音のない歌詞

少年と少女。 二人の言葉は、互いに互いを犯してゆく。

電話の向こうに、 ドアの向こうに、 あなたの存在を感じるだけで。 本当は誰も証明してくれない。

誰かを救う、ヒーローになりたい。 そんな、少年の歌。

全部、全部、僕が悪いんだ。 慰めの言葉はいらない。傍にいなくてもいい。 今は、関わらないでくれ。

気持ちを吐き出す。 その行為は、きれいなようで、とても汚い。 まるで、吐瀉物のように。

貴方は私を置いていく。 なんで私も、連れていかなかったの？

ああ、苦しいな。 貴方は、いないのに。 貴方に会いたいの。 会いたいなら、なんで会いに行かないの？ 愛したいなら、なんで、愛し遭わないの？ 分からない。 分からない。 分からない。

青年は言った。「愛してるよ」と。 少女は言った。「愛してるわ」と。 それが、本当の物だったのか。 それは、もう、分からない。

少年の街と少女の街。 二つを隔てる境界で、二人は、何を紡ぐのか。

忌み嫌う。 そんな行為を正当化して。 わたしは、道端の黒い影に、吐いた。

秋は、夕日が早く暮れる。 黄昏れることすら、出来やしない。

普段の生活が、息苦しい。 まるで、真綿で首を絞められているみたいで。 ああ、僕の中の、化け物がね？ 言うんだよ。 さっさと死んでしまえって。 うるせえ。 死ねるもんならもう死んでるよ。

君は言った。「いつもの空はいらない」。 けど、僕はいつもの日常が好きだった。

フロンガスでオゾン層に穴が空いた。 地表のすべては焼け焦げた。 その世界で、僕は君に、恋をしたんだ。

重力が私を縛り付ける。 ぐらぐらしている、不確実なものじゃなくて。 本物が、欲しいの。 そのはずだった。

僕は昔から自転車に乗れなかった。 それだけの話。

お願い、私も関わらないから、お前らも関わらないでくれ。

あれ？ 何か、いつもと違う。 あなたは何処？

僕なりに、今の世の中を見た感想です。 真に受けないでください。

叶わないと分かっている恋ほど、無惨なものはない。

彼女はもうここにはいない。 悪いのは僕なのに。 とばっちりを食らったのは、あの子だった。

夜中。 十二時を少し過ぎたくらい。 僕はただ、空に向かって、詠う。

笑いながら虫を殺す。 何気もなく動物を殺す。 一時の感情で他人を殺す。 やっぱりおまえは、きみは、あなたは、かれは、かのじょは、あのひとは、このひとは、そのひとは、わたしは、ぼくは、おれは、じぶんは、//

夏バテしました。 やる気が出ない。筆が1ミリも進まない。 僕はただ、置いてあるグラスを見た。

一回でもそれに手を出せば戻ってこれない。 誰かはそれに、手を出した。

水滴が水面に落ちる様子は、鏡を壊す時に似ていた。

壁に、腕とか、肘とか、擦っちゃって。 ちょっと、じんじんする。 そんな経験、ありませんか？

灰色の世界しか描けないわたしに、君は光をくれたんだ。 ちょっと日焼けしたけど、これくらいがいいよね。

死んだよ死んだ。妻が死んだ。 私は悲しい。悲しいのだわ。 きっときっと、心苦しいのだわ。 入水をしましょう。それがいい。 水に浸かれば、疲れはとれるでしょう。

回る。繋ぐ。減る。増える。 この文章はそういうもの。 それ以外の何でもない。

影というものは、よく、日陰のことだと勘違いされがちだ。 しかし、古くは影には、「光」という意味があったのだという。 影法師のボクと、光のキミ。 本当はどっちが影なのか判らない。

不眠症とは違う。 ただ単に、眠れないだけ。 周りは分かってくれない。 深い眠りに沈めようとしてくる。

自分の信念を折り曲げる。 そうすれば、何かと余計にぶつからずに済むから。

自分はもう二人じゃない。 別れの挨拶は既に終わっている。 そうでなければこんな詩を詠うものか。 この感情に、この感傷に、この感動に、フレンチキスを。 ―――あなたへのキスは、もう済ませたから。 //

「あなたの顔が見たい」 　僕はそう言った。 「うん。見えたらいいね」 　あなたはそう言った。

あんた以外の女を抱きたい。 あんたのことを忘れたいから。

十年前くらいは、自転車を漕いでいた。 その時と同じ道を、今自動車で走っている。 あの頃と、色々変わってしまった。 見える世界はくすんでしまったし、私の目は霞んでしまった。 それでも、何かきっと見えるっ//

あなたは言った。 「海辺で死にたい」と。 私は止められなかった。 あなたは身を投げた。 私の言葉は、砂浜の上に横たわっている。 後を追おうとした。 けど、怖くて出来なかった。 コンクリートに染みが出来//

ついつい、自分の指を噛んだり、唇の皮をめくったりしますよね。

暑い陽射し。 頭がくらくらする。 あなたはもう同じ電車には乗らない。

ドレミファソラシ。 鍵盤の上に指を走らせる。 何もない、空のピアノ。 ただ、空しさのまま遊ばしている。

尊厳死について、自分なりに考えた。 そんな詩です。

くたばっているのは私か世界か。 今の世界は夏か冬か。

残暑という言葉を見て、ふと思いいたりました。

台風の目の中って、とても寂しい。

木の上に止まったぼくは、毎日毎日鳴いている。 そのすぐそばで、秋の風と誰かが鳴いている。

透明な私から見た世界のこと。 そして、綺麗な夕焼けのこと。

ゆっくり眠りたい。一人で眠りたい。

君がいなくなってから数年が過ぎたけれど、いつになったらもう一度君に会えるのか、分からない。

今より少し前向きになれたら変わるなんて、本当ですか？

君の醜さをすべて、僕が持って行けたなら。