設定:第2部3章の追加登場人物及び地名、魔術名まとめ
2023/10/10 連載開始致しました。
初投稿になりますのでゆるく読んで頂ければありがたい限りです。
なにとぞよろしくお願い致します。
〈 新 地 名 〉
〇ドラッヘンクヴェーレ:武芸都市ウィルデリッタルトから北西方面へ馬車で6時間ほど進んだ先にある大きめの村。
不忍大沼という大きな湖があり、村が興る以前から住んでいたと言われる推定250年以上を生きる十叉大水蛇という竜種と共にある村として知られている。
この十叉大水蛇は帝国が興る以前、村が小国同士の争いで戦火に呑まれそうになり村民達が半ば諦めかけたとき、沼のヌシが出てきて兵士達を撃退した。争っていたどちらかに加担することなく、村民達だけを守るように撃退したという逸話が残っている。
それ以来、十叉大水蛇は”水神様”や”蛟様”と呼ばれ村民達に愛されている。
村の規模で言えば街とそう変わらないが、頑なに開発を進めないのは件の”蛟様”の住み処が荒らされたり、汚れたりといった恩神を慮ってのことである。
>>不忍大沼:上記の”蛟様”の住み処で、全長およそ16km、深さは最長18kmほどある大きな湖。
村が出来る切っ掛けになったほど水が澄んでいる。水自体周囲の森から流れ込んでくる栄養が豊富な為、”蛟”が成長するのに十分なほどに生態系も存在している。
〈 新 規 登 場 人 物 (魔 物 含 む) 〉
〇十叉大水蛇:現在は八頭八尾を持つ竜種の魔物。長月がヤマタノオロチと呼称して興奮していたほどに神秘的な造形をしている。
凛々しい蛇のような面立ちに、白く長い髭と鬣、金色の大きな瞳。胴体は一つで長い首と尾を持つ。
鱗は淡い水色で透き通っており、神話から抜け出てきたような威容のおかげでファンも多い。
竜種=偽龍種という生物学的常識がある為か、ひと目この魔物を見た生物学者達は「竜種=偽龍種と呼ぶにはあまりにも失礼だ」と口を揃えて言うほどである。
しかしながら龍種と呼ばれる存在は大昔に絶滅していて、おとぎ話や神話に出てくる生物という認識が強すぎるせいで、上記の表現が使えない。
そういう経緯があってこのドラッヘンクヴェーレに棲息する”蛟”は竜種という表現以外は使われていない。
元来、強力な魔物であるがゆえに余裕があるのか好奇心は旺盛で気性は穏やかである。
”叛逆騎士”の投げた『魔封輪』によって体内魔力の遅鈍化と一部放出不可による苦しみから大暴れすることとなってしまった。
アルクスによって助け出されてからは村の火事を消し止めたり、気まずそうにアルへ謝るような雰囲気を見せるなど、非常に感情豊かな魔物である。
〇”叛逆騎士”ハインリヒ・エッカート:生粋の戦闘狂。しかし武道家のように強さを追い求める戦闘ではなく、命のやり取りのみを好む。人間の原始的欲求は殺戮と闘争であると信じて疑わないため、それを求めて後ろ暗い仕事を請け負う人間。
十叉大水蛇捕獲に関しても本来は村を火事にする必要はなかったが、楽しいという理由だけで襲わせた。
元帝国の伯爵家に仕えていた騎士であったが、同僚の何の気ない「何か面白いことはないか」という雑談を発端にして、謀反を起こす。
使えていた伯爵家の使用人、子供、主君を皆殺しにし、止めようとした騎士達も尽く殺して回った。その際も手段は一切選ばず、人質を取ることに一切の躊躇もなく、また軍の装備品であった兵器類をくすねて使用した。
先の同僚以外を皆殺しにした上で、哄笑を上げながら「どうだ?面白かったろう?」と血や臓物を差し出したと言う。
またその同僚一人を残して逃走した際に”叛逆騎士”と呼称されるようになり、指名手配犯となった。
ちなみに同僚は心神喪失の末、精神を壊して自殺している。
〈 新 規 魔 術 〉
〇『燐晄』:シルフィエーラ専用魔術(第2部1章設定にて解説)。
・ 専用派生>>『燐晄驟墜』:エーラの武器である複合弓を和弓型に変形させたときに使う『燐晄』。三つある内の最後の『燐晄』。
より長距離に矢を飛ばす為に創られている。空気抵抗を減らすよう矢尻に行けば行くほどナイフで削った鉛筆の芯のような形状となり、風を掴む為に矢羽根は霊気から生まれた『燐晄』で纏われている。
基本的に上空や斜め上へ向けてエーラは放っている。光を纏った矢は弾道ミサイルのような軌道で上がり、上空で風に乗って急速反転。エーラの思い描く軌道を描きながら真上から降り注ぐ。
落下の重力も乗っている為、貫通力は『燐晄縫駆』より上。対象を射貫いても尚地面にのめり込み、指ではとても引き抜けない深さにまで刺さる。
シルフィエーラ専用魔術。
〇『蒼火撃』:ラウラがアルクスの『釈葉の魔眼』で視てもらいながら改造に改造を重ねて調整した『火炎槍』。改造に丸々ひと月はかかっていることに加え、アルクスの指導の弄っているので『火炎槍』の原型はほぼない。名付けはラウラ。
杖剣で使用した際は、アルクスが投げる蒼炎杭とほぼ同等の威力を発揮する。
杖剣なしで使用した場合は、アルクスが指鉄砲状態で蒼炎を撃ち出したときとほぼ同等。元が定型術式であった為、威力が素で高くなっている。
言わずもがな、ラウラがアルクスの蒼炎を模して弄った独自魔術。完全燃焼の炎という前世の科学的視点で見ている為、アルクスは気付いていないが他の仲間達にはしっかりバレている。
ラウラ専用魔術。
・ 専用派生>>『鋲螺ノ蒼火撃』:『蒼火撃』を銃弾サイズに圧縮し、解放した瞬間に爆発力を利用して突き進む。前世の銃弾と同じ原理で進む。
込められた魔力で爆発力を変化可能だが、最低出力でも拳銃並の弾速で飛翔する。
また視認できる距離で撃たれれば反応する頃には弾着しているほどに初速が尋常でない。
これを撃ち込まれた”叛逆騎士”は反応こそすれ、異常な熱量と着弾の衝撃によって引き千切られるように右腕を紛失することとなった。
当然こちらもラウラ専用魔術。
〇『蒼炎刃』:以前囚われた際に鎖を灼き切る為にソーニャが使用することになった放出範囲と火力を弄った『火炎槍』。名付けはソーニャがアルクスにあやかってつけた。青いバーナーのような炎を手元に発動させる。
ラウラは『魔封輪』に刻印されている魔術鍵語のつなぎを削り取る為に使用した。
〈 道 具 〉
〇『魔封輪』:帝国で30年以上前に使用廃止が決められた手錠。凶悪犯罪者や魔力を多く持っている者、魔術師の犯罪者を拘束するものとして開発されたものだが、長期間嵌め続けていると己の魔力で自家中毒に陥るという問題点があった為廃止されている。
また魔力の体外放出を止めるだけであり、内部では――――つまり闘気は使える為、嵌めたところで大して効果も上げられなかった。
数年で廃棄処分が決定されたシロモノのはずであるため、『魔封輪』について知識を持つ者はそう多くなく、また元の魔力が多い森人のケリアとプリムラは”魔法”が使えない困惑と閉塞感に苦しめられることになった。
人用のものは上記の通りだが、大型魔獣用に開発された方は仕様に欠陥がある。
というのも、魔獣の動きを鈍らせようとして魔力の動きが鈍くなるようになってしまっているのである。また、複数使用でようやく魔獣側の魔力放出を止めることが可能となる仕様であったため、こちらは公的には一度も世に出ていない。
実験段階で魔獣が大暴れした挙句、人死を出した曰く付きのもの。
アルクスはこの魔力の動きを鈍らせる仕様のおかげで『八針封刻紋』を全て解いたにも関わらず暴走せずに済んだ。
〈 二 つ 名 〉
現段階のアルクス達一党は五等級。認識票のガワは黒鉄。
〇アルクス:個人四等級。認識票の中心部は銅。
二つ名 :”鬼火”、”灰髪”、”幽炎”、”焦血刀”、”鏖の灰”。
またこれ以来”鬼火”の一党と呼称されるようになる。
〇凛 華:上記と同様。
二つ名:”冰剣”、”雪獄の舞姫”
〇シルフィエーラ:上記と同様。
二 つ 名 :”煌夜の精霊”、”天弓”
〇マルクガルム:上記と同様。
二 つ 名 :”狼騎士”
〇ラウラ:個人六等級。認識票中心部は水宝玉。
二つ名:”炎髪の乙女”
〇ソーニャ:ラウラと同様。
二つ名:”姫騎士”
〇夜天翡翠:使い魔の三ツ足鴉。普通の鴉より二回りは大きな三本脚の魔獣。十叉大水蛇に刺激を受けたのか魔力を発することができるようになった。
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