↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki
第7章ー世界の裏側ー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

115/160

第7章-115 ガイと教員

僕は病室の布団の中で目を覚ました。

目の前には、毛布に包まれたフクが眠っている。


手を伸ばすと、フクはぼんやりと目を開けた。


「フク、おはよう。」


フクを撫でると、気持ち良さそうに目を細めた。


軽く嘴を突くと、フクの体は徐々に毛布の中に潜っていき、嘴しか見えなくなった。


フクの寝息が小さく聞こえてくる。


「フクが見えなくなっちゃった。

……そういえばガイさんは何処だろ?」


辺りを見回すと、ガイは床にタオルを敷き、ギプスの腕を背中に回して、片手で腕立てをしていた。


かなり汗をかいている。


「ガ……ガイさん。大丈夫なの?」


僕は思わず声をかけた。

ガイは姿勢を崩さず視線だけを僕に向けた。


「なんだ、やっと起きたのか。」


ガイは立ち上がり、新しいタオルで汗を拭った。


「心配するな。軽い運動だ。」


「か、軽い……かな?」


混乱する僕をよそに、ガイは部屋にあるシャワー室へ向かった。


だが急に立ち止まり僕に振り返った。


「お前さん、いったい何の夢を見てたんだ?」


「え?」


「寝ながら、馬だの、フクロウだの、精神世界だの、地球だのと……。

訳の分からない事を言っていた。」


硬直する僕に、ガイは視線を外した。


「あまりに煩くてな。

まあ、夢なんてそんなものか。」


それだけ言うと、ガイはシャワー室へと入っていった。


その時、ドアがノックされ看護師の声が聞こえてきた。


「ゼロユイさん、いらっしゃいますか?

お客様がいらっしゃいました。」


「僕に……お客様?」


しばらくすると、ガラガラと病室の扉が開かれ、教員が入ってきた。


教員は僕に駆け寄ってきた。


「ゼロユイ、大丈夫かい?

入院したって連絡があって心配してたんだ。」


「先生……。」


僕は教員の服を軽く引っ張った。


「先生ありがとう。僕は大丈夫だよ。」


教員はホッとした顔をした。


「今日は学校は休みなさい。

しっかり治すんだぞ?約束できるかい?」


僕はこくりと頷き、教員と小指を絡めた。


「よし、約束だ。」


お互いに指を軽く振り、そっと放した。


教員は周りを見渡して笑った。


「それにしてもゼロユイ、君は本当に凄いな。

こんな豪華な病室、先生初めて入ったぞ。

他に部屋が空いてなかったのかい?」


教員が辺りを見渡していると、ガイが戻ってきた。


教員はガイを見るなり、ピタリと動きが止まった。


「あ、貴方は……警備隊の、ガイ隊長?」


「そうだが、お前さんは誰だ?」


教員は背筋を伸ばした。


「私はゼロユイの担当教員です。

まさか、私の生徒が、ガイ隊長と一緒の病室だとは……。


以前は、我が校の特別授業に来てくださり、ありがとうございました。


学生達もみんな大喜びで、今でも話題に上がっているほど……。」


教員の説明にガイは軽く手を上げた。


「そんなに褒めずとも、俺は職務で行っただけだ。

それより、特別授業に俺を手配したセキ様に感謝してもらった方が光栄だ。」


「はい、もちろん裁判長にも感謝しております。」


「それで良い。茶でも飲んでけ。」


ガイは教員をソファーに座るよう促すと、自ら片手でお茶を入れ始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。