最深部へ到達した者は歴史上誰一人としていない。
「危険度SSS級の依頼、災害級「黒獄魔竜」《ヴァルグレイヴ》を討て。討った証を持ちこのヴァルハイム王国へ無事帰ってきた暁には輪廻の宝珠を渡そう」
「わかりました、その依頼受けましょう。」
「アルト!凄く危険な依頼なのよ!?」
「そっすよ!わ、私達もしかしたら命を落とす可能性だってあるんすよ!!」
「わかってる…でも、ルシエラ、君を救う為に必要なんだよ。助けれる可能性があるなら、救いたいじゃんか」
「アルトさん…」
ルシエラは目に少し涙を浮かべ一度俯いて震わせた手を握り締めて覚悟決めて顔を上げアルトを見詰めた。
「アルトさん、私もその依頼一緒に受けるっす!やりましょ!必ず!!」
「はぁ…わかったわ。レオニス国王様、そのご依頼受け必ず証を持ち帰ります」
「お主らが無事に帰ってくる事を祈っておるぞ」
アルト達は謁見の間を出て、国王に傷等が完治するまで休めるように部屋を用意してもらい、依頼を受ける準備をしつつ治療に専念する事にした。




