第11話「成長」
再び戦況はフォースに傾く。
ここまでで一度も見せていない権能をフォースが使ったからだ。フォースの権能の名は連撃この能力はいたって単純で殴れば殴るだけ攻撃の威力が強くなっていくというものだった。
つまり、ここまで互角以上の戦況でリーブルが押していたが拳を重ねるごとにフォースの攻撃の威力速度が上がっていく。
俺も対抗するために空間を使い絶空や空間曲折を用いて最初の方は対応できていたが徐々に絶空の防御力では防げず、空間曲折では数の暴力に押され対応できなくなってきていた。
(くそ。このままじゃ反撃できない。どうする。)
「俺に連撃を使わしただけでも誇っていいと思うぜ。だがもうお前じゃ勝てない諦めな。」
「うるせぇよ。まだ終わっちゃいないだろ。」
「いい威勢だ、そこは評価してやるよ。じゃあもう一段階ギアを上げてやるよ。」
(ギアを上げる?まだ何かあるのかこいつ。)
フォースは威力の上がった拳を俺にぶつける。俺はまだ何とかその拳に対してすぐに絶空でを展開する。今までのものは空気を固めたものだったが今の俺はここまでの戦闘で覚醒率が約29%まで上昇していた。だから今までの絶空が破られると気づいてすぐに空気ではなく有漢そのものを圧縮してより強度を増すように展開した。これによってフォースの威力が今までの倍近く上がった攻撃を防いだ。はずだったのだが拳がついてから時間差で衝撃が発生し絶空が破られた。
「⁉どうゆうことだ」
「不思議か?簡単なことだぜ俺の連撃は攻撃を重ねるごとに威力が上がるだけじゃなく、衝撃を複数回起こすことができる。つまり一度の攻撃で同威力の攻撃が何度も来るということだ。だからお前の空間によるかたい壁でも防げないってわけだな。どれだけ固く分厚く展開しようが同じ場所に複数回の衝撃が起こればどんな壁も砕くことができるからな。」
フォースのこの二つの能力によって俺は完全に押され始めついに拳を食らってしまった。腹に食らった衝撃が3連の打撃となって連続に衝撃を俺に浴びせ俺は気を失いそうになった。そして場外に勢いよく叩きつけられそうになった。だが俺は自分の後ろに絶空によって壁を作り出し何とかしのぐ。
あいつが本気を出してから俺は限界を感じていた。覚醒率でも劣り技能でも劣る。勝っているのは闘気だけ、だがそれも総量で勝ってはいるが習得してまだ数分なので扱いがうまくはなく起死回生の一手にはなり得ることはない。なので正直詰んでいるのだが一つ俺はなんとなく可能性を感じていた。
それは権能の幅。
フォースの二つの能力は同じようで異なっている。俺やグラフのようにうまく権能を応用していろいろなことを可能にしているのがこの大会のほぼすべての選手だ。だがフォースの能力は応用であってそうではない。つまりだ俺の空間にもまだ先があるのでは?と俺は薄々感じていた。
実際にフォースの能力が応用によって発動しているのかはわからないだがもう一つ俺の推測を信頼できるまでに引き上げている要因があった。それはレベル。今まで剣や格闘の技術でばかり示してきた技能これには大きく分けて二つある。一つは戦闘の技術。まぁつまりは今まで通りの剣の強さの指標としての技能である。そしてもう一つは権能のレベルこれは覚醒率で上がった能力自体をどれだけうまく扱えているかを示し、レベルには熟練級なんかの言葉による指標は存在していない。
そして今回のレベルとは後者でありフォースの連続攻撃により上がる速度や威力の能力と違い、衝撃を複数回起こす方の能力にはどうやら体力の消耗も激しいようで連続の発動もしなければ、この能力を使ってからのフォースはなぜか疲労が増しているように見える、なのでなんとなくだが俺の空間にもまだまだ先があるような気がしていたし。なんとなくできるような気がしていた。
全部感覚的な発言になってはいるがそもそもこの権能という物自体体にそもそも備わっているもので覚醒率があげられるような特訓をしてから今までずっと感覚的に扱っている。
つまりはだ。できるもできないも感覚次第でおそらく何らかの条件を達成したことで、できると感じる。そして今そう思っているってことはできる。だから俺は自分の権能に意識を強く向け改めて理解する。
そして、俺の空間は進化する。
今までは空間を集約したり発散することで攻撃に派生させたりしていたが俺は改めて空間に意識を向けた時、空間を今までよりも鮮明に把握し空間を支配する。
その能力は今までものに加え距離その物をも支配する。例えば俺はこんなことも可能になった。
「いつの間に⁉」
「遅いね。」
フォースが吹き飛ぶ。
俺は空間を縮めることで距離の概念を超え瞬間移動し至近距離から空間穿ちで一点に衝撃を流し致命傷になり得る一撃を放った。闘気をあえて使わなかったので実際に致命傷にまではなっていないがそれでももろに受けた空間穿ちは相当な威力となっているはずだし、それはフォースのもだえる姿からも想像に容易かった。
フォースの忍耐力はさすがなものですぐに立ち上がり再び攻撃をしにもう突進してきた。
「なんだ⁉」
だが、拳は俺には届かない。俺は拳と俺の体の距離を広げた。物理的に広がって見えるわけではないが、それはまるで無限の距離のように感じられるほどにフォース拳は遅くなり俺には届かない。
そしてすかさず俺はフォースの後ろに消えゼロ距離で空間を収束し発散して放つ。こちらも威力は申し分なく発散による衝撃は穿ち以上なので場外にまでフォースは勢いよく吹き飛び俺の勝利となった。
「な、な、なんとぉぉ!!!勝者はリーーブル選手!!!長いようで短く互いの全力により高めあった両者の試合に今、決着!!!」
「ありがとな。お前のおかげで俺は強くなれたよ!」
[いよいよだなグラフ!」
[あぁ、お前と俺どちらが勝っても賞金は獲得できるからもう目的は達したようなものだな。それにしてもお前のさっきの戦いのオーラの様なものは何なんだ?」
「オーラ?あ、あれは闘気のことか!」
「あぁその闘気とやらだ」
俺は隠すこともないのでフォースとの戦いで学んだことなんかをすべて話した。
グラフは腑に落ちたようですべてを理解した。こいつは頭がいいので理解は早く、戦闘においても才能を感じるのでグラフは一度聞き、グラフ自信もさっきの戦いで闘気をみえるほどに発現させていたのでおそらく先頭において扱うことも可能になっている。
この要領の良さがグラフの怖いところだな。
俺とグラフはともに高揚していた。互いにどっちが強いかと聞かれたら俺たちは相手の名前を出していた。それは謙遜でもなんでもなくお手外に心の底から相手の実力を認めているからだ。
そんな俺たちが正式に対決する機会が訪れた。互いに本気を出さなければ勝てない相手。だから俺たちは 言葉にはしないがお互いに開幕を待ち望んでいるのである。
そしてこの二人の対決がもうすぐ始まる。
開幕の前に入場口へ一人で向かっていたリーブルはある話を耳にした。
それはこの国にある温泉の話であった。温泉ならそこら中にあるのだが聞こえてきた話によるとその温泉はどうやらただの温泉ではないらしい。世界でも3本の指に入るほどらしく、この温泉がいたるところから湧いている国でも最高峰らしくこの大国に訪れる者の約6割がそれを入ることを目的にしているらしい。そこには人間だけでなく獣人なんかも行きたがるほどの名所らしい。
これを聞いた俺は冒険記をかくのに大国1の物を書き記さないわけにはいかないので俺はそっと次の目的地として心にその会話を留めて置くことにしたのだった。
そんなことをしている間に俺とグラフの名前が観客の大歓声と共に呼ばれるのであった。
今回も読んでくれてありがとうございます!
もっとペースを上げたいんですが集中力が持たないんですよね。他にやりたいことなんかを思いついてしまって。何か対策あったりしないかな。
全く関係ないこと書いてしまったのですが、次回のリーブル対グラフの戦いをお楽しみに!
ではまた!




