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運命の人を紹介してください

作者:亀心
最新エピソード掲載日:2026/10/17
「運命の人を紹介してください」
「……はあ」

先生は、そう言った。

「紹介、ですか」
「はい」
「……占いではなく?」
「できれば紹介までお願いしたいです」
「うちは、そういうサービスはしていないんですが」
「ですよねえ」

失恋して二週間。

もう恋愛なんてこりごりだと思ったはずなのに、気づけば私は、よく当たると評判の占い師を訪ねていた。

目の前にいるのは、物静かで、どこかつかみどころのない男の人。
未来が見えることもあるらしい。

それから私は、何かあるたびに先生のところへ通うようになった。
新しい出会いのこと。
好きになった人のこと。
うまくいかなかった恋愛のこと。

「先生は、自分の未来も見えるんですか?」
「自分のことは、あまり得意ではないですね」
「……不便ですね」
「そうですね」
「じゃあ、先生も恋愛で失敗するんですか?」
「……どうでしょうね」
「そこは占わないんですか?」
「ご相談は以上でよろしいですか?」
「逃げた」

恋愛相談をしに来たはずなのに、いつの間にか先生と話すこと自体が楽しみになっていた。

これは、運命の人を探して占いに通い始めた私と、少し変わった占い師の先生のお話。
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