↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君といきたい ー不要品AIと小さなフクロウの旅ー  作者: yunimituki
第7章ー世界の裏側ー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

110/160

第7章-110 リュウの救世主

手を下ろしたリュウは、ひらりとガイの横をすり抜け、僕のベッドの前まで来た。


ガイが顔を顰める中、リュウは手を前で組み、お願いポーズをした。


「隊長さんは、降参はしたけどさ。

ゼロユイは連れていかないとダメなんですよ!


頼む、この通り!

お嬢に持ち帰るよう頼まれてるんです!!」


「ぼ、僕を持ち帰る……?」


僕は布団から飛び出て、ガイの足に飛びついた。


ガイが驚きの声を上げる。


「お前さん、俺が怖かったんじゃ……。」


リュウがふてくされたように僕を見た。


「ちょっと、ゼロユイ。

いくら子供とはいえ、隊長さんを盾にするなんてずるいですって。」


ガイは片手で頭を抱えた。


「お前さん達はなんなんだ!?調子が狂う!!」


ガイが叫んだその時、軽いノックが部屋に響いた。


「ガイさん、随分と賑やかですが大丈夫ですか?開けますよ。」


ガラガラと扉が開かれる。

大きなバッグを持ったコウが入ってきた。


コウとリュウの目が合う。

コウの眉が少しだけ動いた。


「リュウさん、どうしてこちらに?」


「あ!コウさんじゃないですか。

良かった!救世主が来た!!」


リュウはコウに駆け寄り、お嬢様に僕を連れてくるように言われたことや、ガイと揉めた事を話し始めた。


「ゼロユイは、私の事を拒否するし、隊長さんの怒りは収まらないし……。


私は命令されて来ただけなんですよ?

踏んだり蹴ったりです。


なんとか説得してくれませんか?」


コウはバッグを丁寧に棚に置いた。

リュウの話を静かに聞いていたが、話が終わると、しっかりと目を合わせて話し出した。


「リュウさん。

ガイさんの方が正しいですよ。

部屋に入る時はノックをして許可をもらってから入るんです。


そして、ガイさんとあなたは初対面ですよね。

名乗りましたか?」


リュウはハッとした顔をした。


「忘れてた!いや、お嬢の命令になるとつい……いやはや、すみません。」


「そうでしょう?

それと、ここは病院ですよ。


患者を連れ出す事も、足払いをする事も、ましてや傷つけるなんて御法度です。


それに、ゼロユイさんはリュウさんが入院させたようなものです。

そこも考慮して、接し方を考えてください。」


リュウはコウの話を真剣に聞いている。


僕はガイの足から手を離した。


「……ガイさん。リュウさんは、大人だよね?」


「俺に言わせれば子供だが、お前さんの方がまだ大人に見える。」


コウの話が終わると、リュウは素直に頭を下げた。


「いや、本当に色々とすみません。

でも、お嬢の命令には逆らいたくなくて……そこだけは譲れないんですよ。」


リュウは本当に困った顔をしている。


コウは軽く息を吐き、穏やかな声で言った。


「ゼロユイさんは患者ですから、連れて行かせられません。

ですが、そのお詫びに僕が今度、お嬢様の家に伺います。

お嬢様の好きなフルーツタルトも焼いていきます。いかがですか?」


リュウの目が輝き始めた。


「さすがコウさん!

それなら許してもらえそうです。

お嬢に報告しないと……馬も待たせてるんで。


じゃあ、私はこれで!!

隊長さん、ゼロユイお邪魔しました。」


リュウは目にも留まらぬ速さで病室から出ていった。


コウが廊下に向かって叫ぶ。


「リュウさん!歩いてください!!」


だが、リュウの姿はもう見えない。

コウは珍しくため息をついた。


「本当に困った人ですね。少し休みましょうか。」


コウは給湯室へお茶を淹れに行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。