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証。  作者: 成瀬摘希
第四章:出かけよう
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秘密

気づいてたはずだったよ


「はあ〜買ったー!!」


「本当…。たくさん…」


ホテルの部屋に戻り、少し慣れない道を歩いたせいか綴灯はそのままベッドにダイブした。


「ほら、普段だったらなかなか来ないところじゃん?はなだってお土産楽しみにしてるーって言ってたし。」


そう言いながら綴灯はベッドの上に座る。


そして、お土産の袋の中身を漁り出す。


蓮音はこの状態だったら当分このままだなと思い、自分の買い物を鞄の隣に置き、着替えとバスタオルを持った。


「じゃあ、先、お風呂もらってもいいか?」


「ああ、いいよ。ゆっくりしておいで!」


そして、蓮音は部屋の浴室に入っていった。


綴灯はさっきの続きでお土産を一つずつ出していった。


並べられたお菓子のお土産たちを見て、綴灯はニヤけが止まらなかった。


「このクッキー缶は母さんで、せんべいの詰め合わせはおばあちゃんに!!」


綴灯は一つずつ確認をして、袋にまとめていく。


「このフィナンシェははなに。オレも気になっているから、一つ貰おうかな…なんて。」


そう言って楽しそうに笑った。


そして、もう一つ大きめの箱を取り出した。


「これは、オレ用!!マカロン大量セット!!…でも、さすがに、1人では無理だから帰ったら、凪とか穂乃里とかにお裾分けしようかな?あ、風間も喜ぶかな。」


そう呟き袋にまとめ、お土産の確認は終了だ。


自分のボストンバッグの隣にお土産を置き、次が来てもいいようにとお風呂の準備をする。


バスタオルを持ちバッグの中を漁り、着替えを分かりやすくベッドの上に置こうと思った時…ポッケに入っていたスマホから電話の着信音がした。


「誰だ…あ!はな」


『もしもーし!!お兄ちゃん!元気?』


電話に出たらはなの明るい声が聞こえてくる。


綴灯はなんだか安心してゆっくりとベッドに座った。


「もしもし?元気だよ。めっちゃ楽しいし!!」


綴灯がそう答えると向こうも安心した声で言った。


『良かったよ〜!!お兄ちゃんが楽しければ何より!!ねえ、そっちはどんな感じ?』


「本当にすごいよ!!さっき外食してきたけれど、新鮮でとっても美味しかったしね。周りの景色から違って、たくさん興味も出てくるし、ものすごく綺麗なところだよ。」


『そっか。』


画面越しだけれどはなの安心の表情が見える。


そんな、綴灯も温かい笑顔を作る。


そして、思い出したかのように、綴灯ははなが楽しみにしているお土産のことを言った。


「そういや、お土産買ったよ!!お菓子ね。」


『わあああ!!ありがとう、お兄ちゃん!!楽しみだよ〜』


そんなはなの返事に綴灯はクスッと笑う。


今度ははなともいろんなところ、行きたいな…


「はな、電話ありがとう。明日の午後にこっち出る予定だから。」


『りょうかーい!!お兄ちゃん、楽しんできてね!!おやすみなさーい!!』


「うん。おやすみ!電話、切るね。」


耳からスマホを離し電話を切る。


これは帰ってから、はなに喜んでもらえそうだ。


笑いが溢れ、ベッドに転がり足をパタパタさせる。


そして、しばらくすると浴室から蓮音が出てきた。


いつの間に約30分経っていたのだ。


「綴灯、お風呂空いたぞ。」


髪の毛をタオルで拭きながら蓮音が出てくる。


「はーい」


そのまま行けるようにベッドの上に準備してあった荷物を持ち、入れ替わるかのように綴灯は浴室に入った。


⬜︎


 「…あ…」


─バスタオルを忘れるという失態に気づいたのはもう上がろうと思った時だった。


普通にやらかしてしまった…とそう思った。


あんだけ準備していたのはなんだったんだと思い、肩まで湯船に浸かり大きな声で蓮音を呼んだ。


「ん?どうしたー?綴灯?」


お風呂のドア越しに蓮音が聞きに来てくれる。


綴灯はそのままの体勢で蓮音にお願いした。


「ごめん、蓮音。バスタオルを持ってくるの忘れちゃったみたい…。持ってきてくれる?」


「了解。」


嫌そうな雰囲気もなく軽く受け入れてくれ、取りに行く足音がすぐ聞こえた。


本当にありがたい。


ここから、蓮音からバスタオルを受け取って、出たら改めてお礼を言わないと…。


綴灯は湯船に口まで潜りぶくぶくと泡を作った。


⬜︎


 「えっとー、綴灯、どこに置いた…?」


もともと準備されていたところにはもうなく、蓮音は部屋を見回した。


そして、部屋の端に置いてある綴灯のボストンバッグの上にタオルがかかってあるのを見つける。


「あ、あった…。ここまで準備して、着替えだけ持っていったな」


そんなことを呟きながら、バスタオルを持ち上げる。


その時、蓮音の目には、思わぬものが映ってしまった…。


「…え、は…?」


─明らかに、レディースのかわいらしいスカートの服と長めのウィッグ。


かわいいものが好きなのかな…?


蓮音は薄々気づいてはいた。


スマホのホーム画面だって、鞄の中のかわいいぬいぐるみだって気づいていた。


けれど…初めてこんな現実を見ると急に頭が真っ白になってしまった。


「…っ」


蓮音は少しの間固まってしまった。

最後まで読んでいただきありがとうございます。


こちらESN大賞11応募作品です。


次回更新10月7日水曜日予定

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