【設定③】魔法、剣術
第1部終了時点での設定です。
【 魔 法 】
魔族と一部の高位魔獣、魔物のみにしか発現しない種族固有の特殊能力。
魔族の戦闘における主力手段。戦闘形態へ移行する魔法を扱う魔族が戦闘民族、それ以外は戦闘に特化していないというだけで非常に強力なことに変わりない。
また、変異型と発動型に別れ、戦闘民族の魔族が扱う魔法は大抵が前者。残りが大雑把に後者とされている。
※ 魔獣と魔物は人側が勝手に分類している。
脅威度に関係なく襲ってくるのが魔獣。怯える、もしくはジッと観察してきて時には意思疎通を行えるものが魔物。
尚、ヴィオレッタの使い魔は魔獣も魔物も特に拘りはない。
これは使い魔にしようとして捕らえたことが一度もない為。その長い人生の中で怪我をした生物が助けられ、またその際に彼女自身の持つ能力によって使い魔となった。
アルクスらに連れて行かせたのは、1年ほど前に保護した三ツ足鴉。
○ 龍体化:戦闘民族である龍人が戦闘形態へ移るための魔法。
額の両端から角が1対伸び、腕や足には鱗のようなものが顎先までを覆うように生え、肘からは棘が伸び、手足の爪は肥大化して鋭くなる。更に、大小2対、計4枚の飛膜がある翼も生える。
飛行も可能だが羽ばたくわけではなく、大きい方の翼2枚から魔力を噴き出して滑空するように飛翔する。
また、鱗は魔力耐性が非常に高く、物理耐性はそこそこ。魔力を込めた人狼の毛皮の方が物理耐性は数段高い。
龍爪に関しても同様。物理攻撃手段だが狼爪や虎爪が鋭く硬いのに対し、龍爪は多少柔らかいが魔力の通りが良い為、龍気を流して使用する。
派生>> 部分変化:龍爪を含めた腕だけ、脚だけ、龍眼のみを変化させる省魔力化した魔法。アルクスが龍眼を発動する感覚とは別物。
>>> 龍眼:動体視力を爆発的に上昇させる戦闘用に変化した龍人の眼。生物が発する余剰魔力すらオーラや蜃気楼のように視覚化できる。瞳孔が黒いスリット状に細くなる。
>>> 龍眼もどき:アルクスの『封刻紋』が6~3時の間、使用可能というか使用限界状態の龍眼。動体視力のみ向上。
○ 戦化粧:戦闘民族の亜種と目される鬼人族が用いる魔法。顔に独特の紋様が浮かぶことで筋力上昇、動体視力向上など戦闘向きの効果が発揮される。
他の戦闘民族が肉体を変化させるのに対し、魔法で上昇する能力を割り振るという変わり種。日本の歌舞伎や能・狂言の面を思わせる紋様が浮かぶ。
派生> 無垢の相:戦化粧を発現させた際、最初に覚える紋様。全ての上昇能力が一律で上がる。一般的な鬼人族の女性でも、人間の兵士と力較べをすれば容易に勝てるほど上昇する。
朱色のむきみ隈のような紋様が浮かぶ。使い慣れるまでは隈取の色も薄い。鬼人の種類に左右されず色は朱色固定。
特殊派生>> 異相変:これ自体は魔法というより技術。特定の相から特定の相へ魔法を解除させることなく移行させる。特定の相が2つ以上ないと効果なし。
深化派生>> 修羅桔梗の相:近接戦闘寄りに上昇能力値を割り振った【戦化性】の別形態。筋力と動体視力に殆ど振っているので【無垢の相】より防御能力や魔力耐性が低下。
筋力を上げても筋肉が肥大化するわけでもない為、俊敏性は落ちないどころか上昇する。
薄青紫のアイシャドウが掛かり、唇に薄紅。二本角の先端が淡い露草色に色付く。額にリボンのついた同じ露草色の華紋様が浮かぶ。鋭い鬼歯が目立ち、虹彩には金環が浮かぶ。
尚、これは冰鬼人の女性の場合。
男性の場合、アイシャドウの代わりに濃い同色の隈。角は女性と同じだが、額には何も浮かばず、両眼の下に涙が伝ったような紋様が浮かぶ。
○ 人狼化:文字通り、戦闘民族の人狼族が人間態から人狼態へ肉体を変化させる魔法。狼の脚力、筋力、嗅覚、聴覚その他あらゆる面で強化された形態。体格そのものが一回り以上大きくなる。
発動時が最も魔力消費が大きい。
龍爪を越える太さの鋭い爪と爆発的な脚力、魔力を通すことで鋼鉄製の剣を難なく受け止める毛皮を持つ。生身でやり合うなら闘気が必須。
※ 戦闘民族の中でも狩人といえば人狼が真っ先に上がるが、真正面からの戦いにも強い方ではある。
派生>> 部分変化:龍人のそれと同様ながら、龍人のそれより非常に重要視されている。
なぜなら龍人ほど素の魔力量が多くなく、骨格ごとガラッと変異するというのは消費魔力がどうしても多量になってしまう為。腕や下半身、胸から上など頼りたい能力がある部分を変異させるのが一般的。
○ 精霊感応:上記の戦闘民族とは違い、変異しない森人の扱う特殊系統に属する魔法。森人族と鉱人族の魔法はこの系統。『妖精の瞳』と呼ばれるものを例外なく備えていて、その眼で見える精霊と意思疎通、魔力を譲渡することで発動させる。
植物や水、風の精霊に嘆願したり、誘ったり、軽いお願いでも気に入られていれば自在に操ることが可能。この見えない何かに頼む動作が、聖国人の魔術や魔晶石(精霊の雫)を扱う際に祈る動作を取る原因でもある。
特殊系統なのは生命反応を持たぬ精霊という存在に働きかける為。精霊は言葉を持たない植物や水、風といったものの意思が凝集化したものとされている。
また、森人が『妖精の瞳』を発動させた場合、虹彩の色のまま発光する。
その瞳が映すのは植物、水、風、光の精。鉱人族に見えるのは火、土、闇。しかし、光と闇の精霊というのは数が少ないのか、文献に残るほどではない。
深化派生>> 錬想顕幻:より精密に、より直接的に精霊と意思疎通が可能になった森人の魔法。意思を通わせ続けて初めて出来るようになる。
木の根が寄り集まって拳や足を象るのは序の口。これがある為、森の中で彼らに勝る種族は居ないとすら言われている。
○ 人虎化:人虎族の魔法。人狼の方とほぼ同じだが、人虎のそれは狩りより正面からのどつき合いが得意。爪は人狼ほど鋭くないが、筋肉が肥大化するため打撃技が得意。
○ 撚糸:蜘蛛人族の魔法。そもそも蜘蛛人族の糸は非常に堅牢であり、それを撚り合わせる魔法。最低でも2本以上の蜘蛛糸が使われる。また魔力を通すことである程度自在に動かせる。
【 剣 術 】
魔術や属性魔力の投射一辺倒で戦える者というのが極々一部だったがゆえ、当然のように生まれた近接戦闘術。
帝国、王国、聖国は独自の剣術文化を持ち、3大国に挟まれた共和国はかつてそれらの剣術道場がひしめき合っていた。しかし、15年ほど前に実効支配されてからは帝国流派も王国流派も国内からめっきり数を減らしてしまっている。
帝国には有名な剣術流派が2つあり、その1つがツェシュタール流。また帝国は剣術だけでなく、槍術も有名。建国の折、勇名を轟かせた3名がそれぞれ剣と槍の名手であったことから脈々と受け継がれている。
○ 六道穿光流:極東の島国に住む鬼人族が刀を用いて築いた流派。鬼人族の生まれはこの国。
元々魔獣(極東では妖獣と呼び、差異がある)相手に編み出された刀術。当時の妖獣は死体に憑りつく魔法を使っており、その寄生された死体は『黄泉返り』と呼ばれ混乱を生んだ。そんな混迷の世にあって悪しきを貫き裂く光を振るう、というのが流派名の由来。
また六道穿光流には基本の型(精確には構え)が8つしかなく、実戦で閃いた剣技を扱う。
型はこの世界に存在する8属性(火・水・土・風・氷・雷・光・闇)に沿ったもの。型が象徴している属性を己なりに解釈でき、そのうえで戦えて半人前卒業。ここまでが良くても初伝。
六道穿光流の理念を理解し、自由に剣技を放てるようになって初めて中伝。
>【陣風】:風の型基本。刀を胸か腹にピッタリと沿わせる。風の如く動き回ることを重視した型。
派生>> 陣風刻雨:【陣風】の構えを執り、相手の死角に廻り続けながら刃を当てて駆け廻る剣技。
体力と動体視力、当てて引くだけで斬れる刀が必須。
大きな妖獣相手に重要な血管が通る部位や脚を何度も斬り廻って失血死、ないしは重大な出血状態にさせる技が洗練され、剣技へと転じて受け継がれた剣技。
混成派生>> 流吹断・騰車:水の型【雲水】、風の型【陣風】の混成剣技。
飛び上がりながら上昇捻りを入れつつ、一気に刃を抜き斬る。独楽のように回転・上昇する技。単体で仕掛けるものではなく、敵の勢いや技を利用する半ば反撃技。
混成派生>> 流吹断・颪車:騰車の真逆、回転と落下の勢いを利用する技。こちらは単体で仕掛けることもある。特に、空にいる場合の対空砲撃や技を相殺する場合に利用する。
>【焔燐】:火の型基本。常に振る直前を構えとした攻撃的なもの。一撃の膂力に重きを置く型。派生技が一番少ない。基本的に振り下ろしか振り上げか横薙ぎの一太刀しかない。
派生>> 焔燐裂破:己が内に秘めた闘志を一太刀に込めて叩き斬る唐竹割。次の一撃を考えない剣技の為、外したり仕留めれなかった場合、致命的な隙を晒す。
混成派生>> 豪焔嵐舞:左の脇構えにし、駆ける勢いと直前にしゃがみ込むことで下半身に溜め込んだ力を利用し、身体を右回転させながら斬り裂く廻転剣技。螺旋を描いて突進する。『炎気刃』・『蒼炎気刃』を使用している場合は間合いを測りにくくなる為、効果大。
混成派生>> 飛焔烈衝:アルクスの独自。八重蔵が剣閃を飛ばすのを見て真似た剣技。矢尻型に凝縮した剣閃を放つ。『炎気刃』で出た龍焔が勿体ないと考えて閃いた。
混成派生>> 飛焔烈衝・蒼:上記同様、アルクスの独自。『蒼炎気刃』を利用したもの。『炎気刃』が使えなくなった為、アルクスが改名した。
>【葉隠れ】:風・闇の型混成構え。一葉あれば相手の眼の前から消えたと錯覚させるほどの隠密に特化した型――より精確に言うと走法。刃の照り返しも見えぬよう基本は納刀状態。
混成派生>> 夜疾風:アルクスの独自。対象を囲むように駆け廻り、死角を見抜いたら即座、目にも止まらぬ疾風となって一気に斬り抜ける技。
また、斬り抜けて直ぐに【葉隠れ】へと移行する。単体で用いるのではなく連続技として出す。
>【雲水】:水の型基本。雲や水のように絶え間なく流れ続ける流れそのものを表す型。唯一決まった構えがない。大抵は片手に刀を持たせてぶらぶらとさせる。
同じ拍子では動かない。攻撃をいなす型でもあり、猛烈な勢いで仕掛ける激流を表す型でもある。
異説派生>> 妖殻貫き:鞘による技。自らを水の如く定義するのではなく、相対している敵体内にある水を利用する技。
衝撃を伝える突き、遠当て。六道穿光流の本筋の考え方ではない為に異説とされている。
○ ツェシュタール流剣術:帝国で盛んな剣術流派。戦場で培われてきた実戦・対人剣術。凛華の父、八重蔵は奥伝到達者だが、格を下げない為にそこまで至った者は非常に少ない。
身幅の広い長剣を扱う大剣術、長剣と直剣(もしくは小剣)2本を扱う双剣術がある。
※ 長剣1本で戦う剣術は帝国剣術2大流派のもう片方でハルトシュッツァー流と言う。
また、凛華が手元でくるくると振り回すのは重剣を使用している為で、ツェシュタール流大剣術にそういった動作があるわけではない。
> 鉄砕覇斬:ツェシュタール流大剣術・第一の型であり、必殺剣技。大きく開いた足を踏ん張り、遠心力を乗せた大剣の重量で盾ごと斬り裂く、ないしは吹き飛ばすための横薙ぎ。
魔族じゃない人間の剣士が用いても鉄すら断つと言われている。凛華はこれに【戦化性】の膂力も加えて扱う為、非常に強力。
強化派生>> 鋼砕覇斬:上記の『鉄砕覇斬』を昇華させた、鋼鉄すら寸断する剣技。横薙ぎに追加で縦の振り下ろしも可能になっている。
> 交叉輪舞:敢えて引きやすい一撃を放つことで相手の攻撃を誘い、最速の反撃を放つ大剣廻転技。ツェシュタール流大剣術は実戦で培われてきた剣術である為、こういった誘い技や剣の幅を利用して出鼻を挫く技が豊富。
【 ※ 現 在 の 装 備 】
○ アルクス・シルト・ルミナス
・紅桜色をした鞘の龍牙刀(トリシャの牙を使って鍛えた太刀)。
・黒蝋色をした鞘の刃尾刀(刃尾を使って鍛えた打刀)。
・龍鱗布(龍鱗と蜘蛛人族の撚糸を使って編まれた真紅の織物、幅広のターバンくらいの長さ)。
○ イスルギ・凛華
・複数本の剣帯で吊り下げている尾重剣(刃尾と槍尾を使って鍛えられた重剣)。
・直剣(刃尾を使って打たれた諸刃造りの剣。柄頭に刀環がついており、アルクスの前世にあった環首刀と直剣が融合したような形状で平たい)。
・裾丈の短いジャケットと羽織が合わさった短裾上衣。
○ シルフィエーラ・ローリエ
・3種の樹木(梓・真竹・紫檀)を撚り合わせるようにして造られた複合弓。
・深い緑褐色の頭巾付き短外套。
○ マルクガルム・イェーガー
・タンクトップ型の胴防具。【人狼化】しても破れない。腹部と胸部を刃鱗土竜の鱗と鋼を鍛錬したもので覆われている。変化時、腹部の鱗鋼板がスライドする。
評価や応援等頂くと非常にうれしいです!




