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黄昏の秋桜

作者:蒼野 壮太
最新エピソード掲載日:2026/08/06
【黄昏の秋桜】(たそがれのコスモス)

思春期は痛みを連れてやってくる。
これは、中学二年生の河合秋(かわいあき)の不思議な初恋の物語。
物語の始まりは、一冊の和本。
幼なじみの沢田が連れてきた風変わりな少女「へんげ」が差し出したのは、彼女の親族が作り上げた地元の怪異伝承集。
そこに記されていた『横顔の美女』という不可解な物語。それは、戦時中の町に現れた美しい娘が、誰の記憶からも消え去り、その跡地には一面の「白い秋桜(コスモス)」だけが咲き乱れていたという不思議な伝承だった。
現実の世界で、秋もまた、ある上級生に心を奪われる。さらさらの髪をなびかせ、夕暮れの光の中で「白い横顔」を見せる美少女。その存在は、あまりに伝承の中の美女と重なり、秋の心を激しく揺さぶる。
「初恋とは、痛みを知り、失うことで完成するもの」
親友・沢田との複雑な友情、「へんげ」との心の交流、そして正体不明の先輩への断ち切れない想い。土地の伝承と、瑞々しくも切ない思春期の心理描写が交錯する中、物語はやがて時を超えた真実へと導かれていく。

初稿:2025年(加筆修正:2026年)
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