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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

帝国が勝つほど死者の軍勢が完成するので、亡国の墓守王女は英雄たちの敗北を記録し続けます

作者:平八
最新エピソード掲載日:2026/08/16
周辺諸国を侵略し続ける大帝国。

小国は次々に支配され、滅ぼされ、地図から消えていった。
亡国の将軍、英雄、軍師、魔導士たちはレジスタンスとして抵抗を続けたが、帝国の圧倒的な物量と軍勢の前に、ひとり、またひとりと命を落としていく。

そして最後の英雄も、帝都の広場で公開処刑された。

「帝国よ、貴様らが埋めたものを返してもらう」

その遺言を聞いていたのは、帝国管理墓地で働くひとりの墓守。
彼女の名はセレナ・エルディア。
滅ぼされた魔法国家の最後の王女だった。

魔力は少なく、戦場では役に立たない。
だが彼女には、死者と交わした誓約を記録し、名と骨と遺品を導線として死者を呼び戻す禁忌の術があった。

帝国は勝利した。
英雄たちを殺し、死体を焼き、名を番号に変えた。

だが、帝国が勝つほど死者は増える。
死者が増えるほど、誓約は満ちる。
そして、帝国が完璧に守り続けた墓地規格そのものが、死者たちを帰す巨大な禁呪陣となっていく。

「これは敗北の記録ではありません。清算の手記です」

亡国の墓守王女は、死者の名を書き続ける。
帝国への清算が始まる、その日まで。
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