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君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki
第7章ー世界の裏側ー

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第7章-113 銀髪の二人

僕とフクは美しい湿地帯の隅で目を覚ました。


「また、来ちゃったね。フク。」


中央には光る木が静かに光り、その下のベンチにフィナが座っている。


銀色の髪が風で優しく揺れていた。


フィナに声をかけようとした時、リュウがフィナの隣に座っているのに気が付いた。


リュウはテンション高くフィナに話している。


「でさ、マジで助かったんだよ。

お嬢に、コウさんがケーキ持って来るって話をしたら、一発で機嫌が直ったんだよ。

やっぱりコウさんは救世主だ。」


「もう、リュウったら……その話、何度目?

それより、寝なくて平気なの?

いつもは寝てる時間なのに。」


「全然大丈夫!

最近またお嬢がよく寝るようになったからさ。


こんな夜更かし、お嬢が起きてたらあんまり出来ないですし。

すぐ、お茶持って来いとか、ニャアがどこか探してとか、呼び出すじゃないですか。


それにしても、隊長さん強かった。

腕怪我する前は、どんだけ強かったんだか……。


あれ、治るんですかね?

治ったらまたやり合ってみたい。」


リュウは楽しそうにしながら.光る木を見上げた。


フィナが少し不安そうにリュウを見る。


「本当に調子良いんだから。

でも、あまり派手に戦ったりしないでね。

リュウにも、相手にも怪我してほしくないし。」


「大丈夫、大丈夫!気をつけますって。」


「本当に気をつけてよ。」


二人が笑う。

その姿は一枚の絵のように美しかった。


僕はフクを抱きしめながら、見惚れるように銀髪の二人を見ていた。


「でもビックリだよな。

まさかお嬢が興味持った相手と、フィナが前に会った子供が同一人物なんてさ。」


「うん。私もビックリした。

きっとお嬢様も、ゼロユイの優しさに反応したんだよ。」


名前を呼ばれてドキリとした。

だが、二人は気づかず対話を続けている。


「そういやさ、裁判長の話だけど、私が見たのは処刑後でさ。

返り血浴びまくってたのに平然として……。」


「やめて。血の話……苦手。」


フィナは少し身を震わせた。

リュウは髪を掻き上げた。


「悪い悪い。血の話はしない。

それでさ、その姿を見て、より好きだなって思ったんだよ。


やっぱり奴隷解放が最高だったよな。

やっぱり罪人を裁く人って、神々しいっていうか……。」


「奴隷の話もやめて!思い出したくない!!」


フィナは目を閉じ、手で耳を塞いだ。

その姿を見て、フクがフィナの元へ飛んでいった。


「ホウッ!」


「フク!?待って!!」


僕の制止を無視したフクは、リュウに飛びかかり、頭を突こうとした。


リュウは咄嗟に地面を蹴り、ひらりと身を翻した。


「な……何なんだ!?」


「ギギー!」


フクがリュウを威嚇している。


僕は走ってフクを抱きとめた。


リュウは目を丸くした。


「ゼロユイと……え?黄色いフクロウ?」


僕は驚き、目を見開いた。


「え?フクロウを知ってるの?あっ……。」


フクは僕の腕の中から抜け出し、フィナの横に座った。


「ホウ」


そっと目を開けたフィナに、フクは励ますように一鳴きしてみせた。


「フクちゃん……来てたのね。慰めてくれるの?」


「ピィッ」


フクはもう一鳴きすると、フィナの膝にちょこんと座った。


「フクちゃんは優しいね。ありがとう。」


僕とリュウは、しばらくフィナ達を眺めていたが、リュウはハッとした顔をして、僕を強く抱きしめた。


あまりの力に息が苦しくなる。


「もしかして、私のために、お嬢に会いに来てくれたりしました!?

いや、それめちゃ嬉しすぎるんですけど!?」


僕がもがくのを見て、フィナがリュウを叱った。


「リュウ、ゼロユイが苦しんでる!

離してあげて!!」


「あ、ヤベ!本当だ!!」


リュウが手を離す。

僕は息を整えようと大きく深呼吸した。


フクが嘴をカチカチ鳴らし、リュウを威嚇した。


「フクちゃん、ごめんね。

あまり怒らないで……リュウは時々、力加減を間違えちゃうの。」


フィナがフクをギュッと包むと、フクは嘴を鳴らすのをやめた。


僕はリュウに向かって叫ぶように言った。


「ぼ……僕たちは、来たくて来てるんじゃなくて、いつも、いつの間にか来ちゃってるだけなんだ!!」


「分かった、悪かったって。

あまり叫ぶな。お嬢が起きる。

お詫びに私の馬を見せてあげるから……な?」


「馬より、どうしてフクロウを知ってるかを……。」


「フィナ、そのフクロウ頼んだ!!」


フィナの返事より早く、リュウは僕を抱えて、家の中に入っていった。


「ホウ!」


追いかけようと立ち上がったフクの体に、フィナは優しく手を添えた。


「フクちゃん、大丈夫。

ここで一緒に待ってよう。」


「……ホウ」


フィナの笑顔を見て、フクは膝に座り直した。

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