第7章-129 お嬢様の許可
ガーディは僕とフクをソファーに座らせ、自身も反対側に座った。
僕はボランティアの帰りにリュウに声をかけられ、学校へ連れて行ったこと。
フクを森で遊ばせようとしたが行けず、リュウに連れてこられた事をガーディに話した。
ガーディは黙って最後まで僕の話を聞いてくれた。
「そうでしたか。
馬から落ちなくて良かったです。
今はゆっくり休んでください。」
ガーディは手を伸ばし僕の頭を優しくなでた。
その手に安心感を覚える。
フクは撫でられている僕を、羨ましそうに見ている。
「そういえば、フィナさんはいないの?」
あたりを見渡すと、階段から女の子の声が聞こえてきた。
「フィナはお風呂。」
声の方を見ると、裁判所の近くで会った、紫色の瞳の女の子がいた。
思わず身震いした。
ガーディがスッと立ち上がる。
「お嬢様、こちらはゼロユイさんで……。」
「知ってる。」
「リュウさんが先ほど連れてきて……。」
「知ってる。」
「こちらの黄色い鳥は、フクさんで……。」
「フクロウでしょ?」
「……フクロウのフクさんです。
私が名前を考えました。」
「安直な名前だね。」
「そ、そうでしょうか……。」
2人のやり取りに思わず唖然とした。
会話が進んでいるのに、止まっているようだった。
「ガーディ、ゼロユイ達は何しに来たの?」
「フクさんを遊ばせる場所を探しに来たそうです。」
「ふーん……そう。」
お嬢様はフクの隣に座り、フクの顔を両手で掴んだ。
フクは目を丸くした。
「ホウ!?」
お嬢様は飄々としている。
「うん、悪くないね。
けっこう可愛い顔してる。
物を壊さなければ自由に遊んでいいよ。」
お嬢様は手を離した。
フクはお嬢様の手が離れると、ガーディの肩に高速で移動した。
「さて、こっちのゼロユイは……。」
お嬢様はすかさず、今度は僕の顔を両手で掴み、目を覗き込んできた。
「へえ……やっぱり違うね。面白い。
君も自由に遊んでいいよ。
キッチンも、空いてる部屋も好きに使って。
あとで私の部屋に来るように。
お風呂に入ってから来てね。」
お嬢様はそれだけ言うと、二階に戻っていった。
いなくなった瞬間、ジワリと汗が吹き出した。
「ピィッ」
フクがガーディの肩から、僕の膝の上に戻ってきた。
「ゼロユイさん、大丈夫ですか?
体が震えています。」
ガーディは僕の頭を優しく撫でた。




