第12話「技の進化」
「さぁ!いよいよ決勝が始まります!ここまで数多くの試合を勝ち抜き誰も予想できなかったこの二人が決勝戦に挑みます!!
激戦を繰り広げ苦戦し思考し実践し成長を繰り返したこの盟友二人の決勝戦が今開幕!!」
「手抜かずに本気でやろうな!」
「もちろんだ。全力を尽くす。」
「そう来なくちゃな。」
俺たちが数回言葉を交わしてすぐに開始の合図がかかる。
「行くぜ!」
まず初めに俺が先手を打つ。グラフは開始から剣を持っていたのであいつの剣術の前で無防備に突進するのはいくら空間があるとはいえ不安が残るしまずは空間を圧縮して飛ばして遠距離攻撃で様子を見る。
グラフはその攻撃を簡単に切って対処した。これは想定内だったので俺は今までとは違う空間砲を繰り出した。この技は覚醒率が30%を超えて距離にも干渉できるようになったことで扱えるようになった原理はグラフから俺までの直線状の空間を俺の目の前まで圧縮してその塊を一気に発散して一直線上にレーザーのように発射する技である。
今までの圧縮弾とは違いより多い空間を広範囲ではなく一直線に飛ばすことで貫通力が飛躍している。なので今までの様な刀での対処なんかでは刀をへし折る威力となっている。
これに対しグラフは刀が折れることを見抜いたのか自分の目の前に円を描きそこから炎を火柱のように飛ばして俺の空間砲にぶつけてきた。そして威力が弱まった俺の空間砲を斬った。これがすごかったのだ。今までのグラフならいくら弱まった威力とはいえ刀を折れるほどの威力は残っていた、だがグラフはさっき俺から聞いた闘気を理解しそして実践に成功して闘気を纏った刀で一刀両断してきたのだ。
だが俺はフォースとの戦いで正直今までとは数段強くなっている。だから今の攻撃も全く全力ではない。とはいっ権能ても威力に対して手は抜いていない違うのは数だ。
俺は続けて攻撃を繰り出した。同じく空間砲だが今回は一気に自分の正面から三本の空間砲を同時に発射した。
これにはさすがのグラフも動揺している。だがあいつもフェイとの戦いで強くなっていて覚醒率で言うと28%くらいには上がっている。それに加えて技能は達人級となり闘気も理解している。よって対処できないわけではなくグラフは刀を水属性にするそして刀身は波のようにかすかに揺れる。グラフがカイとの戦闘で扱った技である。
技の発言と共にグラフは無意識に呟いた。
「海底刀」と。
その瞬間技が呼応するようにより深い青色の刀に変わり揺れが止まる。そして少し太陽の光を反射するように光った。
グラフはカイとの戦いでも繰り出したその技が少し変化したのを感じ取る。それが何かは分からないがでも(斬れる。)と確信した。
そしてグラフは三本の空間砲を己の華麗な剣技ですべてをほぼ同時に切ったのだ。
「おいおい、マジかよ。」
俺は正直焦った。今の攻撃はかなり本気を尽くしたのに今度は炎で威力を弱めることもなく切られたからだ。
「今度は俺の番だな。」
そう言ってグラフは俺に急速接近する。
ちなみに俺たち二人の戦いはこれまでのどの戦いよりも数段変わったような戦いを繰り広げていた。理由は闘気である。もちろん俺たちの自体もほかの参加者よりも強くなっているのだが、闘気を扱うようになってからはすべての挙動が数段早くなっているので観客は盛り上がりはしているが正確終えているわけではなくそれはほかの破れた参加者たちも同様であった。
さっきのフォースとの戦いでも闘気を二人とも扱っていたがどうやらフォースの闘気の扱い方はやっぱり効率が悪いらしく全身に纏うように扱う俺とグラフの方が圧倒的に早くなっている。
グラフが急速に接近してきて刀を振るってきた。カイとの戦いの時よりもなんだか刀の青が濃くなっていて強度も上がっているのは覚醒率の影響か?
分からないけどとにかく早く鋭いことは確かだね。だけど俺には当たらない空間があるからね。俺は30%を超えてから自分の権能のすごさに気づいた。視認できる空間すべてを操れ距離の縛りもない俺は正直今は攻撃を当たらないようにできる。今の状況を簡単に言うとグラフの刀身が届かないように距離を伸ばしているということである。目に見える距離と実際の距離が違うのであるまぁ要するに当たらない。
もちろんぼーっとしてたら当たるけどそれまでに必ずアクションを起こせるので実質当たらないということだ。
そして逆に俺の攻撃は当たる。どこにいても当たるというわけではなく部分的に距離を遠くしているのでグラフの刀と俺の距離は遠く俺の拳とグラフの距離は見たままの距離つまり目と鼻の先にあるので今まで通り当たるというわけだ。
なので俺はグラフの攻撃後の隙をついて空間穿ちを使って攻撃をしヒットする。そしてグラフは少しよろけながらいったん後ろに距離をとった。
「厄介な能力だな。」
「だよな。自分でも驚いてるよ。」
続けて俺は空間砲を放つ。だがさっきまでと違うのは俺の正面から一本グラフの右そしてグラフの真上から同時に放った。これが視認できる範囲という強さである。
グラフは素早く刀で斬ったが上からのレーザーに気づけず直撃した。闘技場がところどころ壊れ砂煙が舞う。グラフはまだ立ってはいるが結構ダメ―ジが蓄積している。
ボロボロの状態でグラフは思考していたどうすれば今のリーブルに勝てるのかを。
(今の剣速ではおそらくまた防がれるかといって俺の遠距離攻撃ではまたさっきのレーザーで押し負ける。どうすればいい?見える範囲すべてを防ぐリーブルにダメージを与えるには、、、見える範囲?そうか)
グラフは何か思いついたように構える。そして刀の属性を変えるその刀は今度は炎を纏う。
そして当然のように名前を付けた。
グラフはさっき仮説を立てていた。技が進化したのは名を呟いたからでは?とだから今回も名をつけそして名前を呼ぶ。
「炎刀」
また、技が呼応し強化された。炎を纏いさっきの刀とは真逆。静かではなく常に燃え続け振るえば炎が周囲に舞った。
(やはりな。)グラフはこのからくりを確信した。
そしてリーブルに再び近接戦闘を挑むため急速に距離を詰めた。そして今度は刀をリーブルにあてるようにではなく下から上に少し手前で薙ぎ払った。するとリーブルの視界を遮るように炎が舞いリーブルの空間を殺す。そしてすかさず二撃目をふるいリーブルをとらえた。
見えていない攻撃は空間で防げず俺は慌てて後ろに飛んだが少し間に合わずグラフの攻撃を食らってしまった。
「さすがだな!グラフ、やっぱりすげぇや。でももう油断はしないぞ。」
「今回は勝たせてもらうぞリーブル!」
そう言ってグラフは再び距離を詰める。リーブルは二度同じ攻撃を食らうわけにはいかないのでグラフの刀の周りを空間で囲い込み炎を刀に留める。こうすることで視界は防がれないようにして今度はよけるのではなく向かい打つように空間穿ちを使い拳をふるう。さっきの必勝パターンでグラフの刀だけ距離を伸ばし停めて自分の攻撃だけあてる作戦だ。
だが、グラフは進化していた。覚醒率の伸びるときはいくつかパターンがある。それは、死線をくぐる時や新たな発見をしたときなんかに起こる。そして今回グラフは自分よりも強者であったリーブルに挑みボロボロになり、名前を付けることで技の成長につながると確信し理解した。これらがグラフの覚醒率を引き上げて新たなステージに引き上げていた。
つまり覚醒率30%を超えている。
これにより表象の扱いに新たな力が生まれていた。
今のグラフはもう実際に手や剣先で描く必要はない。より具体的に想像すればいいのである。これによりグラフは少し離れた場所での技の行使が可能になっていた。
今まで通りのパターンで勝とうとしていたリーブルの背後に水色の円が描かれる。
そして二人の刀と拳が触れ合うよりも先に氷属性の技氷閃が生み出されリーブルに直撃しリーブルが氷結し、二人の勝負に決着がつく。
「し、試合終了ーーー!!ここまでの激戦を制しチャンピオンに輝いたのは剣士グラフ選手ー!!」
【設定メモ】
氷閃とは氷のレーザーの様なもの。当たるもの氷結する効果がある。
決着がつきました!そしてトーナメントが終わりましたね。正直書くの難しかったです。
さて、設定メモを久しぶりに書かせていただきましたが、想像しにくいかなと思って一応残しました。おそらくずっと読んでくれてる人なんかがいたらラピッドは?て思う人もいるかもなのですがあれは技ではないのと命名しているわけではないので今回の物とは少しそれています。紛らわしかったらごめんなさい!なので一応ここに残しておきました!
次話もぜひお楽しみに!では!




