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まだなかにいる: “見ている”何かに 壊される話

あらすじ
『まだ、なかにいる』

孤独な人間が、消えていく。

第四橋の下で発見された男の遺体。外傷なし。死因不明。ただ——両手が揃えられ、口角がわずかに上がっていた。まるで何かに「見つけてもらえた」ような顔で、死んでいた。

刑事・真壁恒一は、その顔が頭から離れない。

調べるほどに、同じ顔をした遺体が続く。孤独な人間に近づき、「声を届け」、最後の夜だけ「会いに行く」——児童心理士・九条玲司の影が浮かぶ。

でも、証拠がない。

「声を届けただけです」「話を聞いただけです」。九条は穏やかに言う。何をしたかは——書かない。書かれていないことは、証拠にならない。

追いかけるほどに、真壁は引き込まれていく。

六年前、妻が死んだ夜。「まだなかにいる」という言葉を残して。その言葉が——この事件の全てと繋がっていた。

取調室で、九条は静かに言う。「私とあなたは、似ています」。

九条は知っていた。真壁の「なか」に——自分と同じ匂いがあることを。

「まだなかにいる」は恐怖の言葉か。救済の言葉か。それとも——告白か。

証拠は揃わない。九条は捕まらない。でも物語は終わらない。

なぜなら——この言葉は、読んだ者の「なか」にも入り込むから。

本を閉じた後。静かな夜に。一人でいるとき。

ふと——後ろが気になったなら。

それです。
Nコード
N7372MF
作者名
天城玄
キーワード
残酷な描写あり 集英社小説大賞7 男主人公 ミステリー サスペンス サイコホラー 心理ホラー サイコパス 刑事 シリアルキラー 孤独 現代日本 不穏 行方不明 心理誘導 サイコサスペンス
ジャンル
ホラー〔文芸〕
掲載日
2026年 05月22日 20時40分
最終掲載日
2026年 05月22日 20時49分
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