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拾遺3-1 祝福を与えなかった血
王都オルドンからほど近い、湖のほとりに建つ――グレイブハル城。
風光明媚なこの城は、いつしか観光名所として知られるようになった。
美しく、
静かで、
それでいて、どこか不思議な場所として。
この城を守るのは、
錬金術によって生み出された二体の――ホムンクルス。
絶世の美貌を持つ青年、アウレリウス。
そして、彼の手によって生まれた少年、セティ。
その誕生に、祝福があったのか。
それとも――
それを知る者は、誰もいない。
世界から弾かれたこの城に封じられた、
厳かな秘密である。
◇
神の御遣いアルケオン 曰く、
『我が血は選ばれ、
世界は、王を得た』
神の御遣いセリス 曰く、
『我は王の影となった。
剣も盾も持たず、
ただ境を守るのみ。
それが、我が使命』
神の御遣いノクサ 曰く、
『我は、見る。
告げず、裁かず。
それが我に与えられた血』
世界はこうして、
巍然たる理と秩序を、再び星に戴いた。
だが、ある偉人は、こうも記している。
『神は、我らに檻を与え給うた。
壊れぬよう組まれた、
呪縛の絶えぬ器と共に』
――この記録は、
かつての戦にて、焼失している。




