第8話「コロッサス級」
黒い光が宇宙を切り裂いた。
それはビームではない。
粒子砲でもない。
重力そのものの奔流。
ヴォイドスウォーム――コロッサス級が放った一撃は、空間を歪めながら軌道都市ユグドラシルへ向かっていた。
司令艦アルゴスの艦橋で、オペレーターが絶叫する。
「衝突まで――12秒!」
司令官が叫ぶ。
「艦隊!迎撃しろ!」
戦艦群が一斉に砲撃。
粒子砲。
ミサイル。
重力砲。
だが――
すべてが弾かれる。
重力波が防御壁のように広がり、攻撃を消し去る。
「迎撃失敗!」
「止まりません!」
宇宙都市まで残り数秒。
その瞬間。
青い光が加速した。
GF-01 NOVA。
ソラが叫ぶ。
「間に合え!!」
NOVAが重力加速。
通常の推進ではありえない速度。
敵の攻撃の前へ飛び出す。
通信が入る。
レイだった。
「無茶だ。」
ソラは笑う。
「分かってる!」
NOVAの背部フィンが全展開する。
重力炉が唸る。
AIが警告する。
《出力危険域》
《重力炉臨界接近》
ソラは前を見据えた。
巨大な黒いエネルギーが迫る。
「……でも。」
操縦桿を強く握る。
「やるしかない!」
NOVAの両腕が前に出る。
青い重力場が展開する。
重力防壁。
衝突。
宇宙が揺れた。
黒いエネルギーと青い重力がぶつかり合う。
圧倒的な力。
NOVAが押し戻される。
ソラが歯を食いしばる。
「くっ……!」
機体が震える。
警報が鳴り響く。
《機体損傷》
《重力炉過負荷》
管制室が叫ぶ。
「NOVAが持たない!!」
だがそのとき。
赤い光が横から走った。
GF-03 VEGA。
レイの声。
「一人で抱えるな。」
VEGAがエネルギーブレードを展開。
黒いエネルギーを切り裂く。
続いて。
巨大な盾が展開する。
GF-04 ALTAIR。
「防御補助!」
さらに。
遠方から巨大砲撃。
GF-02 ORION。
「砲撃支援!」
光の柱が敵の攻撃に直撃。
そして。
DENEBの声が響く。
「敵重力制御を妨害!」
重力波が乱れる。
ソラが叫ぶ。
「今だ!」
NOVAが全出力。
青い光が爆発する。
重力波を押し返す。
黒いエネルギーが崩壊する。
爆発。
巨大な衝撃が宇宙に広がった。
司令室で歓声が上がる。
「防御成功!」
「都市は無事!」
だが。
戦場の奥で。
コロッサス級がゆっくりと動いた。
その巨大な目のような構造が赤く光る。
レイが呟く。
「……本体が動く。」
全長十キロの怪物。
それがゆっくりと前進する。
ソラが苦笑する。
「これ……」
「私たちで倒すの?」
レイが静かに答える。
「そうだ。」
宇宙の闇の中。
巨大な敵が迫る。
そして――
GF部隊 vs コロッサス級
本当の戦いが始まる。




