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向日葵の約束

作者:まさ
最終エピソード掲載日:2026/10/22
中学二年生の正人は、どこか退屈した日常を生きていた。
世界は薄い膜に包まれたように暗く静かで、
未来に期待することも、誰かに心を開くこともなかった。

そんな正人の前に現れた少女・真優は、
まっすぐで、光のように世界に色を着けていく存在だった。
彼女の言葉、笑顔、距離感──
そのすべてが正人の心に初めて風を通し、
閉じていた世界を少しずつ動かしていく。

しかし、明るい世界に影が忍び寄る。
母の病気、孤独な日々、親友・瑛史郎の死。
正人は初めて深く傷つき、涙を流し、自分の弱さと向き合う。
その弱さを、真優は責めず、ただ静かに抱きしめた。

二人は江ノ島へ向かい、龍恋の鐘の下で永遠を願い、
稚児ヶ淵で未来を語り合う。
黄金に輝く波打ち際で、
二人の未来は確かに重なり、愛は完成したかに見えた。

しかし、幸福の絶頂は突然の喪失によって断ち切られる。
まゆの死──世界がふたたび色を失い、正人は崩れ落ちる。
返事のない部屋、触れられない痕跡、止まった時間。
真優のいない世界は、こんなにも寒い。

それでも、正人に救われた人々が今度は正人を救う。
榊原、霜山兄妹、早川先輩、瑠璃子──
正人の優しさが巡り巡って、彼を再び未来へ押し出していく。

長岡花火の夜、正人はまゆの手紙と出会う。
「生まれ変わっても、あなたを探す」
「あなたの横顔を道標にする」
その言葉は、喪失の闇を貫く光となり、
正人は再び歩き出す。

果てしなく続く未来の先で、
正人はまゆが願った“向日葵の景色へ”進む。
そして物語は、静かに示される“再会の予兆”とともに幕を閉じる。

これは、
光と影を往復しながら、
喪失を超えて“永遠”へ向かう恋愛物語。
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