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■第5話 一週間の成果と、初めてのレベルアップ

お読みいただきありがとうございます!

本編スタートです。



あれから一週間。僕は狂ったように『緑の草原』へと通い詰めた。


朝起きては硬いパンをかじり、草原の入り口でポーションを煽り、怒涛のように押し寄せる角ウサギの群れに単身飛び込む。そして血みどろになりながら延々と解体作業をこなす……そんな地獄のルーティンを、僕は完全に脳筋の力技だけで乗り越え続けていた。


その結果。


「……五百三個。これが今日の分です」


ギルドのカウンターに、鈍い音を立てて巨大な麻袋を置いた。

中には、今日一日で僕が一人で刈り取った角ウサギの魔石がぎっしりと詰まっている。


「素晴らしいです! 一人で、しかもたった一日で五百個も回収できるなんて!」


受付嬢が、今日初めてパァッと顔を輝かせて僕を褒めてくれた。


最初の頃は百個出しても「はい、百個ですね」と無表情で処理されていたが、さすがに一日の討伐数が五百を超えると、ギルドの反応も変わってくるらしい。腕の筋肉はパンパンだが、報われたような気がして少しだけ胸を張った。


「毎日あれだけの数の魔物を倒しているんですから、そろそろレベルアップしているかもしれません。どうですか? 久しぶりにステータスを鑑定してみませんか?」

「レベルアップ……!」


その響きに、僕は思わず身を乗り出した。

初日に「農家の子供以下」と笑われたあの一桁のステータスが、ついに成長したかもしれないのだ。


「ぜひ、お願いします!」


僕は案内されるまま、初日にトラウマを植え付けられた金属製の『ステータス測定板』にそっと手を置いた。

淡い光が浮かび上がり、数字が形作られていく。僕は祈るような気持ちでそれを見つめた。


【レベル:2】

【筋力:11】

【体力:10】

【敏捷:10】


「……っ!」

僕は思わず両手で口元を覆った。


二桁だ。一桁だったステータスが、ついに二桁に届いている!

たったの『10』や『11』かもしれない。元の世界の一般人レベルにようやく追いついただけかもしれない。それでも、間違いなく僕は強くなっているのだ。


「おめでとうございます! レベル2ですね!」

「ありがとうございます……! やった、やっと二桁に……!」


僕が感動に打ち震えていると、背後の酒場スペースからいつもの野次が飛んできた。


「おいおい聞いたかよ! 一週間も角ウサギ狩って、やっとレベル2だってよ!」

「ステータスがやっと二桁って……ギャハハハ! まだまだ一人前の冒険者には程遠いなァ!」


いつもの冒険者たちが、ジョッキを片手に腹を抱えて笑っている。


初日はあの笑い声に顔から火が出るほど恥ずかしい思いをしたが、不思議と今は腹も立たなかった。


「一人前には程遠い、か。……まあ、事実だからな」


むしろ、あれだけの数を狩ってもこれしか上がらないという「異世界の厳しさ」を噛み締める余裕すらあった。それに、彼らの言う「一人前」の基準がどれだけ高いのか、この一週間で嫌というほど思い知らされている。


ふと腰の木箱に手をやると、中身が妙に軽いことに気がついた。

開けてみると、初日に神官の少女からもらった『初心者お助けポーションセット』の小瓶が、残りあと数本しか入っていない。毎日ガブ飲みしていたのだから当然だ。


ポーションがなければ、僕はただのひ弱な一般人に逆戻りしてしまう。


「すみません、今日の魔石は換金せずに、そのまま持ち帰ってもいいですか?」

「えっ? あ、はい。構いませんが……どうするんですか?」

「寺院に寄進しに行こうと思って」


神官の少女は言っていた。『レベルが上がれば、ポーションの効果も跳ね上がります』と。


レベル2になった今の僕がポーションを飲めば、一体どれほどの力が湧いてくるのだろうか。それに、これだけ大量の魔石を寄進すれば、より強力な新しいポーションを貰えるかもしれない。


僕は未換金の魔石がたっぷり詰まった重い麻袋を背負い直すと、久しぶりにあの「手頃な寺院」へと向かって歩き出した。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白い!」「次も読みたい!」「ヒョロガリ頑張れ!」と思っていただけましたら、

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― 新着の感想 ―
鑑定がレベルアップではなく現状の確認ならすでにレベル2の状態でポーション飲んでそうですね。 そこを忘れてたら昨日と変わらないってがっかりしそうです。
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