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『教授を殴って停学になった農大ヤンキー、異世界で畑を耕したら三カ国の兵隊が飯目当てで戦争をやめた』

作者:月神世一
最新エピソード掲載日:2026/09/08
あらすじ
「その大豆の種? 処分したよ。棚を空ける必要があったのでね」
二年かけて選抜した在来種の畝を、企業の共同研究のために重機で潰された。
採っておいた種まで、ゴミとして捨てられた。
鬼神龍魔呂、二十歳。農林大学二年、無期停学。
昼は誰よりも土に真面目な農学徒。
夜は東京の裏道で恐れられる暴走族『鬼龍爆速愚連隊』の総長。
教授を一発だけ殴って大学を追われた帰り道、愛用のオイルライターが火を吹かなかった。
代わりに咲いたのは、青白い魔法陣だった。
落ちた先は、コタツでビールを飲む駄女神の部屋。
「特別にチートスキルをあげる。絶対防御なんてどう?」
「いらねぇ。神にもらった力で勝って、何が俺の喧嘩だ」
押し付けられたのは【農具箱】。
クワ、スコップ、ジョウロ、種籾、ハサミ。それだけ。
攻撃力の補正はゼロ。魔法も使えない。
効果はたった一つ、絶対に折れない。
――折れねぇなら、振り回していいってことだよな。
流れ着いたのは、三大国の緩衝地帯にある辺境『ポポロ村』。
愛が重すぎる月兎の村長キャルル。金の話しかしない猫耳商人ニャングル。他人のカードで生きる見習い女神リリス。
畑を耕し、鍬で盗賊を叩き伏せ、腹を空かせた奴には飯を食わせる。
だが村に現れたのは、書類一枚で子供を連れていく代官だった。
殴っても、制度は明日も動く。
「……お前ら、腹減ってんだろ。座れ」
彼が拳を握るのは、いつも誰かが飢えている時だ。
その理由を、彼はまだ、誰にも話していない。
これは、神のチートを蹴った男が、折れない鍬一本と熱い一杯の飯で、村ひとつを飢えから守り抜くまでの物語。
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