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君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki
第8章ー裏側の中心へー

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第8章-151 セキとお嬢様

お嬢様が無言でセキとサクの前に座ると、フィナがお茶をお嬢様の前に置いた。


「フィナ、ありがとう。」


お嬢様はお茶の香りを楽しみながら、お茶を飲んだ。


「リュウ、フィナ。部屋に戻ってて。

今からセキと話すから。」


リュウは不満そうに言った。


「えっ?同席ダメなんですか?

せっかくお嬢と英雄の対談が聞けると……。」


フィナがリュウの服を引っ張った。


「リュウ、早く部屋に戻ろう。」


「分かったって。

あーあ、めっちゃ残念。

まあ、やることもあるし戻っておきますか。」


セキは2人が2階に行くのを確認し、お嬢様に深く頭を下げた。


「お嬢様、お休みのところ失礼いたします。」


「別にいいよ。

むしろ、やっと来たって感じだし。


確かセキが前に私の屋敷に来たのは、レイって人が副官になった時だっけ。


律儀に挨拶にきて驚いたよ。」


「大切なことですので。」


お嬢様はお菓子を一つ摘み上げた。


「でも、笑っちゃった。

レイって女みたいな顔でしょ?


フィナが女性が来たって喜んで、勘違いだったって落ち込んで……。


そういえば、あれ何だったの?

レイがフィナを見て、顔を真っ赤にしてたよね。


しかも『綺麗です』とか、『待ってください』とか引き止めようとしたり……私のフィナに惚れちゃった?」


お嬢様が、パリンとお菓子を食べる。

セキは軽く手を組んだ。


「私はそんな話をしに来たわけではありません。」


「じゃあ、何?新しい副官の紹介?

レイは辞めちゃったとか?


それなら残念。

レイのあの綺麗な顔と、素直さや不安そうな表情……けっこう気に入ってたんだけどな。」


お嬢様は前のめりになり、サクの顔を覗き込んだ。


「へえ、顔はそれなりに整ってるね。

怪我してるのがもったいない。


ふーん……。

よく見ると、知性的で勇気もありそう。


扱いづらくも見えるけど、悪くないんじゃない?」


お嬢様はサクの顔を触ろうと手を伸ばした。


セキはお嬢様が伸ばした手を掴んだ。


「お嬢様、レイは辞めていません。

それに、サクはレイの補佐官です。

今日来たのは、私の部下のことではありません。」


「ふーん。そうなんだ。」


セキがお嬢様から手を離した。


お嬢様は再びお菓子に手を伸ばした。


「じゃあ、何の話をしに来たの?」


「単刀直入に聞きます。

ここ1年の間に、人間や黄色いフクロウを作りましたか?」


「人間とフクロウ?

なんだ、セキも気づいてたんだね。

年老いたから、気づいてないと思ってたよ。」


「やはり、作ったのですか?」


お嬢様は首を横に振った。


「ゼロユイとフクでしょう?私は作ってないよ。」


サクの目が見開く。


「それって……。」


「サク、黙っていろ。」


セキはサクの口を軽く片手で塞いだ。


お嬢様はクスクスと笑う。


「そのままサクに質問させてあげたら良かったのに。いくらでも答えるよ。」


セキは軽くお嬢様を睨んだ。


「部下を守るのも私の役目です。

それに質問をすれば、貴方はサクに無理な要求をするでしょう。」


「へえ。さすが、分かってるね。

じゃあ、そんな優しいセキに免じて教えてあげる。


ゼロユイとフクは、私もセキも知らない世界から来てる。


確か……電子世界って言ってたかな。」


「電子?なんですか、それは?」


「私も知らない。

でも、ゼロユイ本人がそう言ってたよ。」


セキの目が揺れる。

お嬢様は愉快そうにセキを見ながら、自分のカップにお茶のおかわりを注いだ。

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