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戯々譚々

最終エピソード掲載日:2026/07/19
カードマジック好きの岩戸貴継と、カジノゲーム好きの彼の妹・岩戸すみれは、都内のIR施設にあるカジノ『casino de magician』でザ・スペードと名乗る女性マジシャンのショーを見ていた。岩戸は彼女のマジックのトリックのいくつかは見抜いてしまい、彼女がアンコールで披露した大トリのマジックすら分かったと思ったが、それをあざ笑うかのように、ザ・スペードは岩戸がそのマジックのトリックだと思った仕掛けを台無しにした上でそのマジックを成功してみせたのだった。岩戸とて、全てのマジックのトリックが分かるわけではないが、自分の知っているマジックで、自分の知っているトリックをわざわざ仕掛けた上でそのトリックを破綻させてからそのマジックを成功されては気になって仕方がない。ザ・スペードは一体どんなトリックを使ってそのマジックを成立させたのだろうか。
岩戸兄妹がカジノでマジックのショーとブラックジャックを楽しんだ夜、ユーチューブもしているプロギャンブラーのカケヤマシンゴが死亡したというニュースがネット上に流れてきた。カケヤマシンゴの遺体には外的損傷が認められ、警視庁捜査一課の刑事・道塚葵たちは事件の捜査に動き出した。
それから数日後、すみれが『casino de magician』でお気に入りのディーラーであるザ・クラブとブラックジャックをプレイしていると、兄の人脈で以前から顔見知りになっていた道塚と鉢合わせ、また偶然にもカケヤマシンゴと交際していた更科万理華とも出会った。
やがて今度は、カケヤマシンゴの住んでいたマンションの管理人である建石正智が死亡したという知らせが入ってきた。死んでいた建石のそばにあったコップの水からは強アルカリ性の洗剤成分が検出され、その成分は建石の体内からも検出された。状況からみて建石は服毒自殺を図ったものと考えられたが、ではなぜ建石は服毒自殺をしなければならなかったのか。彼の自殺はその数日前に起こったカケヤマシンゴの事件と関係があるのだろうか。
やがて二つの殺人事件の真相が明らかになっていくなかで、「わたしの使ったトリックは非常識すぎて、頭のいいお兄さんには想像すらできないでしょうね」とザ・スペードに謎をかけられていた岩戸も彼女の見せたマジックのトリックについてようやく推理を組み立て、人々の思いはそれぞれ新たな展開を見せていく――。
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