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グレイブハル城の観測者  作者: かも ねぎ
拾遺 第四章『燃え尽きた記録』
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拾遺4-4 手記 Ⅲ


体調を崩して居を移した。

王都の郊外だ。

自然が多くて空気がいい。


 ◇


妻もこちらに移ってくるそうだ。

よく喋る女だからな。

この静かな生活も終わりか。

まぁ……話し相手ができることはいいことだ。


 ◇


この日記を読み返した。


体調を崩したとはいえ、心や頭に影響はないはずだ。

痛めたのは肺だからな。

何が言いたいかと言うと、過去に書いた内容に覚えがないということだ。


私はエドマンドという誇らしい友人がいた。

幼い頃からの友。

私は親友だと思っている。


だが、なぜだろう。


私にとってとても親しみのある男だったはずなのに、思い出せないことが多い。


大切なものを失ってしまった気がする。

涙もろくなったのは、年のせいか。


悲しい。


私にもしものことがあれば、この手記は処分してほしい。

そうすべきだと、そう言われている気がする。

誰がそう言うのかは分からないが……


(ここで手記は終わっている)



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