26話 『指切り』(虹耀暦1288年6月:アルクス16歳)
今回は後日談その2になります。
前話より、およそ一週間後のお話です。
6月に入ったばかりの昼過ぎ。
ここ帝都も今は本格的な夏を前にした雨季で、窓を開ければサァサァと降り注ぐ心地の良い雨音をいつでも楽しむことができる。
と、云っても毎年のことなので整備された都内の川が増水で氾濫することはなく、また雨足そのものもそう強くもない為か、時折はしゃぐ子供らの声が聞こえてくる。
泥だらけで家に帰って親に叱られるまでが一連の流れだ。そういう記憶もいつかは懐かしい思い出になる。
そんな雑多ながらもどこか落ち着く音や声、直ぐ傍を流れる普段より少し大きくなった川音が届く2階建ての大きな家。
かつては『艪掛け宿』として親しまれていた一軒。
現・武芸者一党『不知火』の拠点家。
その二階にあるアルクスの自室で、鈴の音のように聞き心地の良い弾む声が何かを読み上げていた。
「『彼らは間違いなく、我々にとっての希望だった。昏い絶望に支配された街で彼らと、彼らに鼓舞されたあの生徒だけは違った。眩いまでの覇気を失うことなく戦い、我々を救ってくれた。
教会に来た朱髪の少女…………彼女はまるで、かつて存在していた戦女神の如く仲間達を鼓舞し、その圧倒的な実力を以て若い生徒達を一個の魔術師部隊にまで変えてしまった。彼らが力を合わせて放った魔術が、あの巨大な”絶望”の権化の腕を落としたのを見た時は歓喜に震えたのを憶えている。
森人の少女にしたって、凄まじい戦いっぷりだった。我々を護りながら閃光を放ち、最後にはあのどうしようもない”絶望”の肩を射貫いてしまったんだ。まるで光と風を操る精霊だよ』」
楽しそうな声は尚も続く。
「『人狼族の青年と騎士鎧をつけた少女だな? 彼らの逞しい背中には安堵したものだ。私達は博物館を護っていたんだが、襲撃されてね。あわや大参事、というところで彼らが駆けつけてくれた。いやぁ、苛烈な戦いっぷりだった。驚いたよ。
少女の方は我々と同じ人間だというのに人狼族の彼と呼吸の合った連携で次々と〈胎星派〉の連中を斃してね。部下なんて口をぽかんと開けてたくらいさ。結局”魔導自律人形”との戦いでも出突っ張り。よく体力が保つものだ。
私達の知っているだけでも彼らは戦いっぱなしだったというのに、人狼族の彼――いや、あえて人狼君と呼ばせてもらおうか。彼なんてあれだけ戦っておきながら、最後の最後は目で追えない速度で”魔導自律人形”を吹っ飛ばしてたよ、雷鎚を纏ってね。まさしく雷の化身だ。
あの場にいた者にはそう映ったと思うね。紛うことなき迅雷さ。何にせよ、彼らがいなかったら街は陥落していた。そこは間違いない』」
途中からどこぞの知的な工房長を真似ていた少女の声が「おっほん!」と、わざとらしく咳払いをして続ける。
今度は厳格な軍人っぽい喋りを意識しているようだが、やはり声音そのものの高さと可愛らしさのせいでちっともそう聞こえない。
「『やはり彼のことだろう。”鬼火”だ。凄まじい実力を持つ仲間達を纏め上げている彼だ。彼がいなければ我々は敗北していた。断言できる。我々軍人にあれを斃す術はなかった。
あの鬼人族の少女とて、私の部下にいたら間違いなく持て余す逸材だ。可憐な見た目で豪快に大剣を振るい、あの巨体を弾き飛ばすだけの実力を持った鬼剣士。まるで鬼神と天女の娘だ、と同僚は言っていたがその通りだと思う。
だが、その彼女や同じだけの実力を持った彼らの仲間を御している彼――”鬼火”の姿がやはり私の目には灼き付いて離れない。鍛錬を欠かさぬ我らでさえ呑まれた、あの気魄。血に塗れても光を失わぬあの瞳。そして彼の意を組んで動く蒼翼。まるで龍だった。
あれを斃す際に古の大剣を用いていたが、彼の背に龍の腕を幻視した者は多い。部下もそうだった。未だに思い出せるよ、掩護のしようもなかった彼らの連携。彼の雄叫び。振るわれる”古聖剣”の輝き。間違いない……彼らのような者を”英雄”と呼ぶのだろう』…………だってさ!」
新緑を思わせる一対の瞳が寝台で身を起こす青年に注がれる。
それを聞いていた青年――アルはぼんやりとしながらも苦笑を零した。
「すごいや……誰の話してるのか、ちっともわかんなかった」
「あははははっ! だよねぇ、ボクもそう思ったよ。良く書き過ぎってか、よくこれだけの人に取材できたよねぇ」
シルフィエーラが開いていたのは雑誌だ。例によって例の如く『月刊武芸者』。どうやら5月に発刊分のそれを遅らせてまでこの記事を載せたようである。
情報誌としてはある意味正しい姿かもしれない。なにせ〈グリュックキルヒェ〉のあの件は今も紙面にて大きく取り沙汰されているのだから。
「むしろまだ復興中のあそこに記者が行ったってことの方が驚きだよ」
どんだけ情熱的な記者なんだ、とアルの声もどこか呆れている。
ちなみに彼ら『不知火』の預かり知らぬことだが、『月刊武芸者』の特集記事を担当する記者は携帯食糧持参で体当たり取材を行うのが常だ。余力があると復興作業に手を貸して本社に戻る者すらいるほどである。
鋼業都市〈アイゼンリーベンシュタット〉にて縁を深めた記者見習いミリセント・ヴァルターの喫緊の課題は体力作りなのかもしれない。
「まだ一週間くらいしか経ってないけどすっごい話題になってるし、しょうがないかもね~」
エーラはのほほんと一度区切り、
「一応みんなで見たけど、『月刊武芸者』にも新聞にもアルが半魔族って書いてるとこはどこにもなかったよ」
と、安心させるようにニッコリと笑みを浮かべて報告した。
「そっか、ちょっと心配してたけど一安心だね」
アルが黎い髪を鬱陶しげに掻き上げながら、ほっと息をつく。
「学院長のおかげだねっ」
「うん、まぁあの学院長に凄まれたら誰だって言わないと思うけど」
彼が言っているのは、あの事件が収束した翌日のことだ。
軍の早馬に彼らの担任教授コンラート・フックスが学院への伝令も託していたらしく、帝立〈ターフェル魔導学院〉のシマヅ・誾千代学院長が単身『転移術』を用いてやって来た。
そこでコンラートから事件のあらましを聞くや、誰が止める間もなく、この件の首謀者と共謀していた学院卒の一等魔導技士キーガン・シャウマンを殴り飛ばした。
怒れる巨鬼族の一撃だ。
まるで紙くずの如くブッ飛んでいったキーガンに衆目が集まるなか、彼女は振り返り、金眼をギロリとさせて以外にも頭を下げた。
「うちの卒業生がこのような事件に関わっていたこと、深くお詫び申し上げたい。あの者への取り調べに、学院が手心を加えるよう助言することは絶対にない。必ずや罪を償わせると、この己れシマヅ・誾千代の名の下に約束しよう」
その戦名乗りを彷彿とさせる迫力に誰もが黙り込む。
軍人が引き起こしたキーガンはただの一撃でボロボロになっていた。骨も幾つか折れているが、死んではいない。
「それと……図々しいことを承知で其方ら〈グリュックキルヒェ〉の民に頼みがある」
誾千代は続ける。
「きっと此の件で様々な者がここに来よう。憲兵や他の軍関係者、記者といった事件を詳らかにせんとする者らだ。其の際、生徒らの個人を特定するようなことを証言せぬよう頼みたい。
彼らはまだ未成年。大人の庇護下にあるべき少年少女らだ。特に、其処な愚か者が『”鬼火”の小童が半魔族である』と明かしてしもうたと聞いた。相すまぬが、そちらも秘して頂きたい。
人間と魔族の子など、齢三百を超える己れでも、未だあやつしか知らぬ。此度の件で心無い糾弾を受けぬよう配慮して貰いたいのだ。其処のところ、どうか宜しくお頼み申し上げる」
そう言って3m近い巨躯の腰を再度、丁寧に折った。
その武人を思わせる態度と迫力、金の瞳に住民らは気圧されつつも「そんなことはしない」と口々に応え、
「軍で検閲致しましょう。”鬼火”――いや、彼の率いる一党『不知火』は紛れもなくこの街の”英雄”。彼らが心無い言葉で傷つくような事態、我らとしても見過ごすことは出来ません」
と、リューレ上級曹長を筆頭にあの場にいた軍人達が諸手を上げて賛同したのである。
「感謝するぞ。この時代の兵らにも気骨ある者がおるようで安心だ」
誾千代は懐かしそうに、嬉しそうにニンマリと笑ったのだとか。
それから夫を連れて走ってきたもう一人の卒業生ザビーネ・リーチェルと楽しそうに言葉を交わし、纏めた荷物を持って不思議そうな顔をする生徒達を連れて『長距離転移術』を使って学院に戻ってきた。
周囲を鍵語が廻ったかと思いきや、途端に明滅し、眼を開ければ見慣れた運動場が広がっている。
その光景に、
「うわっ!? え……? 嘘だろ、ここ、学院……?」
「もしかして、『転移』!?」
「マジかよ! 伝説の魔術だぜ!? うぉぉぉぉ~、俺『転移』しちゃったの?」
「お師匠様やっぱりすっごいです!! え、どうしよ、寮のみんなにも自慢しよっかな」
「す、すごいな……さっきまであの街にいたのに」
「ああ……これがあの『転移』か。伝説扱いも頷ける」
「これって……え、でも『転移術』って『短距離』しかできないんじゃなかったけ? あれ? でも、ここと〈グリュックキルヒェ〉って五十キリ・メトロンは離れてるよね? 全然見えなかったよね?」
すっかり元気を取り戻した生徒達がはしゃぎ、
「初めて経験しましたけど、素晴らしい術ですね。さすがは学院長です」
眼鏡の奥で瞳をキラキラさせつつ、生徒達の様子にコンラートが嬉しそうに笑う。
「なに、己れを褒めるな。古い知り合いの研究成果ゆえな、褒められると複雑な気分になる」
反対に誾千代は少々苦い表情を浮かべ、その意味がわかる『不知火』の面々だけは疲れを滲ませながらくすくすと笑みを零すのだった。
それが約一週間前のことだ。
現在、1年7組の生徒達は長めの休みと便箋をもらい、事件に巻き込まれたことと自分達の無事を伝えて、学院に提出するようにと言われている。
どうやら学院からお詫びの手紙と共に実家へ送ってくれるそうだ。
「ボクらのことは学院長がヴィオ先生に書いて送ったってさ。『里に帰ったら説教が待っておる、と”鬼火”に伝えやれ』だってさ!」
たはっとエーラが笑うのに対し、アルがげんなりとした顔を見せた。
「しょーがないじゃん、今回は。あんな騒ぎ起こしたヤツがいっちゃん悪いのにさぁ」
ぶーぶーと唇を尖らせてると、耳長娘が「あっははは!」と笑う。
尚、それだけ迅速な情報伝達ができるのは暗号化した『歪曲転移陣』の術式を誾千代が持っているからである。
それのおかげ――否、そのせいでアルの前世にある電気通信並の伝達速度でやり取りがなされているらしい。
アルからすれば割と『冗談じゃない』事態だ。
悪事も働いてないのに、密告なんて! と、しっかり抗議は入れてみたものの、吸血族と巨鬼族の大魔導は揃って聞き流した。
然もありなん、と仲間達も似たような顔をしていたのが解せないところである。
「さてと、そんじゃ熱測るよ~? ん、だいぶ下がってるね。顔色も戻ってきてる」
耳長娘が警戒心もなく、濃い小麦色の腋を晒しながらアルの額に手を当てた。アルの心臓が不自然に跳ねる。
「あー……うん、たぶん大丈夫と思う」
少しひんやりとした彼女の手を感じつつ、目のやり場に困ったアルは視線を下げながら応えた。
実を言うとアルとマルクガルムの二人はこの数日間、寝っぱなしだったのだ。
と、云うのも拠点家に戻ってきて直ぐ、『不知火』は協会と軍から呼び出しを受けた。コンラートのおかげで二日で終わったのだが――――……。
凜華は冰鬼人で、エーラは植物や風ほどではないが水の精霊とも親和性があり、ラウラとソーニャは鎧、更に女性陣はみな、大なり小なり外套を着ていたので何ともなかった。
一方でそれらもなく、途中からずぶ濡れ状態だったアルは負傷も酷かったせいか、マルクも同じくずぶ濡れな上に全身の筋繊維が傷ついていたせいか、その日の夜に熱を出してぶっ倒れたのである。
風邪まで併発して、ここ数日は看病されっぱなしの状態だ。来週から再開される授業には参加できそうだが、精神的にちっとも休めた気がしない。
「ていうかエーラ、ちょっと無防備過ぎるよ」
耳長娘の漂わせている花のような甘い匂いを感じつつ、アルがやんわりと注意すると――――……。
「…………」
普段とは少しばかり違う表情を浮かべてエーラは沈黙。じっと緑瞳を向け、意を決したようにこう問うた。
「ね、あの時言ったこと憶えてる?」
「あの時?」
何のことだろうか、とアルは胸を少々撫で下ろしつつ、然りとて落ち着けるほどではない空気にドギマギとする。
「うん、あのキーガンって人が『純粋な魔族か人間にしてやる』って言った時に、アルがなんて応えたか……憶えてる?」
エーラは乳白色を帯びた金の髪房を弄りながら、視線をそわそわさせつつ訊ねた。
「え、あ、ああ、うん。憶えてるよ」
あの時は頭に血が上ったのと、それどころではなかったせいで考える間もなく叫び返したが、言った内容はアルも憶えている。
「大事な”約束”だって、言った」
少々気恥ずかしく感じながら、アルは呟くように応えた。
いつか元の銀髪、元の真紅の瞳を見せる――――半龍人と向き合って答えを見つけてみせる、と交わした口約束。
「うん。あのね? その”約束”……ってさ、その、ボクともしたことになってるかなぁ? って、その、思っちゃって……えと」
エーラは口をもごもごとさせて、少々瞳に不安を滲ませながらそんなことを言った。
アルはその様子を見て、ハッとする。
単なる口約束だからこそ、凜華とラウラとはそのような会話をした憶えがあった。しかし、エーラとはなんとなしにそういった流れになっただけだ。明言まではしていない。
彼女は、自分もその約束を果たしてもらえるだろうか、と不安がっているのだ。
その意味は――――……。
不安そうに瞳を揺らす理由は――――……。
わかっていても、今のアルにはしっかりとした言葉を送れない。
しかし、だ。
「じゃあエーラとも”約束”しとこう」
きちんと約束を交わすことはできる。アルはほっそりした耳長娘の右手を取って、小指同士を絡ませた。
「へっ?」
エーラがあわあわと慌てたような顔をしつつ、されるがまま絡んだ小指に視線を落とす。
「この世界のどこかにもあるかもだけど、前世では『指切り』って言ってこうやって約束してたんだよ。『指切拳万、嘘ついたら、針千本呑~ます』って言ってね。物騒だろ?」
「そ、そうなの? えと……そ、そう、かも?」
耳長娘はすっかり動揺してこくこくと慌てて頷く。その様子を可愛らしく思いながら、アルはこう言った。
「エーラにもいつか見せるよ、元に戻った姿。どうなるかはわかんないけど、自分の血にケリを付けてみせる。”約束”だ。だからそれまで、待っててくれ」
彼の告げた言葉が脳で意味を結んだと同時、耳長娘の頬はみるみる内に紅潮し――――。
「”約束”…………うんっ、”約束”だよ! ボク、待ってるから!」
ぱぁっと嬉しそうな笑みを咲かせた。
アルの好きな溌剌としていて元気をくれる、満開の花を彷彿とさせる彼女の笑顔だ。
「じゃあ、指切ったっと」
「あはっ、破ったら針千本だからね? 拳万は凜華に頼むからね?」
「はは、わかってるって。なんとか果たしてみせるさ」
そう言ってくすくすと楽しそうに、心地良さそうに笑い合う。
そこへ、がちゃと戸を開けてラウラと凜華が入ってきた。
「アルさん、食後のお茶ですよ」
朱髪少女の手には盆と湯気の上る湯呑み、
「凍らせた桃も持ってきたわよ、食べられる? って大丈夫そうね」
それと見るからに美味しそうに切ってある桃だ。凜華の左腕には未だ石膏包帯が巻かれている。
毎日『治癒術』を掛けているので、あと一週間もしない内に治るそうだ。
ここ数日、何度も見た光景である。
「ありがと。マルクはどう?」
「あっちも熱下がったみたいよ。さっきソーニャに聞いたわ」
そのソーニャの方は凜華ほどの怪我ではなかったそうで、既に分厚く巻かれた包帯を外している。
現在、三人娘と同様で「寝っぱなしなのに、よく食べられるな」「腹だけは減るんだよ」などと他愛もない会話をしながら、どこか嬉しそうに人狼青年の世話を焼いていたりする。
「そっか。なら良いや」
「ソーニャも献身的だねぇ」
「ふふっ、マルクさんは丈夫ですからね。世話を焼くのが楽しいのかもしれません」
義姉として微笑ましいのだろう。ラウラがお上品にくすくすと笑った。
「俺も頑丈さには自信あるよ。軍癒の人にも褒められた」
アルがお道化ると、
「「「いやそれ褒めてない(ません)から」」」
三人娘が一斉にツッコむ。正しくは呆れ半分、驚き半分だ。
「まったくもう」
望む反応を得られてからからと笑う好い男を前に、三人娘は顔を見合わせてふふっと笑い出す。
「あ、そういえば新聞に書いてありましたけど”凶祓の古聖剣”、あそこの広場に安置するそうですよ?」
「え、そうなの?」
「らしいわよ? 動かすのも大変だし、街を救ってくれた正しく『聖剣』だからって」
「へぇ~、その内またお芝居にされちゃうかもねぇ~」
「はは、さすがにない…………よね? 冗談だよね? ねぇ俺いやな予感するんだけど」
「大丈夫ですよ……きっと」
「きっと!?」
「ちょっと興味あるわね。どれくらいの長さになるのかしら?」
「絶対アルが目立つようなお芝居になるもんねぇ。どんな感じか、ボクも気になるかも」
「もしそうなっても俺を連れてかないでね?」
「「「…………」」」
「ちょ……っ!? ねえ、なんか言おうよ!」
こうして〈グリュックキルヒェ〉の事件を終えた『不知火』は和やかに、賑やかに療養の日々を終えるのだった。
尚、この半年と数カ月後に彼らと縁がある、とある劇団がこの件を演目にして披露したのだが、すっかりそのことを忘れ去っていたアルは帝都の劇場前で、
「え……待って!? いやいや、これはキツいって! 俺イタいヤツになっちゃうじゃん!」
との抗議も虚しく連行されていったそうな。
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