吸血注意 (ショートショート74)
掲載日:2017/07/20
夏の夜。
灯りの漏れ出る窓辺に、吸血鬼が音もたてず忍び寄る。
部屋には美しい娘がいた。
ひさしぶりにうまい血が吸える。
吸血鬼は舌なめずりをして、娘の白いうなじに目をやった。
だが、そこには魔除けの銀の十字架。
吸血鬼は首筋のあたりがチクッとして、とっさにそのあたりを手のひらで叩いたのだった。
――クソー。
毒づいてから窓辺を離れていく。
その帰り。
吸血鬼は首をポリポリとかいた。
――チッ! 蚊に刺されちまった。
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