8月17日の鬼 〜あだやおろそか〜
「8月17日の朝、子供は外に出て遊んではいけない」
長谷部涼太は幼い日、京都に住む祖父の才次郎からそんな話を聞かされたことがある。
夜空に赤々と「大」の字が灯される「五山の送り火」当日のことだった。
17日の朝に外で遊んではいけない理由。
それは、恐ろしい姿をした鬼が出るからだ。
才次郎は終戦直後の昭和20年8月17日に血に濡れた鬼を目撃したという……。
その話を聞かされた10年後、涼太は大学進学のために京都に住むことになる。
才次郎はすでに故人となっていたが、涼太は祖父の目撃した鬼の正体を突き止めることを決意する。
協力者は、幼馴染の琴美と大学の同級生である香奈子、そしてフリーライターの砂川。
やがて涼太たちの前に、田中と名乗る男が現れる。
砂川の知人である田中は、鬼の正体の見当がついているようだった。
彼は涼太に「鬼の正体に辿りつくには、五山の送り火の歴史を調べる必要がある」と告げて姿を消す。
涼太たちが調べていくなかで、かつて一度だけ五山の送り火がおこなわれなかった年のあったことが分かる。
それは昭和20年のことだった。
五山の送り火とは、祖先の霊をあの世に送り返す行事。
それがおこなわれなかったため、霊が迷い出てきたのだろうか?
そしてそれを子供のときの才次郎が目撃した……?
その後、鬼を目撃したのは才次郎だけではなかったことが判明する。
だが、そのもう一人の目撃者は涼太たちと会う前に殺されてしまうことに……。
調査が行き詰まった涼太たちの前に、再び田中が現れる。
そしてすべての謎が彼によって解き明かされていく。
果たして「8月17日の鬼」の正体は……?
長谷部涼太は幼い日、京都に住む祖父の才次郎からそんな話を聞かされたことがある。
夜空に赤々と「大」の字が灯される「五山の送り火」当日のことだった。
17日の朝に外で遊んではいけない理由。
それは、恐ろしい姿をした鬼が出るからだ。
才次郎は終戦直後の昭和20年8月17日に血に濡れた鬼を目撃したという……。
その話を聞かされた10年後、涼太は大学進学のために京都に住むことになる。
才次郎はすでに故人となっていたが、涼太は祖父の目撃した鬼の正体を突き止めることを決意する。
協力者は、幼馴染の琴美と大学の同級生である香奈子、そしてフリーライターの砂川。
やがて涼太たちの前に、田中と名乗る男が現れる。
砂川の知人である田中は、鬼の正体の見当がついているようだった。
彼は涼太に「鬼の正体に辿りつくには、五山の送り火の歴史を調べる必要がある」と告げて姿を消す。
涼太たちが調べていくなかで、かつて一度だけ五山の送り火がおこなわれなかった年のあったことが分かる。
それは昭和20年のことだった。
五山の送り火とは、祖先の霊をあの世に送り返す行事。
それがおこなわれなかったため、霊が迷い出てきたのだろうか?
そしてそれを子供のときの才次郎が目撃した……?
その後、鬼を目撃したのは才次郎だけではなかったことが判明する。
だが、そのもう一人の目撃者は涼太たちと会う前に殺されてしまうことに……。
調査が行き詰まった涼太たちの前に、再び田中が現れる。
そしてすべての謎が彼によって解き明かされていく。
果たして「8月17日の鬼」の正体は……?
1.あだおろそかに、鬼を語ることなかれ
2019/08/17 05:00
2.キミ、若いのにそんな古い曲を聴くんだ
2019/08/18 05:00
3.これから京都に住むんです
2019/08/19 05:00
4.夜空にあかあかと冴えるその光景は幻想的だ
2019/08/20 05:00
5.明日は寝坊せないかん日やから
2019/08/21 05:00
6.目の前にそびえたつ五重塔が一瞬、歪んで見えた
2019/08/22 05:00
7.あのう。鬼に興味があるんですか?
2019/08/23 05:00
8.酒呑童子は新潟出身なんですよ
2019/08/24 05:00
9.彼の身の上に、予想もしないことが起きたのだった
2019/08/25 05:00
10.そう、イケメンではなくなったのだ
2019/08/26 05:00
11.羅生門はむかしから、鬼が棲みついた場所として知られています
2019/08/27 05:00
12.一人の老婆が女の死体から何かを盗み出している
2019/08/28 05:00
13.だが、それも翌日になると忘れてしまっているのだった
2019/08/29 05:00
14.これはいける。やはり盲点をついた企画だったんだ
2019/08/30 05:00
15.東寺ゆかりのお坊さん。えーと、それは空海ですよね?
2019/08/31 05:00
16.まあ、平安時代の鬼がいまに生きているはずもないけどさ
2019/09/01 05:00
17.その当時、鬼と呼ばれていた人たちがいたんだよ
2019/09/02 05:00
18.これらの出来事はいずれも東京で起こったことだ
2019/09/03 05:00
19.京都♡ワクドキ♡鬼めぐりツアー(^∇^)
2019/09/04 05:00
20.長い髪をポニーテールにし、水色のエプロンをしている
2019/09/05 05:00
21.それはいけません。せっかくの機会を失います
2019/09/06 05:00
22.古本屋さんを見つけると素通りできないタイプなんです
2019/09/07 05:00
23.茨木童子を従えていたのは、酒呑童子ですね
2019/09/08 05:00
24.当時、日本人はある人たちのことを鬼と呼んでいた
2019/09/09 05:00
25.私の正体を見破れないわけがないでしょう
2019/09/10 05:00
26.出版社なら講談社か小学館、あるいは光文社か集英社
2019/09/11 05:00
27.その時代の子どもたちは極端に情報が少なかった
2019/09/12 05:00
28.まさに一瞬で細川の推理は崩壊したのだった
2019/09/13 05:00
29.観光客でもないし地元客でもない。また、熱心な古本ファンでも
2019/09/14 05:00
30.どうやら、次の動きを読まれていたようですね
2019/09/15 05:00
31.送り火に関する公式記録は残されていない
2019/09/16 05:00
32.源氏物語、古今和歌集、土佐日記、徒然草、方丈記、平家物語
2019/09/17 05:00
33.不自然なことが不自然でなくなるためには?
2019/09/18 05:00
34.関西でしか通用せんネタやね
2019/09/19 05:00
35.しかしそうした確固たる良心も持ち合わせているのです
2019/09/20 05:00
36.アメリカは京都を守ることができた
2019/09/21 05:00
37.八月十七日の夜の事なれば、月は極めて明し
2019/09/22 05:00
38.「鬼にやられたんや」
2019/09/23 05:00
39.もしかすると鬼たちの仕業だったのではないだろうか?
2019/09/24 05:00
40.その今昔物語の鬼と爺ちゃんが見た鬼は関係ないぞ
2019/09/25 05:00
41.爺ちゃんの他にも、鬼を見た人がいるってことや
2019/09/26 05:00
42.つまりウィンウィンの関係ですね
2019/09/27 05:00
43.合コンというものはなかなか退屈なものだ
2019/09/28 05:00
44.ノウマクサンマンダバザラダンカン
2019/09/29 05:00
45.物理学と仏教は兄弟みたいなものだという話でね
2019/09/30 05:00
46.素粒子が崩壊すると、ガス弾が発射されて猫は死ぬ
2019/10/01 05:00
47.ゆうべ、うちのマンション、不審者が現れたんですよ
2019/10/02 05:00
48.つまり、大文字は昭和20年に限って沈黙していたことになる
2019/10/03 05:00
49.昭和20年だけ送り火が行なわれていないそうなんです
2019/10/04 05:00
50.爺ちゃん、もっと凄い体験をしていた
2019/10/05 05:00
51.私もずっとあの鬼のことは気にかかっててねぇ
2019/10/06 05:00
52.家族をすべて失った子どもがどんな気持ちで
2019/10/07 05:00
53.人の首? え、羅生門?
2019/10/08 05:00
54.いったいその紙には何が書かれていたのだろう?
2019/10/09 05:00
55.ダイイングメッセージというのはあり得ませんしね
2019/10/10 05:00
56.まるで横溝正史の世界じゃないですか
2019/10/11 05:00
57.実は探偵をしています
2019/10/12 05:00
58.お客さんがいないけど、不思議と続いている店
2019/10/13 05:00
59.芸妓さんたちがいて、お酒を飲む歓楽街のことです
2019/10/14 05:00
60.学童疎開と建物疎開はどちらが先だったんでしょう?
2019/10/15 05:00
61.北区界隈にどんな鬼の伝説があるかを調べてみました
2019/10/16 05:00
62.私、この近くで謎の物体を見つけたんです
2019/10/17 05:00
63.そんなに急がなくても嶋原は逃げませんよ
2019/10/18 05:00
64.あえて言えば、報道の自由が殺害者ということになるだろう
2019/10/19 05:00
65.いまも鬼が跳梁跋扈する異界都市
2019/10/20 05:00
66.鬼のことを追いかけるのは、もうやめる
2019/10/21 05:00
67.命あっての特ダネとも言いますから
2019/10/22 05:00
68.店内にケイト・リットルの静かな歌声が流れる
2019/10/23 05:00
69.撤回。鬼、追い込んでやる
2019/10/24 05:00
70.わしと話すときは冷笑を浮かべるな
2019/10/25 05:00
71.嶋原は国から許可を受けた日本で最初の花街でな
2019/10/26 05:00
72.これまでその目の優しさを忘れたことがない
2019/10/27 05:00
73.嗚呼。魔界都市、京都
2019/10/28 05:00
74.その先に鬼がいる
2019/10/29 05:00
75.長谷部涼太さんでしょうか? ワタクシは田中と申します
2019/10/30 05:00
76.高校時代の黒歴史を暴かれたような濁った顔つきになる
2019/10/31 05:00
77.世界はあらゆる可能性を含んでいます
2019/11/01 05:00
(改)
78.君には会いたくなかった
2019/11/02 05:00
79.社会に出て何年になる? 人の話の腰を折るもんじゃない
2019/11/03 05:00
80.選びとらなかった世界?
2019/11/04 05:00
81.経営者は即戦力を求めているからな
2019/11/05 05:00
82.京都は、原爆を落とすには理想的な街だったのです
2019/11/06 00:00
83.いずれにおいても、そこには「分岐点」があった
2019/11/07 05:00
84.いずれ真相に辿りつくであろう脅威です
2019/11/08 05:00
85.お待ちしていますよ、頼光さん
2019/11/09 05:00
86.琴美さんを生き埋めにするということですか?
2019/11/10 05:00
87.あなたのペースで構いません
2019/11/11 05:00
88.京都も新潟もアメリカ軍にとっては同じ攻撃対象でした
2019/11/12 05:00
89.可能性の数だけ、世界は枝分かれしていきます
2019/11/13 05:00
90.殺戮を目的とした太陽が、そこに現れたのです
2019/11/14 05:00
91.その日が8月17日だということも
2019/11/15 05:00
92.そして次の一歩を踏み出した
2019/11/16 05:00