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■第40話 第三部の幕開けと、水上都市アクアリア

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


迷宮都市バベルを後にしてから、馬車に揺られること十数日。

街道を抜け、潮の香りが鼻をくすぐり始めた頃、ついに僕の目の前に次なる目的地が姿を現した。


「うわぁ……すっげえ綺麗だ」


思わず感嘆の声が漏れた。

そこに広がっていたのは、青く澄み渡る巨大な海と、その海の上に浮かぶようにして築かれた美しい街――『水上都市アクアリア』だった。


街中には無数の運河が張り巡らされ、小舟が優雅に行き交っている。白亜の建造物と、太陽の光を反射してきらきらと輝く水面のコントラストは、見ているだけで心が洗われるようだった。


「よし、まずは情報収集だな」


僕は馬車を降りると、純銀の装備シルバーアーマーが潮風で錆びないか少しだけ心配しつつ、街の中心部にある冒険者ギルドへと足を向けた。


カラン、とベルを鳴らして中に入ると、バベルのギルドとはまた違った、海産物を焼く香ばしい匂いと、陽気な音楽が漂っていた。


冒険者たちの装備も、重厚な金属鎧よりも、水に濡れても動きやすい軽装や、水生魔物の鱗を加工した防具が多いようだ。


「いらっしゃいませ! 水上都市アクアリアのギルドへようこそ!」


カウンターに向かうと、日焼けした健康的な肌に、ショートヘアの快活そうな受付嬢が笑顔で迎えてくれた。


「こんにちは。別の街から流れてきた冒険者なんですが、ここのダンジョンについて少し教えてもらえませんか?」

「はい、もちろんです! アクアリアのダンジョンは、街の地下深くからさらに海の中へと繋がっている『海溝の迷宮』です!」

「海溝……ってことは、海に潜るんですか?」

「その通りです! 浅い階層はまだ空洞になっていますが、深部へ進むにつれて完全に水没したエリアが増えていきます。当然、魔物も『サハギン』や『キラーシャーク』といった水棲のものが中心になりますね」


なるほど。これまでの「草原」や「荒野」、そして「地下の瘴気エリア」とも全く違う環境だ。


「水中での戦闘……それはかなり厄介だな」


僕は腕を組んで考え込んだ。

バケモノ級に成長した筋力と敏捷性、そして純銀の特効装備。これまではその力押しでどうにかなってきた。


だが、水の中となれば話は別だ。水の抵抗で剣を振るスピードは落ちるし、飛ぶ斬撃も水圧で威力が殺されてしまうかもしれない。そもそも、息継ぎの問題もある。


「お兄さん、もしかしてその重そうな銀の鎧で潜るつもりですか? そのままだと、魔物と戦う前に溺れちゃいますよ?」

「うーん、確かに。まずは水中用の装備か、水中で呼吸できる魔道具みたいなものを探さないとダメですね」

「それなら、街の『魔道具屋』さんや、ここアクアリアに古くからある『一般的な寺院』の神官様を頼るといいですよ! 寄進をすれば、水中探索に役立つポーションを授けてくれるかもしれません!」


「一般的な寺院」というワードを聞いて、僕は思わずニヤリと笑ってしまった。

大雑把な神様の手は、こんな遠く離れた海上の街にもしっかりと行き届いているらしい。


「ありがとうございます。さっそく行ってみます!」


僕は受付嬢にお礼を言い、ギルドを後にした。

潮風が吹き抜ける美しい水上都市。

そして、海に沈む未知の『海溝の迷宮』。


前回の高位悪魔デーモンからのテストを乗り越えた僕に、次はどんな神の使い魔が、どんな過酷なテストを仕掛けてくるのだろうか。

期待と少しの緊張を胸に、僕の第三部の冒険がいよいよ幕を開けた。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白い!」「次も読みたい!」「ヒョロガリ頑張れ!」と思っていただけましたら、

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