ショートショート

　エコだとか、地球にやさしいだとか……。このごろの家電は、まことに良くできている。 　スマホからの指示で、会社にいながらにしてごはんを炊いたり、風呂を沸かすこともできるそうだ。まさに便利のひと言である//

　妻が風邪をひいたので、冷たい風のなか、オレは薬を求めドラッグストアーに行った。 　妻はひどい冷え症である。薬のついでに、冷え症対策の靴下も買うことにした。店員にすすめられ、膝小僧まで隠れるという長め//

　飲み屋で、奇妙な老人と出会った。 　老人は巾着袋に口元をくっつけ、なにやらブツブツと話しかけていた。隣の席のオレとしては、どうにも気になってしょうがない。

　その日の会社帰り。 　行きつけの飲み屋で、学生時代からの友人――菊池と落ち合い、明け方近くまで飲み明かした。 　互いに独身、しかもモテない者同士。 「カノジョが欲しいな」 「ああ。女なら、どんな女だ//

　牛の夫婦がおりました。 　奥さんは、ゴロリと寝転んでいます。

　朝刊を広げ、チラシの多さにイヤ気がさした。不動産屋、パチンコ店、家電店、ホームセンター、さらには墓地の広告まで入っている。 ――高いな……。 　墓地の価格に、つい大きなため息が出てしまう。

　その昔。 　十兵衛という名の、日本一の橋造り師がいた。 　だれもが無理だと思うような大きな川にも、十兵衛は橋をかけた。そしてその橋は、いかに大雨が降っても流されることはなかった。

　最近、よく海の夢を見るようになった。 　そして夢からさめると、私は思い出す。タコビトの話を……。

　畑の隅に廃車が一台、倉庫代わりとして長らく置かれてあった。 　この廃車、今では車体のあちこちにサビが浮き、天上には穴まであいている。その穴からは雨がしたたり落ち、車内はボロボロに腐っていた。

　ウンコを出し終わって、いざケツをふこうとしたときだった。右手が、いきなり動かなくなる。 ――うん？ 　考えるまもなく、右手が言った。

　男は、ひとり無人島にいた。 　ボートで釣りをしていたのだが、思いもよらぬ嵐に遭遇して漂着したのだ。 　砂浜に流れ着いたときには、食料をはじめ一切のものを失っていた。ゆいいつ助けを呼べるはずのケイタイ//

　夕食後のこと。 「パパー、ドロボーになって！」 　娘が、オレのところにやってきた。

ニワトリの一家は大いそがし。 今日は、七羽の子どもたちの誕生日なのです。

　世界陸上女子マラソン。 　レースが始まって二時間二十分、二名の選手が陸上競技場内にもどって来た。日本人選手の高橋と野口である。

　自分の両手をながめながら、博士は満足そうにうなずいた。その手は、すでに半透明である。長年の研究が実って、やっと薬が完成したのだ。

　夕暮れどき。 　オレは実家近くの浜辺を散歩していた。 　先日、それまで勤めていた会社を辞め、アパートを引き払って実家に帰ってきたのだが……。

　ケイコは、とある会社のＯＬ。アパートの一室を借りて一人住まいをしている。 　一人暮らしを始めて十年になった。けれど淋しくはない。恋人がいるのである。 ――わたしのこと、本気で考えてんのかしら。 　最//

　息子はオレに似て気が弱く、思ったことを口に出せないタイプである。 　ところが、今日の息子はちがった。

　真夜中。 　オレは肩をゆすられて目をさました。 　目の前に奇妙な男が立っている。 　ソイツは黒のマント姿に、でっかいカマを手にしていた。タロットカードにある、あの死神そのものである。

　念願だった一戸建てのマイホームを購入した。狭いながらも庭もある。 　ところが……。 　いざ家に入居し、庭に立ってみて、オレたち夫婦はひどくがっかりした。

　玄関のドアの開く音が聞こえた。 ――もしかして？ 　玄関のドアには内カギをかけてあったので、侵入者の予想はおおかたつく。 ――どうしよう。 　考える間もなく、侵入者の足音がリビングへと近づいてくる。//

　ホームセンターの出入り口に、トイレットペーパーの束がずらりと並べられてある。 　今はこうしてトイレットペーパーだが、以前は新聞紙や段ボール箱であった。さらにその前は、本やノートと輝かしいときもあった//

　雪が薄く積もる、お白洲。 　南町奉行所の壇上、大岡越前守忠相が白洲に座る二人の女を見すえる。 「お雪、お風の両名に申しつける。その方たち、子の腕を持って引き合うがいい。して、己に引き寄せた方を実母と//

　風呂上がり。 　冷蔵庫にいつもはある、買い置きの缶ビールが一本も入っていない。

――あっ、ない。 　財布がいつのまにかなくなっていた。どこかで落としてしまったらしい。 「ご主人様、財布をなくしてしまいました」 　オレはあわてて報告をした。

　ある山里の村に、おじいさんとおばあさん、それにじゅん吉という男の子が暮らしていた。 　ある日のこと。 　おじいさんが、山で赤んぼうをひろってきた。玉のようにあいらしい女の子だ。

　街中にある産婦人科病院を出たユカリは、重い足どりでアパートに帰っていた。 ――喜んでくれるかしら？ 　赤ちゃんができていることがわかった。でも夫がどう思うか、不安だったのだ。

　朝七時半。 　朝食の支度を終えたスズヨは、ひとつ深いため息をついた。 　今日も、シゲルが起きてこないのだ。このままでは遅刻である。

目クソ鼻クソを笑う、ということわざがある。 自分の欠点に気づかず他人をあざけることで、あまり良いたとえには使われない。だいたいクソがつく言葉に、良い意味のあるものはない。

　料理屋の一室。 　貧乏神、疫病神、死神、福の神……四人の神たちが鍋をかこみ、なにやら談義をしている。

　今夜もノックの音がする。 　ドアが乱暴に開き、お父さんが入ってきた。いつものことだが、私のようすをうかがうために……。

　寝転んでテレビを観ているときだった。目のはしに赤いものが映った。 ――うん？ 　押入れから十センチほど、指の太さほどのヒモがのぞいている。

　豊後の国、その東の地――仏の里に一人の老翁がいた。名を羅十という。 　寺の仏像は、過ぎる年月とともに風化し、劣化してゆく。それらの修理修復をしていたのが、仏像の修理職人、羅十である。

　夜の十時。 　ドアの開く音がした。 　毎夜、この時間になると、かならず部屋に忍びこんでくる男がいる。

　最近の家電はよくしゃべる。これは、コンピューターが内臓されているからだ。

　ピーポーパーポー 　毎日のように走りまわる、ピーポーパーポー。 　昼夜を問わず走りまわる、ピーポーパーポー。

　ここに来るまで……。 ――どんなものだったのかな？ 　頭の隅に埋もれたわずかな記憶、私はそれを掘り返すようにして前世をさぐっていた。

　風が冷たくなるにつれ、外出時には厚手の上着が欲しくなってきた。 　そんな日曜日。

　博士は画期的なトラベル薬を発明した。飲むだけで時空を移動できる、タイムトラベル薬である。

　権作という貧しい男がいた。 　ある日。 　旅の者が権作の家を訪れる。 「一晩、泊めていただけぬか」 　旅人は、白いひげのある老人であった。

　会社から帰宅すると、リビングでユカがお絵かきをしていた。 　見るに、ゾウの絵であった。

　六衛門という大どろぼうがいた。 　ある日のこと。 　六衛門は盗みにしくじり、役人に追われる身となった。捕まれば死刑にされる。

　馬車引きのおじいさんがいた。 　仕事が終わったあと、毎日のように馬を川へつれていき、体のすみずみまで洗ってやっていた。

　林選手はポールに両手をそえると、肩で何度も深呼吸を繰り返した。 　ポールを握って前方にかかげる。 　バーに向かってスタートする。

　深夜。 　アパートの向かい側にある自販機に、缶コーヒーを買いに行った。 　道路を渡ろうとしたとき……。

　その稲荷神社は、町人たちの暮らす界隈から遠く離れた山のふもとにあった。ゆえに、参拝に訪れる者はわずかである。稲荷神の使い――神社をあずかる身の狐はひまだった。毎日のほとんどを、お社の中で寝転がって過//

　近未来。 　死は万人に平等――この言葉が死語になって、すでに久しい。三百年ほど前に生命維持薬が発明され、人類は永遠の命を手に入れていたのだ。

　オレは死んだ。 　泥棒や詐欺など、悪事ばかりして死んだ。それで死んだとき、地獄行きの切符を渡されたのだろうが、その場ですぐに破り捨てた。

　生活が苦しい。 　コンビニでバイトをしているが、家賃と食費だけで給料の大半が吹っ飛ぶ。電話料金を未納にして、通話を止められることもしばしばだった。

　風光明媚な海岸。 　自殺の名所でもある断崖の先端に、生きる望みを失った一人の若者が立っていた。今は深夜で、この若者のほかはだれもいない。 ――このまま生きてても……。

　ウサギりょうり。 　パパがウサギをつかまえてきたよ。ウサギはパパがわなでつかまえてきたの。わなにいちどはいったら出られなくなるんだって。

　警察署の取調室。 　ひとつの机をはさみ、刑事と若い男が向き合って座っている。

　日曜日の朝。 　妻は、キッチンで朝食の片付けをしている。五歳になったばかりの娘――里香は、たいくつなのかオレのところへやってきた。

　若者は、ある女性に恋をしていた。だが内気な性格なゆえに、ずっと告白できないでいた。 　そんなとき……。 　若者の前に、白いヒゲの老人が現れる。 「ワシは恋愛の神だ」

　松造は、若くして極道の道に入った。 　以来、生死の修羅場を何度もくぐる人生で、いっときも気の休まることはなかった。 　それが五年ほど前……。 　五十を超えて、それまでにない安らかな日常が訪れる。所帯//

　地球から三光年――そんな近い宇宙空間に、生命体の存在する惑星が発見された。

　警備員は直感した。 　こんな時間に、しかも女一人でつり橋に来る目的は、ただひとつ。自殺しかないことを……。

　その日、私の探偵事務所に奇妙な相談があった。依頼者は、七十歳なかばの老人である。 　して、その内容だが……。 　三か月ほど前から、同じ夢を繰り返し見るようになった。七、八歳の女の子が夢の中で、「あな//

　敷地には広い庭がある。義母が、こよなく愛した庭である。季節ごとに花が植え替えられ、決して他人に手を触れさせなかった……義母の庭。

　妻につき合って、郊外にあるショッピングモールに出かけたのだが……。

　坊やにミルクを飲ませ終え、いつものように……いつもの言葉で、坊やに向かってあやしかける。

あらすじはとくにありません。

人生に絶望した男が睡眠薬を飲んでガス自殺をはかる。その前に、母親あてに遺書を書くのだが……。

結婚して一年がたつ。面倒くさがり屋のほかは、これといって不満のない妻だったのだが……。

「続・金もうけの法則」の著作をお願いしようと、銭亀先生のお宅を訪問したのだが……。

出張中の飛行機内。非常事態が起き、突然、酸素マスクが落ちてくるのだが……。

短い話につきあらすじはありません。

短く、ショートショートなので、あらすじはあえて書きません。

私が担当する入院患者にアヤという女性がいる。彼女の心の内にある「幼児、母親、少女」の記憶を調べるうち、三名の共通点が「土蔵」であることがわかる。私は真相を知るべく土蔵へと向かうが、そこで考えられないも//

あらすじはありません。

ショートショートですのであらすじはありません。

ショートショートなのであらすじはありません。

あらすじはありません。

ショートショートで短いのであらすじはありません。

ショートショートですのであらすじはありません。

ショートショートにつきあらすじはありません。

　ショートショートですのであらすじはありません。

ショートショートですのであらすじはありません。