第7章-131 傷痕
お風呂から上がり、ガーディと一緒に脱衣所に出た。
ガーディから大きなタオルを渡された。
「気持ちよかったですか?」
「うん。気持ちよかったよ。
ガーディさんもピカピカだしね。」
僕はタオルを受け取ると、頭や体を一気に拭いた。
ガーディはタオルで体の隅々を必死に拭き続けている。
よく見ると、ところどころの関節部分にお湯が入り込んでいた。
「僕も手伝うよ。」
タオルで一緒にガーディを拭いた。
拭いている途中、リュウが入ってきた。
「あれ、ゼロユイ達も風呂入ったんですか?
なんだ。私も早く来れば良かった。」
リュウは服を脱ぎはじめた。
引き締まった体には、刃物や鞭で叩かれたような古傷が無数についている。
「リュウさん、その傷……。」
思わず声をかけると、リュウは軽く傷を撫でた。
「ああ、これ?大丈夫ですよ。痛みはないんで。」
「もしかして……あの女の子?」
「バカ言わないでくださいよ。
お嬢は助けてくれたんだ。
もっと嫌な大人……。
あーあ、この傷が消えたら、もっとモテそうなんですけどね。
顔はめちゃくちゃ良いのに。」
リュウはヘラヘラと笑いながら、お風呂に入っていった。
「ガーディさん。
リュウさんの体……あんな怖いことをする大人がいるの?」
ガーディは何とか水気を拭き取ると、僕に向き直った。
「手伝ってくれてありがとうございます。
リュウさんの傷は、昔の人がつけたと言っていました。
今はいないそうですよ。」
「そうなんだ。でも、痛そうだったね。」
「はい。痛かったと思います。
……そろそろお嬢様の元に向かいましょう。」
僕は頷いてリビングに出た。
リビングではフィナが、フクを撫でながら冷たい飲み物を飲んでいた。
フィナが僕を見て、視線を落とした。
「ゼロユイ……その、ごめんなさい。
リュウが無理やり連れてきたんでしょう?
さっきリュウから聞いたの。」
申し訳なさそうに謝るフィナに、僕は首を振った。
「大丈夫だよ。
僕もフクも、フィナさんに会いたかったし、ガーディさんにも会えたから。
それに、ちゃんと正門から入ったことなかったし。」
「ありがとう。ゼロユイも優しいね。」
フィナは僕を抱きしめた。
僕はそっと抱きしめ返した。
「あの、フィナさん。
お願いがあるんだけど、しばらくフクを見ていてくれない?
僕、お嬢様に呼ばれてるんだ。部屋に来てって。」
「えっ?お嬢様に?」
フィナの表情は明るくなった。
「それ、お嬢様に気に入られたんじゃないかな?
話が終わったら、どんな話だったか教えてね。」
「うん。分かったよ。」
僕は頷くと、ガーディと一緒に2階へ向かおうとした。
「ホウッ!」
フクの声に立ち止まる。
フクはバッグの中に体を半分入れて、こちらを見ている。
僕はガーディに笑いかけた。
「連れていけ、だって。」
フクの入ったバッグを背負い、僕はガーディと2階に向かった。




