↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki
第8章ー裏側の中心へー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

154/160

第8章-154 屋敷の2人

――お嬢様の屋敷/黒い扉――


風呂から上がったサクは、脱衣所で素早く体を拭き2階へ上がった。


扉が並んでいくつかある先に、巨大な白い扉と、黒い扉が2つ並んでいた。


サクは黒い扉をノックした。


「セキ様、サクです。」


「入れ。」


サクは中に入り室内を見渡した。

室内は落ち着いた茶色をベースとした部屋だった。


黒と白がアクセントとして使われている。


革のソファーや、大きなテーブルがあり、ベッドはとても大きく大人3人は寝られそうだった。


ソファーに座っていたセキが話しかけてきた。


「サク、今日は私の部屋にいろ。

また、何か仕掛けられたら面倒だ。」


「承知いたしました。」


サクは深く頭を下げ、セキと反対側のソファーに座った。


「サク、今日はもう疲れただろう。

私の布団を使え。私はソファーで寝る。」


急な申し出にサクは首を横に振った。


「いえ、俺がソファーで眠ります。

セキ様に風邪をひかれては、補佐官として困ります。」


セキは鼻を鳴らした。


「サク、ここは私の部屋だ。命令が聞けないのか?」


「仕事の命令なら従いますが、今は健康面の話ですので。

どうか、暖かい布団をお使いください。」


「まったくお前は……本当に口煩い。

まるでコウのようだ。」


セキは自分の言葉にハッとした顔をした。

だが、すぐに表情を戻した。


「何でもない。忘れろ。」


「かしこまりました。」


しばらく沈黙したあと、セキが口を開いた。


「分かった。

ベッドは私が使う。

だが、お前にも使ってもらう。

広さは問題ない……いいな?」


「一緒……ですか?

しょ……承知しました。」


サクは戸惑いつつ頭を下げた。


セキは立ち上がり、ベランダに出た。


冷たい風が部屋に流れ込んでくる。


「サク、こっちに来い。」


サクがベランダに出ると裏庭が見えた。

中央には光る木が静かに光り、その奥には湿地帯が広がっていた。


サクが目を見開く。


「湿地帯……しかも光る木?

広場と同じ……いや、かなり小さい。

セキ様、これは?」


「お嬢様はこの光る木にエネルギーを流し、広場の光る木に送っている。

エネルギーはそこから世界に渡っている。」


「エネルギー?

草木が枯れないための?」


「そうだ。おかげで全てが生きている。


……地球という世界がある。

エネルギーは、そこから抽出したものだ。


光る石、光る木、光る鳥……光っているものは、その影響が強く出ているせいだ。」


「……なぜ、この話を俺に?

レイ様もご存じなのですか?」


「さあな。

……レイにはまだ教えていない。


そろそろ寝よう。」


ベランダから部屋に戻る。

セキは鍵を閉めると、布団に静かに入った。


サクも布団に入り込み、なるべく端の方に体を寄せた。


「明日は早くにここを出る。しっかり休め。」


「はい。おやすみなさい、セキ様。」


サクは、セキの寝息が聞こえてくると、布団から出てソファーに寝転んだ。


「誰が国のトップと背中合わせで寝られるんだよ。」


サクがソファーで寝ようとした時、そっと扉が開いた。


細い光と共にお嬢様が入ってきた。


サクは薄目を開けて、寝たふりをした。


お嬢様はセキの顔を覗き込んだ。


「やっぱり、相当疲れてたんだね。

疲れてる時は、セキはぐっすりだもん。

……私みたい。」


お嬢様はしばらくセキを見ていたが、やがてゆっくりとセキの布団に潜り込んだ。


しばらくして2人分の寝息が聞こえてきた。


「……まじかよ。」


サクはソファーから起き上がり、そっとベッドを覗いた。


お嬢様はセキに抱きつき、安心したように眠っていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。