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■第25話 魔道具の実践と、絶好調の迷宮巡回

いつもお読みいただき、ありがとうございます!

それでは、本編をお楽しみください!


迷宮都市バベルの地下迷宮、中層。


薄暗い通路を歩いていると、突然、首に巻いた『探知のチョーカー』がブルブルと小刻みに震え出した。


「おっ、ここにもあるな」


僕は足を止め、目の前の石畳と壁をよく観察する。すると、壁のレンガの隙間に巧妙に隠されたワイヤーと、緑色の液体が滲む毒矢の射出孔が見つかった。

腰のポーチから『解除の妖精粉』を取り出し、ワイヤーの根元に向かってササッと振りかける。


シュウゥゥ……という微かな音とともに、罠の魔力回路がショートし、物理的な発射機構もあっという間に腐食して崩れ落ちた。


「すごい! 本当に一瞬で罠が無効化された!」


これなら、常に足元や天井に神経を尖らせる必要はない。チョーカーが震えた時だけ警戒し、妖精粉を使えばいいのだ。


ちなみに、致命傷を一度だけ肩代わりしてくれる『身代わりの護符』は懐にしっかりと入っているが、さすがにこれだけは「お試し」で使うわけにはいかない。痛いのは嫌だし、何より安くないアイテムだからだ。


罠の警戒という最大のストレスから解放された僕は、本来のバケモノじみたポテンシャルを遺憾なく発揮した。


「ファイヤー! ウォーター! そんで、飛ぶ斬撃!!」


迫り来るハイゴブリンやポイズンスパイダーの群れを、簡易魔法とシルバーソードの合わせ技で次々と蹂躙していく。罠を気にせず、全力で回避と攻撃に専念できることが、これほど快適だとは!


あっという間に、中層の良質な魔石が麻袋にたっぷりと溜まっていった。


その日の夕方。

僕は大漁の魔石を背負って、西区のアイテムショップ『黒猫の宝箱』の重い扉を開けた。


「カランカラン」

「いらっしゃい、にゃあ。あら、もう帰ってきたの?」


カウンターの奥から顔を出した黒猫のお姉さんに、僕はドンッと麻袋を一つ置いた。


「約束通り、中層で採れた良質な魔石の融通分です。それと、アイテムの感想なんですけど……」

「ええ、どうだった?」

「めちゃくちゃ最高でした! チョーカーと妖精粉のおかげで、罠のストレスが完全にゼロです! 探索効率が跳ね上がりましたよ。あ、さすがに身代わりの護符はお試ししてないですけどね」


僕が笑いながら言うと、お姉さんは誇らしげに黒い尻尾を揺らした。


「にゃふふっ! 私の傑作なんだから当然でしょ! 身代わりのお世話にならないのが一番よ。……それにしても、こんなに純度の高い魔石を、たった半日でこんなに大量に……? お兄さん、やっぱり凄まじいわね! これで研究が捗るわ!」


質のいい魔石を受け取った黒猫のお姉さんは、目をキラキラさせて喜んでくれた。

黒猫の宝箱を後にした僕は、次にお馴染みの『適当な寺院』へと足を運んだ。


「ひゃあああっ! 今日もこんなに大量に!?」

「ええ、罠対策が完璧になったんで、いつもよりペースが上がっちゃって。倉庫の保管スペース、まだいけます?」

「も、もちろんです! 神聖なる倉庫の半分が貴方様のポーションストックで埋まりつつありますが、女神様は大変お喜びです!」


神官の少女の嬉しい悲鳴を聞きながら、僕はポーションのストックをさらに神聖な倉庫(物理)へと積み上げた。


そして最後は、冒険者ギルドだ。

残りの大量の魔石をカウンターにドンッと置くと、眼鏡の受付嬢がため息混じりに処理を始めた。


「黒猫の宝箱でアイテムを揃えられたのですね。……それにしても、魔石の量が昨日の1.5倍になっていますが」

「ええ、罠を気にしなくてよくなった分、討伐スピードがガンガン上がりまして」

「なるほど……。では、日課の鑑定をどうぞ」


もはや無の境地に達したような顔で、彼女はステータス測定板を指差した。

言われるがままに手を置くと、淡い光が新たな数値を形作る。


【レベル:20】

【筋力:165】

【体力:160】

【敏捷:185】


「あ、レベル20に乗った。自力で罠を避けてた時みたいな異常な敏捷性の上がり幅は落ち着きましたけど、順調ですね」

「……ええ、そうですね(白目)。レベル20といえば、中堅どころか一流パーティのエース級の数値ですが、貴方様はソロですからね……。もう何も言いません」


受付嬢は虚無の表情で、ずっしりと重い換金分の金貨を手渡してくれた。


罠の恐怖をアイテムで克服し、黒猫の魔道具職人という強力な協力者も得た。

レベルも大台の20に乗り、潤沢な資金とポーションに支えられた僕の迷宮探索は、ますます絶好調で進んでいくのだった。


最後までお読みいただき、ありがとうございます!


少しでも「面白い!」「次も読みたい!」「ヒョロガリ頑張れ!」と思っていただけましたら、

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