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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

未定義感染

作者:語り屋
最新エピソード掲載日:2025/12/21
それは、最初から「危機」ではなかった。
アフリカの医療施設で起きている暴力的なトラブルは、暴動でも感染症でもなく、新しい薬物か、精神疾患による錯乱だと説明されていた。国際ニュースの片隅で消費され、日本の官邸でも「参考情報」として一度確認されるだけの話だった。
内閣官房で危機管理を担当する参事官・三浦 恒一の仕事は、それらの情報を「今は扱わない」と整理することだった。国内への影響はなく、邦人被害もない。そう書ける限り、事態は官邸にとって存在しない。
だが、日本の日常に、少しずつ似た報告が混ざり始める。病院で暴れる患者、押さえが効かない被疑者、理由の分からない興奮状態。どれも単体では説明がつく。どれも、危機とは呼べない。
ゾンビという言葉も、未知の感染症という認識も、この世界にはない。あるのは、既存の言葉で無理に整理される現象だけだ。
それでも人は動き、国境は意味を失い、説明できない事態は静かに広がっていく。官邸が「名前」を与える頃には、すでに取り返しがつかなくなっている。
これは、怪物の物語ではない。
危機を危機と呼べなかった人間たちの物語である
1話
2025/12/20 20:42
2話
2025/12/20 20:48
3話
2025/12/20 20:59
4章
2025/12/20 21:04
5話
2025/12/20 21:07
6話
2025/12/20 21:31
7話
2025/12/20 21:52
8話
2025/12/20 21:58
9話
2025/12/20 22:08
10話
2025/12/21 14:58
11話
2025/12/21 15:09
12話
2025/12/21 15:35
13話
2025/12/21 15:41
14話
2025/12/21 15:49
15話
2025/12/21 15:51
16話
2025/12/21 16:05
17話
2025/12/21 16:14
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