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トップを越えろ!2  作者: たむ


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第67話「GF-Ω INFINITY」

白銀の巨神が、銀河中心に立った。


GF-Ω INFINITY。


全高十二キロ。

その巨体は、ロボットというより一つの天体だった。


胸部には、青く燃える創生炉。

背には、恒星の冠のような重力環。

両腕には、空間を掴むための巨大な制御翼。


ミナトが震える声で言う。


「起動確認……」


「GF-Ω INFINITY、稼働。」


ソラはINFINITYの中心にいた。


コクピットではない。


そこは、宇宙の始まりに似た空間だった。


無数の光が生まれ、消え、また生まれる。


レイの声が届く。


「ソラ、聞こえるか。」


ソラは目を開く。


「聞こえる。」


「すごいね、これ。」


「NOVAともCOSMOSとも違う。」


INFINITYは動くたび、周囲の空間を変えた。


崩壊しかけた銀河中心が、わずかに安定する。


ブラックホール群が押し戻される。


消えかけた星々の記録が、青い光で縫い止められる。


VOID ARCHITECTが反応する。


巨大な黒い構造体が、INFINITYへ向く。


《危険因子確認》


《宇宙創生権限、検出》


ソラは笑った。


「やっと警戒してくれた?」


INFINITYが拳を握る。


その拳の中に、小さな星雲が生まれる。


ミナトが叫ぶ。


「ソラ、出力は抑えろ!」


「一撃で銀河中心が吹き飛ぶ!」


ソラは頷く。


「分かってる。」


「壊すんじゃない。」


INFINITYが前へ出る。


重力環が回転する。


銀河中心の崩壊波を受け止め、反転させる。


VOID ARCHITECTの侵食が押し返される。


レイが呟く。


「これがΩ……」


ソラは静かに言う。


「ううん。」


「まだ本当の力じゃない。」


INFINITYの胸部創生炉が、深く脈動する。


その奥には、宇宙を始める火がある。


使えば勝てるかもしれない。


だが、使い方を誤ればすべてが終わる。


VOID ARCHITECTが黒い槍を放つ。


終焉情報を圧縮した攻撃。


触れたものを「終わった存在」として確定させる槍。


INFINITYは避けない。


白銀の手で、それを掴んだ。


黒い槍が砕ける。


砕けた終焉情報が、青い光に変わって散る。


ソラは言った。


「終わりも、材料にできる。」


VOID ARCHITECTの構造が揺らぐ。


初めて、明確な後退。


司令官の声が響く。


「INFINITY、効果あり。」


「全軍、支援を継続せよ。」


残存艦隊が再び光を灯す。


壊れたGFたちも、最後の出力を送る。


人類は敗北した。


だが敗北の先で、まだ戦っていた。


ソラは前を見た。


「ここからだよ。」


「トップを越えるのは。」


GF-Ω INFINITYが、創造主へ向かって歩き出す。


一歩ごとに、銀河が震える。


一歩ごとに、未来が書き換わる。


そして人類は初めて、終わりそのものを押し返した。

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