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シャンテル王女は見捨てられない〜虐げられてきた頑張り屋王女は婚約者候補たちに求婚される〜  作者: 大月 津美姫
5章

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99 ジョナサン公子の協力

「父上、彼らが言っていることは本当なのですか!?」


 ジョナサンはルベリオ王国の使者から聞かされた内容に、耳を疑う思いで父に問い掛けた。この話が本当であれば、同盟国に対する国家侵略だ。


「そんなわけないだろう! これはジョセフの戯言だ! それか、この私を貶めようとしてそんなバカげた話をしているに違いない!!」


 ロマーフ公はそう言って否定する。


 だが、ジョナサンは少し気弱で優しいジョセフがそんな大それたことを考えるだろうか? と信じられないでいた。何より、全てを息子であるジョセフの仕業だと言って、自身は潔白だと言い張る父親からは普段の冷静さが欠けている。

 まるで、図星を突かれて動揺しているようだった。


「これは私の名誉に関わることだ! そんな世迷言を言うジョセフの言葉を信じ、私を疑うのであれば、我が国もそれなりの対応を取らせてもらうぞ!!」

「父上っ!」


 これはまずい……! 一歩間違えれば、戦争になってしまう!!


 そう感じたジョナサンは「落ち着いてください」と父親を宥める。


「一先ず、事実確認が必要でしょう。しかし、当事者として名前が上がっている父上ではルベリオ王国側に信用してもらえるか分かりません。ここはルベリオ王国とロマーフ公国の合同で調査を行うのはいかがでしょう?」

「なんだと?」


 ロマーフ公がジョナサンを鋭い目付きで振り返る。一瞬、怯んだジョナサンだが、国のためにここで怖じ気付くわけにはいかない。


「幸い、使者の方は三人いらっしゃいます。こちらも調査に人を少数投入し、何か見つかれば我々と使者の方で一緒に確認するのです」

「その必要はない! 私は何も関わっていない! ジョセフ一人の単独犯に決まっている! 調べるだけ無駄だ!!」


 そう叫んだロマーフ公に、ジョナサンはやはり疑問を抱く。


 どうして父上はジョセフの単独だと決めつける発言を? 誰か協力者がいるとは思わないのだろうか? それに、ジョセフは父上にとって息子だ。何故庇わないんだ?


「仮にそうだとしても、ジョセフを調べる必要があります。それに、我々のことも調べていただければ、身の潔白を証明できると考えます。我々は今、同盟国であるルベリオ王国に疑われているのです。誤解だと証明するためにも調査は必要です」


 そう説得したが、ロマーフ公は怒りのこもった瞳をジョナサンに向けた。


「お前は黙っていろ!」

「父上!!」


 父は冷静ではない。そう感じたジョナサンは、周囲に並んでいた騎士に向かって声を張って命じる。


「公王は突然のことで、ご乱心されているようだ! 医務室へお連れしろ! 落ち着かれるまでお身体を休ませるのだ!!」


 困惑を見せていた騎士たちだったが、次期公王である公子の言葉に「ハッ!」と返事をして動き出す。


「こら! 放せ! 私の命令が聞けないのか!!」


 ロマーフ公は抵抗していたが、やがて騎士たちにより、謁見の間から連れ出された。


「お見苦しいところをお見せしてしまい、申し訳ありません」


 周囲が静かになったところでジョナサンはルベリオ王国の使者に謝罪する。


「我が国の潔白を証明するためにも、先ほど提案させていただいた調査の件、引き受けていただけるだろうか?」

「勿論でございます。できれば、ジョナサン公子が信頼に足ると思われる方を人選いただけますか?」

「分かった。調査は早い方がいいでしょう。すぐに人選致します。どうか、よろしくお願いします」


 こうして、ジョナサンは公爵代理として、ルベリオ王国の使者と協力し、調査を進めた。

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