第6章-101 処刑の教え
ー裁判所/訓練場ー
訓練場では、着々と公開処刑の準備が進められていた。
訓練場の中央には拘束用の椅子があり、
関係者席、そして傍聴席が少し離れた場所に設置されている。
若い警備隊員が、控え室にいるセキとレイに敬礼をした。
「セキ様、レイ様。準備が整いました。
まだ時間はありますが、外はかなりの人が集まっています。
訓練場を開放して、よろしいでしょうか?」
レイは少し緊張した面持ちで座っている。
セキはコウから贈られたマントを着ていた。
「まだだ。
開場時間のギリギリまで待たせておけ。
それより、コウはどこにいる。」
「かしこまりました。
コウ様は一般の席から見たいと仰り、外の列に並んでいます。」
「まったく……コウをここに連れてこい。
嫌がるようなら、一般席の一番良い席を用意してやれ。」
「かしこまりました。」
若い警備隊員は下がっていった。
入れ違いでガイが入ってくる。
ガイは2人に跪いた。
「セキ様、レイ様。
この度は立ち会いの許可、心より感謝いたします。」
レイの顔が少し綻ぶ。
「ガイさん、間に合ったのですね。」
「はい。腕はまだ完治していませんが、コウ様から一時退院許可が下りました。」
セキは椅子から立ち上がり、ガイの前に立った。
「ガイ、関係者席の最前列にお前の席を用意した。
警備隊長として、その目に今日の事を焼き付けろ。
もう行け……先に座って待っていろ。」
「はっ!かしこまりました。」
ガイはセキとレイに頭を下げ、颯爽と下がっていった。
セキは隣に座るレイを見た。
少し手が震えている。
「レイ、お前は副裁判長だ。震えるな。」
「す、すみません。
処刑の席なんて初めてで……。」
セキは椅子に座り直し、レイの顔を見た。
「よく聞け。処刑は一瞬で終わる。
その間、何を言われようと、何があろうと、決して下を向くな。
私だけ見ていろ。良いな。」
「は……はい!」
レイは力強く返事をした。
レイの目は少し揺れているが、まっすぐにセキを見ている。
「それで良い。
さあ、そろそろ時間だ。」
セキは立ち上がり、マントを翻した。




