↓ ↑ページトップへ

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

明日の席

連載中 全1エピソード 1エピソード目を読む
あらすじ
十八歳。受験を終えた私は、もう通う必要のない塾に足を運んでいた。

合格発表を待つだけの日々。長い間、合格することだけを目標にしてきた私には、試験が終わったという実感がなかった。何かをしていないと落ち着かず、かといって、何をすればいいのかもわからない。

そんな私の隣には、いつも一人の人が座っていた。

年齢も、名前も、よく知らない。いつからそこにいるのかも覚えていない。ただ、その人は私が塾に来ると決まって隣の席にいて、何かを尋ねれば、少し考えてから答えてくれた。

「これから、どうなると思う?」

そう尋ねても、その人は具体的なことを何も言わない。

「それは、まだ言えないな」

いつも、そんな曖昧な返事ばかりだった。

それでも、不思議と居心地がよかった。受験の結果も、その先の人生も、何もわからない私にとって、その人と過ごす時間だけが、変わらないもののように思えた。

ある日、その人が突然、こんなことを言った。

「さよならの練習をしよう」

意味がわからなかった。

けれど、その人は真剣だった。

私たちは、それから何度も別れの練習をした。

「じゃあ、また」と言って席を立つ日。

「元気で」と言って笑う日。

何も言わずに教室を出ていく日。

どれもうまくいかなかった。別れの言葉を口にするたび、私は何か大切なものを失うような気がして、結局、翌日も同じ席に戻ってきた。
Nコード
N6328MX
作者名
浦衛門
キーワード
シリアス 男主人公 和風 現代 職業もの 日常
ジャンル
ヒューマンドラマ〔文芸〕
掲載日
2026年 10月22日 17時29分
最新掲載日
2026年 10月22日 17時29分
感想
0件
レビュー
0件
ブックマーク登録
0件
総合評価
0pt
評価ポイント
0pt
感想受付
受け付ける
※ログイン必須
レビュー受付
受け付ける
※ログイン必須
誤字報告受付
受け付ける
※ログイン必須
開示設定
開示中
文字数
277文字
作品を読む
スマートフォンで読みたい方はQRコードから

同一作者の作品

N6328MX| 作品情報| 連載(全1エピソード) | ヒューマンドラマ〔文芸〕
十八歳。受験を終えた私は、もう通う必要のない塾に足を運んでいた。 合格発表を待つだけの日々。長い間、合格することだけを目標にしてきた私には、試験が終わったという実感がなかった。何かをしていないと落ち着かず、かといって、//
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。