第12話「ベヒモス級」
警報が、基地全体に響き渡っていた。
《緊急警報》
《超巨大ヴォイドスウォーム接近》
軌道都市ユグドラシルの外宙域。巨大スクリーンには、ゆっくりと近づいてくる影が映っていた。
それは――
惑星の欠片のような怪物。
直径三十キロ。
コロッサス級を遥かに超える質量。
観測AIが報告する。
《クラス判定:ベヒモス級》
司令室が静まり返る。
一人の将校が呟いた。
「……こんなサイズ、記録にない。」
司令官が低く言う。
「これが……」
「ヴォイドスウォームの上位個体か。」
その頃。
格納庫では出撃準備が進んでいた。
巨大なハッチの前に、五機のグラビティフレームが並ぶ。
GF-01 NOVA
GF-02 ORION
GF-03 VEGA
GF-04 ALTAIR
GF-05 DENEB
整備班が最後の確認を行う。
ミナトがソラに声をかける。
「NOVA、完全修復した。」
「でも無茶はするなよ。」
ソラは笑った。
「無茶しないと勝てない敵ばっかりだよ?」
ミナトは苦笑する。
「確かに。」
そのとき。
司令官の声が格納庫に響いた。
「GF部隊、聞け。」
全員が通信を受信する。
「敵はベヒモス級。」
「通常兵器では破壊不可能。」
少し間が空く。
「だが、止めなければ――」
スクリーンに都市の映像。
人口三百万。
「ユグドラシルが消える。」
ソラが静かに言う。
「分かりました。」
レイも短く答える。
「了解。」
巨大ハッチが開く。
宇宙の闇が広がる。
司令官が命令する。
「GF部隊。」
「出撃。」
次の瞬間。
五機の巨人が宇宙へ飛び出した。
重力加速。
星の光が流れる。
数分後。
彼らの前に現れたのは――
ベヒモス級。
それはもう、生物には見えなかった。
巨大な黒い球体。
表面には無数の構造物が蠢き、赤い光が脈動している。
ソラが呟く。
「……でかすぎない?」
レイが答える。
「小惑星クラスだ。」
DENEBが言う。
「敵重力反応……すごい。」
ORIONのパイロットが低く言う。
「砲撃では足りない。」
その瞬間。
ベヒモス級が動いた。
表面が開く。
そこから、無数のヴォイドドローンが出現する。
数百。
いや――
数千。
DENEBが叫ぶ。
「敵群れ展開!」
宇宙が黒い影で埋まる。
ソラが操縦桿を握る。
「よし。」
NOVAの重力炉が唸る。
青い光が広がる。
「まずは――」
笑った。
「掃除からだね。」
NOVAが加速する。
重力を蹴る。
敵の群れへ突入。
その瞬間。
ベヒモス級の中心が赤く光った。
DENEBが悲鳴を上げる。
「待って!!」
「巨大エネルギー反応!!」
ソラが振り向く。
巨大な重力場が形成されていた。
レイが言う。
「まずい……」
次の瞬間。
ベヒモス級が攻撃を放つ。
それは――
惑星を砕くレベルの一撃だった。
宇宙戦争は
さらに激しくなる。




