第10話「NOVA Burst」
宇宙が青く輝いていた。
GF-01 NOVA。
その機体は今、これまでとはまったく違う姿になっていた。
全身の装甲の隙間から、青白い光が噴き出している。背部の重力フィンは完全展開し、まるで光の翼のように広がっていた。
管制室が騒然となる。
「NOVAの出力が急上昇!」
「重力炉……通常の五倍!」
司令官が低く呟く。
「これが……」
「バーストモードか。」
その頃、コクピット。
ソラの視界には、宇宙の流れがはっきりと見えていた。
恒星の引力。
惑星の軌道。
空間の歪み。
すべてが、線のように見える。
ソラは小さく笑った。
「すごい……。」
「宇宙が全部分かる。」
NOVAが動く。
重力を踏み込む。
次の瞬間――
機体が消えたように見えた。
レイが驚く。
「……速い!」
NOVAが一瞬でコロッサス級の目前に現れる。
巨大な重力壁。
だがソラは迷わない。
「ここ!」
拳に重力を集中。
青い光が圧縮される。
「NOVA――」
拳を突き出す。
「バースト!!」
衝撃。
宇宙が歪む。
重力壁が砕ける。
コロッサス級の装甲が裂ける。
管制室が叫ぶ。
「重力障壁突破!!」
レイが言う。
「コアが露出した!」
赤い光。
敵の制御核。
ソラが叫ぶ。
「レイ!」
「今だよ!」
VEGAが加速する。
赤い閃光。
レイが低く言う。
「了解。」
VEGAのエネルギーブレードが展開する。
超高速突撃。
コアへ直撃。
貫通。
一瞬の沈黙。
そして――
巨大な爆発。
コロッサス級の体が崩壊する。
黒い巨体が次々と砕けていく。
宇宙に光が広がる。
戦場が静まり返る。
オペレーターが呟く。
「……コロッサス級。」
「撃破。」
司令艦アルゴスの艦橋。
誰もが信じられない顔をしていた。
司令官が静かに言う。
「候補生一人と……」
「GF部隊で。」
「コロッサス級を倒したのか……。」
その頃。
宇宙空間で。
NOVAがゆっくりと浮かんでいた。
バーストモードの光が消えていく。
ソラが椅子にもたれた。
「ふぅ……」
「疲れた……」
レイの通信が入る。
「無茶をする。」
ソラは笑った。
「でも勝ったじゃん?」
レイは少しだけ沈黙してから言った。
「……ああ。」
だが。
そのとき。
DENEBの声が震える。
「待って……」
「これ……」
レーダー画面に、新しい反応が映る。
宇宙の彼方。
巨大な重力異常。
司令室が凍りつく。
観測AIが報告する。
《超巨大反応検出》
《サイズ推定》
《……不明》
オペレーターが呟く。
「コロッサス級より……」
「大きい。」
ソラがモニターを見つめる。
「……まだいるの?」
レイが低く言う。
「いや。」
「これは――」
宇宙の奥で。
空間そのものがゆっくり裂けていく。
そこから現れた影は。
まるで――
小さな惑星。
ヴォイドスウォームの
真の戦力が
動き始めていた。




