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君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki
第7章ー世界の裏側ー

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125/160

第7章-125 半分の契約

僕はフクに留守番をしてもらい、町医者のボランティアに来ていた。


「ゼロユイ、おはよう。

今日から正式に来てくれるんだってね。


君がいると助かるし、若い子がいると、病院が明るくなるよ。

本当にありがとう。」


僕は少し照れながら、医者の話を聞いた。


「それにしても、コウ医師からのお誘いも受けたんだって?

普通ならあそこ1本になりそうだが……何か決め手があったのかい?」


「コウさんの病院はたくさん学べそうだけど、僕は患者さんと距離が近い、この病院も好きなんだ。」


「そうか。それは嬉しいよ。

君のような優しさと勤勉さがあれば、きっと良い医者になれる。


さあ、今日の最初のお願いだ。

受付の書類を取ってきてほしい。頼んだよ。」


「うん!」


僕は真っ直ぐに受付に向かった。



ーその頃、コウの病院ー


コウはセキを病室のソファーに座らせ、頭の包帯を外した。


「おめでとうございます。完治しましたね。」


「やっとか。これで通院ともおさらばだ。」


セキは開放感からか、大きく息を吐いた。


「そういえば、ガイはどうした?姿が見えない。」


「今はリハビリ中です。

かなり頑張ってくれています。」


「そうか。ガイの腕の調子はどうだ?」


真剣な顔をするセキに、コウは穏やかな顔で答えた。


「日常生活は問題ありませんが、現場に戻るのは厳しそうです。

いっそ指揮を出すだけの役職を作ったらいかがですか?」


「指揮官か。ガイが指揮だけで我慢できると良いんだがな。」


「フフッ、厳しそうですね。体が先に動く人ですから。」


セキとコウは静かに笑った。

笑ったあと、コウが軽く手を叩いた。


「そういえば、セキさん。聞いてください。

ゼロユイさんが、僕の病院の専属ボランティアになったんです。

半分ですけどね。」


「半分?」


セキが眉を動かした。

コウは口元を緩め、話し始めた。


「ええ、僕の病院と、町医者の2つの専属です。


もちろん、僕の病院で充分な知識は得られますが……。

僕も昔は町医者でしたし、経験する場所は多い方が良いですからね。


ゼロユイさんは本当に良い判断をしてくれました。」


コウの声が徐々に大きくなる。

セキは怪訝な顔をした。


「コウ。どうした?

お前はもっと冷静だと思っていたが。

私を育てていた時もそのような態度だったか?」


「さあ、忘れてしまいました。歳のせいでしょうか。

……ゼロユイさんを逃せば、貴方のような素晴らしい人は育てられない。

そう思っています。」


「育てる意味は……いや、コウがそう思うならば、私はもう止めない。だがーー」


セキはコウに睨みを効かせた。

コウは静かに頷いた。


「分かっています。

何かあれば、すぐ連絡します。

それに、僕は貴方との約束を破った事はないでしょう?」


「ああ、一度もない。」


セキは腕組みをした。


「コウ、馬車を用意してくれ。

そろそろ裁判所に戻る。」


「分かりました。

少し待っていてくださいね。」


コウは病室を出た。

セキは広い病室を静かに見回した。

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