表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
トップを越えろ!2  作者: たむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/60

第46話「銀河戦争開始」

銀河が、戦場になった。


比喩ではない。


星系と星系の間。

恒星の軌道。

銀河腕の端から中心まで。


そのすべてが、VOID ARCHITECTの侵入によって歪み始めていた。


銀河外縁。


人類艦隊、全戦力集結。


戦艦三万二千隻。

補給艦八千隻。

無人砲台衛星、数百万基。

そして中央に立つ巨神――


GF-Σ COSMOS。


司令官の声が全艦隊へ響く。


「これは防衛戦ではない。」


「人類存続戦である。」


「各艦、持てるすべてを撃て。」


「銀河を、奴に渡すな。」


次の瞬間。


宇宙が光で埋まった。


艦隊砲撃。

重力砲。

恒星粒子砲。

無数のミサイル。


人類が築き上げたすべての火力が、VOID ARCHITECTへ向けて放たれる。


だが。


黒い巨大構造体は、揺るがない。


砲撃は届く前に意味を失う。


弾道が消え、光が曲がり、爆発という結果そのものが無効化される。


DENEBが叫ぶ。


「攻撃結果が消されています!」


「命中しても、“命中しなかったこと”にされてる!」


ソラはCOSMOSの中心で歯を食いしばる。


「じゃあ、結果じゃなくて過程を刻む!」


COSMOSが腕を広げる。


青い重力波が艦隊全体を包む。


攻撃の記録を固定する。


撃ったこと。

届いたこと。

抗ったこと。


砲撃の一部が、黒い構造体へ届く。


VOID ARCHITECTの表面に、初めて小さな亀裂が走る。


レイが言う。


「効いている。」


ソラは笑う。


「なら、もっと!」


だがVOID ARCHITECTが動いた。


銀河外縁の星々が、一斉に暗くなる。


恒星のエネルギーが吸い取られていく。


観測官が絶叫する。


「外縁恒星群、光度低下!」


「敵が恒星を吸収しています!」


黒い波が広がる。


触れた戦艦が、砕けるのではなく消える。


乗員の記録ごと。


存在しなかったように。


司令室が沈黙する。


それでも艦隊は退かなかった。


一隻が消えても、次の一隻が前へ出る。


消されても、撃つ。


消える前に、抗う。


ソラはそれを見て、声を震わせた。


「みんな……」


レイが静かに言う。


「見ていろ。」


「これが人類だ。」


COSMOSが前へ出る。


巨大な重力翼が開く。


ソラはVOID ARCHITECTを睨む。


「宇宙を管理するって言うなら。」


「ちゃんと見ろ。」


「これが、予定外の力だ!」


COSMOSの拳が、銀河外縁の空間を叩く。


重力が爆発する。


衝撃は宇宙の内側だけでなく、外側へ届いた。


VOID ARCHITECTの輪郭が大きく揺らぐ。


その瞬間。


敵の内部から、無数の影が放出される。


上位ヴォイド群。


リヴァイアサンを超える巨大個体。


それらが艦隊へ殺到する。


司令官が叫ぶ。


「全軍、近接防衛戦!」


「GF部隊、前へ!」


COSMOSが突撃する。


その背後に、人類艦隊が続く。


銀河の端で、光と闇が衝突する。


この戦いは、勝利のためだけではない。


存在するための戦い。


消されないための戦い。


ソラは操縦桿を握った。


「NOVA。」


「まだ足りない。」


青い核が応える。


遠く、銀河中心が揺れた。


VOID ARCHITECTの本体は、まだ一部しか現れていない。


それでも銀河は悲鳴を上げている。


ソラは前を見る。


「始まったね。」


レイが答える。


「ああ。」


「銀河戦争だ。」


人類はついに、宇宙の設計者へ砲火を向けた。


そして銀河は、崩壊への秒読みを始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ