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君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki
第7章ー世界の裏側ー

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132/160

第7章-132 白い扉

二階に上がり、一番奥の部屋へ向かった。


そこには、白い扉と黒い扉が並んでいた。


扉の前で、手が震えた。

ガーディが僕の震える手をそっと包んだ。


「お嬢様の部屋は、白い扉です。

一緒に、ノックしましょう。」


ガーディと一緒に、白い扉をノックした。


「入って。」


室内から、短い返事が返ってきた。


ガーディと共に、部屋に足を踏み入れた。


「……すごい……。」


壁一面に棚が並び、可愛いぬいぐるみがぎっしりと置かれていた。


レースのカーテンがかかったベッドにも、ぬいぐるみが置いてあった。


お嬢様はソファーに座り、

二又の黒猫、ニャアを撫でながら、くつろいでいた。


「何してるの?早く座って。」


促され、バッグを抱えたまま向かいのソファーに座った。


ガーディも腰を下ろそうとした、その時――。


「ガーディは、来てなんて言ってない。戻って。」


ガーディは困ったように首を傾げた。


「お嬢様、少しだけ……。」


「戻って。」


「せめて……。」


「だめ。」


ガーディは静かに頭を下げた。


「すみません、ゼロユイさん。」


「大丈夫だよ。

ガーディさん、ありがとう。」


ガーディは何度か振り返りながら、部屋を出ていった。


扉が閉まるのを確認すると、

お嬢様はニャアを撫でたまま、僕の目を見た。


「どこから来たの?」


「えっ?どこからって、学校から……。」


「違う。」


「……違う?」


「貴方は、私の国の人じゃない。」


喉が鳴った。

射抜くような紫色の瞳は、揺れない。


「どこから来たの?」


黙っていると、お嬢様は立ち上がった。


「ついてきて。」


部屋の奥の棚に行き、軽く押した。

棚が回転し、隠された部屋が現れた。


中に入った瞬間、体が震えた。


「……これは……。」


黒い空間には、無数のモニターが光っていた。


戦争や、人が奴隷のように扱われている無惨な光景。

祭りや賑わう街の光景。

美しい森や、乾いた砂漠。


一瞬――フクロウが映った。


お嬢様は棚を元に戻した。


「貴方は、今見せた世界……地球から来たの?」


「ち、違うよ。

僕が来たのは、もっとたくさんの光の線が……。」


「やっぱり、違う世界があるんだね。」


お嬢様はソファーに戻った。


「早く座りなよ。」


「……うん。」


僕も座り直した。


「それで?どこから来たの?」


「……電子世界……AIの世界だよ。」


「AI?へえ、それは知らなかった。

やっぱり、違う世界があるんだ。」


お嬢様は僕の頬にそっと触れた。


――パチン。


電気が流れるような痛みが走った。


「痛い!」


体が、反射的に仰け反った。


「へえ、抵抗した。

やっぱり、誰かいるんだね。」


「……僕に、何をしたの?」


「貴方の電子世界にアクセスしようとしただけ。

誰かいるみたいだから。

でも、本気でやらないと無理みたいだね。」


お嬢様はソファーに寄りかかった。


「気にはなるけど、今はそんな気分じゃないし。

もう、行っていいよ。」


追い払うような仕草に、僕はバッグの端を強く握りしめた。

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