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実家の釣り船屋が潰れそうなので笑って受付していたら、葉山の常連さんに本気で愛されました

作者:ちょこまろ
最終エピソード掲載日:2026/10/09
神奈川県・城ヶ島。

二十八歳の相沢澪は、潰れかけた実家の釣り船屋「しおかぜ丸」で、今日も笑って受付をしている。

そんな彼女の前に、隔週土曜日になると必ず現れる常連客がいた。

葉山に住む、四十歳の黒瀬航平。
無口で、穏やかで、必要以上に踏み込まない人。

けれど彼だけは、澪が笑顔の奥に隠している無理に気づく。

「受付でも、嫌なことは嫌でいいと思います」

さらにWebの仕事をしている黒瀬は、古びたホームページを見て言った。

「この船の良さ、初めての人には届いていません」

彼の手で少しずつ変わっていく「しおかぜ丸」。
増えていく予約。
そして、近づいていく二人の距離。

やがて、会えない土曜日に寂しさを覚えた澪のもとへ、一本の電話がかかってくる。

「澪さん。会いに行ってもいいですか」

釣りのためではない。

ただ、彼女に会うために。

潰れそうな実家の釣り船屋と、十二歳年上の無口な常連客。

城ヶ島と葉山、二つの海をつなぐ、じれじれ大人恋愛。
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