第6章-102 公開処刑(6章完結)
ー裁判所/一般傍聴席ー
一般傍聴席の最前列には、コウとサクが並んで座っていた。
サクがコウを見る。
「コウ様、貴方の席は関係者席に用意されてる筈ですが、なぜこちらに?
しかも、なぜ俺を呼び寄せたのですか?」
コウがフワリと笑う。
「関係者席からは、あまり全体が見えませんからね。
それに、一人より二人で見た方が寂しくないでしょう?
それに、貴方もお供を連れているではありませんか。」
コウは後ろを振り返った。
鎧姿のガーディが座っている。
ガーディはコウに、ペコリと頭を下げた。
「コウ様、この前はお見舞いに来てくださり、誠にありがとうございました。」
「良いんですよ。
ゼロユイさんが貴方に会いたがっていたので、連れて行っただけですから。」
サクは足を組み替え、ガーディを見た。
「ガーディ、お前本当になんで来たんだ?
今日はお前は休みだし、処刑は嫌じゃなかったのか?
ガイ隊長の指示か?」
「いいえ。サクが行くと聞いたので来ました。」
「律儀だな。別にいつでも話せるのに。」
二人のやり取りを見てコウが微笑む。
「とても仲がいいんですね。」
その時、開始の笛が鳴った。
会場が静まり返る。
「これより公開処刑を開催いたします。
主犯を前へ。」
複数人の警備隊に囲まれ、落石事故の現場監督だった男が拘束椅子の前に連れてこられた。
男は椅子に座らせられ、縄で全身を固定されていく。
男に抵抗する様子はいっさい見られない。
ただ、遠くを見つめるような、虚ろな目をしている。
「裁判長セキ様、副裁判長レイ様、どうぞ前へ。」
黒いマントに、黒い手袋をしたセキが拘束椅子の男の元へ真っ直ぐに歩いてきた。
その後ろにはレイが、黒い鞘に入った剣を両手に抱えている。
民衆からザワザワと声がする。
「あれが裁判長と副裁判長?初めて見た。」
「セキ様だ。頭に包帯を巻いてるが大丈夫なのか?」
「副裁判長って男性……だよな?なんて綺麗な方なんだ。」
「セキ様……かっこいい……レイ様も神々しいわ。」
コウは民衆の声に微笑を浮かべながら、一人静かにつぶやいた。
「本当に、似合いますね。セキ。」
サクは聞こえないふりをしながら、拘束椅子へと視線を移した。
セキが男に声をかけた。
「何か言いたいことはあるか?最後に全て聞いてやる。」
男はしばらく空を見上げた後、首を横に振った。
「何もない。
全て話した通りだ。
私は裁判所から予算を減らされ、焦った。
金は充分あったのに……。
長年の勘もあり、掘り始めも順調だったから安心してしまった。
強度確認をしないまま、採掘を従業員に続けさせた。
……それが全てだ。」
「以上か?」
「……はい、以上です。裁判長。
謝っても謝りきれない。
この命一つでは償いきれない……本当にすまなかった。」
「そうか。私も急に予算を減らして悪かった。
今後の参考にさせてもらう。
この者に目隠しをしろ!」
警備隊の1人が、男の顔に黒い布を巻きつけた。
きつかったのか、唸り声が上がった。
「レイ、剣をよこせ。」
レイはビクリと体を震わせた。
震える手で、剣をセキに手渡した。
セキはレイに囁くように小さな声で言った。
「震えるな。私の背中だけ見ていろ。」
セキは剣を受け取ると、鞘から引き出した。
ギラリと剣が光り、セキの顔を一瞬だけ映した。
セキは男の前に立つと、一呼吸おいた。
セキは誰にも聞こえないような微かな声でつぶやいた。
「この日を忘れる事は無いだろう。」
剣を男の頭に振り下ろした。
男の頭は真っ二つに裂け、セキの顔に、服に、靴に血がべっとりとついた。
静まり返った傍聴席に向かって、セキは血を拭う素振りも見せず一礼した。
民衆達から歓声と拍手が沸き起こった。
こんにちは。作者です。
6回目の後書きを書かせていただきます。
第6章“公開処刑”が完結いたしました。
次は、第7章“世界の裏側”がスタートします。
落石事故……やっと、一区切りつきました。
出来事やビジュアルはハードですが、作者としてはホッとしています。
これからの物語りは、
世界の暗い過去や、謎についてがメインとなります。
少し難しい話もありますが、キャラの動きや思考に注目して読んでいただけたら嬉しいです。
さて、ここまで読んでくださった方は、お分かりかと思いますが……。
章を跨いだので、今回も3話アップいたします。
※残りの1話は12:00くらいに、投稿させていただきます。
合わせて読みに来ていただけたら嬉しいです。
ここから下記は、
・ちょっとネタバラシ
・キャラクター一覧
です(^^)
必要ない方は次の
・第7章-103 お嬢様と御者へ へどうぞ。
それでは、この辺りで。
引き続きストーリーをお楽しみください。
イイネやコメント、心よりお待ちしております。
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◯ちょっとネタバラシ
次の章で、新キャラが1人出ます。
これで、名前有りキャラ(主要メンバー)が出揃います。
実はこのキャラは、実は34話(名前無し)で出ています。
本当はもっと早く出す予定でしたが、ズルズルとここまで来てしまいました(笑)
気になる方はチェックしてみてくだい。
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◯キャラクター一覧
今回も、今まで登場したキャラの名前や役割を記載しておきます。
宜しければ、整理にお使いください。
↓↓
◯裁判所
⭐️セキ…裁判長
・国で1番偉い人。
・サクの能力を高く評価した。
・レイを気にかけ、公開処刑を行う
・落石事故の怪我で入院していたが、退院し、通院に切り替わっている。
⭐️レイ…副裁判長
・国で2番目に偉い。中性的な男性。
・セキと一緒に暮らしているらしい。
・最近サクがレイの補佐官になった。
⭐️ガイ…警備隊長
・ガーディの上司。
・現在は落石事故で、片腕を怪我し入院中。
・公開処刑の際、一時退院した。
⭐️ガーディ…警備隊員
・サクの弟。ガイの部下。
・フクと主人公の頭をひたすら撫でた。
・フィナの恋人。
・ゼロユイに対する、セキコウのの扱いついて疑問をもち、サクに相談した。
⭐️サク…事務員
・ガーディの兄で面倒見の良いしっかり者。
・女性職員から、人垂らしと噂があった。
・セキに能力を認められ、レイの補佐官になった。
・ガーディの話で、主人公の待遇についてセキやコウに疑問を持っている。
①学校
⭐️教員
・主人公の担当教員。若い男性。
・主人公にボランティアを紹介した。
※教員はサブキャラですが、登場回数は多いので記載しています。
②総合病院
⭐️コウ…医師
・セキやレイなど上層部の主治医。
・総合病院のリーダー。
・ガイを跪かせ、セキを駄々っ子扱いした。
・主人公に医者になってほしい。
・主人公にペンダントを渡した
③町の病院
⭐️町医者
・優しい男のお医者さん。
・地域密着の小さい病院で働いている。
・主人公のボランティア先。
※町医者はサブキャラですが、登場回数は多いので記載しています。
◯電子世界
✨??…青いフクロウ
・アサハユイのフクロウ
・名前はまだ分からない
・身長40cmくらい
⭐️アサハユイ/プロトタイプ0…AI
・主人公が“誰か”と呼んでいた人物。
・主人公にフクを与えて旅立たせた。
⭐️主人公…AI
・アサハユイから名前を借りた。
・フクと一緒に学校の寮に住んでいる。
・筆記は満点、実技は補習。
・
✨フク…黄色いフクロウ
・黄金の玉が変化した者。
・電子世界では玉に戻るが鳥の姿に成長中
・主人公と一緒に暮らしている
・身長25cm弱
◯光る木の広場
✨虹色の鳥
・虹色に光る巨大な鳥。
・羽を広げると4m級。警戒心が強い。
・フクに羽を1枚あげた?
✨白い鳥
・虹色に光る巨大な鳥。
・羽を広げると4m級。穏やか。
◯白い屋敷
⭐️お嬢様
・主人公に屋敷での出入りを許した。
・主人公はまだ出会っていない。
⭐️フィナ…メイド
・ガーディの恋人。
・フクをフクちゃんと呼ぶ。
・主人公に手紙の見本を作ってもらった。




