飛脚の余白
最新エピソード掲載日:2026/10/22
白紙の履歴書。18歳。自分には、書くべき「中身」なんて何もなかった――。
自分の価値を見出せず、夜の山へ逃げ出した浅葱薊(あさぎ あざみ)は、気づけば見知らぬ過去の時代へとタイムスリップしてしまう。
特別な才能など何一つない。泥だらけの街道で行き倒れた彼を拾ったのは、権力者たちの手紙を運ぶ老いた御用飛脚・勘兵衛だった。
本職は泥臭い配達員。しかし老人は、静かに「文学」を嗜んでいた。
差し出された一杯の温かいよもぎ粥と、老人がさらりと詠んだたった十七文字の俳句。
そして、真っ白な紙の空間を指して老人は語る。
「書かれざる沈黙にこそ、その人の張り裂けそうな本音が眠っておる。大切なのは、余白を生み、余白を読むことさ」
令和の世では、誰にも届かなかったおれの言葉。
才能を持たない青年と、老飛脚が紡ぐ、静かで泥臭い「言葉」の旅が始まる。
自分の価値を見出せず、夜の山へ逃げ出した浅葱薊(あさぎ あざみ)は、気づけば見知らぬ過去の時代へとタイムスリップしてしまう。
特別な才能など何一つない。泥だらけの街道で行き倒れた彼を拾ったのは、権力者たちの手紙を運ぶ老いた御用飛脚・勘兵衛だった。
本職は泥臭い配達員。しかし老人は、静かに「文学」を嗜んでいた。
差し出された一杯の温かいよもぎ粥と、老人がさらりと詠んだたった十七文字の俳句。
そして、真っ白な紙の空間を指して老人は語る。
「書かれざる沈黙にこそ、その人の張り裂けそうな本音が眠っておる。大切なのは、余白を生み、余白を読むことさ」
令和の世では、誰にも届かなかったおれの言葉。
才能を持たない青年と、老飛脚が紡ぐ、静かで泥臭い「言葉」の旅が始まる。