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打ち切られた俺のラノベ、国民的アイドルに“人生で一番好きな本”と紹介されて大バズりし、アプローチされてしまう  作者: 歩く魚
番外編

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38.一緒に観よ?プラネタリア 6月15日放送回

 真っ黒な背景。すぐに星々が煌めきだし、プラネタリアのロゴが現れた。

 続いて「一緒に観よ? プラネタリア」という声が入る。


 場面は変わってスタジオ。

 中央に座っている二人の芸人の片方が上を見上げる仕草をする。


「始まりました“一緒に観よ? プラネタリア”〜! 司会のドン・ペリカと」

「山田で〜す」

「そしてそしてぇ〜! 彼女たちがプラネタリアだ!」


 カメラが動き、二十人近いプラネタリアメンバーが順々に映し出されていく。

 

 中には別の仕事で欠席しているメンバーもいるようだが、人気のある三人——真昼クレア、七星ミオ、氷室ルナは、雛壇の右端に並んで座っている。


「せーの」


 小さくクレアが言い、ミオとルナは頷く。


「「「夏休み、一緒に過ごしませんか?」」」


 全員が声を合わせ、おまけに可愛らしいポーズをつけた?


「はい、良いですねぇ〜」

「もうすぐ夏って感じる要素はほとんどなかったけどね」

「まぁそうですけど! ってことで今回の企画は——“夏先取り! 告白シチュエーショーン!”」


 ドン・ペリカが手を広げると、背後の巨大なモニターにピンク色の文字が浮かび上がった。


「え〜今回は夏のライブを前に、今をときめくプラネタリアの皆さんに、夏の! 告白のシチュエーションを演じてもらおうという企画です」

 

「これはさ、画面の前のプラネタリアンに告白してくれるってことですよ!」


 山田が身を乗り出すと、雛壇からきゃあきゃあと声が上がる。


「今回もね、いつもと同じようにカメラの向こうにいる想い人に、夏をテーマに自由に告白してもらいます。シチュエーションもセリフも全部おまかせですが、夏ではあってほしいね」

 

「まぁ、前回は七星がやらかしましたからね」

「もう本当に、まさかクリスマスなのに除夜の鐘がなるとは思いませんでしたよね」


 MCの二人が笑い合う中、ミオだけは苦笑していた。


「とはいえね、普段は見られない一面が見られるかもしれないので、テレビの前の皆さんはお楽しみに!」


 スタジオが沸く。

 メンバーの何人かが恥ずかしそうに顔を見合わせている。


「では、さっそく一人目にいってみましょう! トップバッターは……ナァナァホォシ!」


 ドン・ペリカがミオを指差し、カメラが雛壇から立ち上がった彼女を捉えた。


「はいはーい! ミオ、いっちゃいまーす!」


 元気よく手を挙げて、ミオがセットの中央へ進み出る。


 照明が切り替わる。

 背景に、放課後の教室を模したセットが浮かび上がった。


 窓の外は夕焼けで机が並んでいる。

 ミオは一つの机に腰を預けていた。


 カメラが彼女を正面から捉える。


「あ、やっと来た〜。もう、私ずっと待ってたんだからね? 三時間も待ってたんだよ?」


 三時間!? というガヤが入る。


「ん? いや、用っていうのは……」


 ミオは何度か視線を彷徨わせた後、カメラに目線を送る。


「あのさ、ずっと言おうと思ってたんだけど」


 声のトーンからふざけた調子が消えて、少し照れたような甘い声になる。


「今日、部活の後さ、一緒に帰らない? その、深い意味はないんだけど……」


 ミオが髪を指でいじる。


「夏休みになっちゃう前に、関係を進めておきたくて」


 ミオが上目遣いをして、スタジオが沸いた。

 

「かわいいー!」

「めっちゃマジじゃん!」


 司会の二人が両手で顔を覆い、雛壇のメンバーが悲鳴を上げる。

 

「えへへ、どうだった?」

 

 ミオが一転して普段の様子に戻り、ぴょんと跳ねた。


「いやー七星お見事だったねぇ」

「まぁ夏感は薄めだったけど、前回に比べたら良かったですね!」

 

 スタジオが笑いに包まれる。

 ミオが満足そうに雛壇へ戻っていった。


「続いては……おっと、この子にいってもらいましょうかぁ」


 カメラがメンバーに寄っていった。

 長い青髪の、大人びた顔立ちの少女。氷室ルナだ。


「ボス、頑張って!」

「…………はい」


 ルナが静かに立ち上がる。


 ミオのときの華やかな空気とは違い、彼女が歩を進めるだけで、スタジオの温度が少し下がったように感じられる、凛とした佇まいだった。


「氷室はかなりクールだし、あんまりこういう企画やらないよね。どう、気分的には」

「びっくりするほど自信ないです」


 即答。スタジオから小さな笑いが漏れる。

 ルナは表情を変えずにセットの中央に立った。

 

 照明が、彼女一人を照らし出す。

 花火の音が鳴った。


 ルナが、誰かの袖を引くような仕草をする。


「……今、聞こえないと思うから言うけど」


 ルナがカメラを見据えた。


「あなたのことが好き」


 あまりに淡白な告白だったが、メンバーはミオの時よりも盛り上がっていた。感嘆のため息すらあった。

 

「いやぁ……これは直球できましたね」

 

「そうだね。ボスってあんまりこういうのやらないから、どんな感じで来るのかなぁ、もしかしたら変化球なのかなって思わせてのど真ん中。聞こえないからこそ、素直になれるっていうのもあるかもしれないよね。これは点数高いですよ」


 ドン・ペリカが大げさに頷く。


「……ありがとうございます」

 

 ルナは表情を変えないまま雛壇へ戻っていった。

 その背中にメンバーから拍手が送られる。


「いやぁ、さすがボスだよね。俺だったら“え、そんな褒めてもらえるんすか!?”とか有頂天だろうからさ!」

「山田さんそれは嫌すぎますって!」


「でも、七星の甘え上手さとボスの不器用だけど素直な感じ。どっちも刺さるねぇ」


 山田がしみじみと頷く。

 その後も何人かのメンバーが告白をし、高評価をとっていく。


 次が、この企画で最後のメンバーだ。


「最後は……真昼!」

「はい」


 クレアがサッと立ち上がった。

 アイドルとして完璧な笑顔を浮かべ、セットの中央へ歩いていく。


「真昼、トリだけど緊張してる?」

「そうですねぇ……少しだけしてます」

 

「真昼って意外と緊張しぃだもんね。ほら、加入したての頃は噛みまくってたじゃない?」

「山田さん、それは黙っててください!」


 スタジオだけでなく、スタッフの笑い声も飛び交う。

 クレアは控えめに微笑んだ。


「では、真昼の告白でタイトルは“神社”です! どうぞ〜」

最近思いましたが、Xのフォロワーが増えることが書籍化への一番の近道だと思います。


なので、ここまでお読みいただいた仲間と言える皆様に、ぜひ私のXをフォローしていただきたいです。


@walk_sakana


今作のみならず、書籍化すれば連載が続く可能性が高く、書籍が売れれば(ほぼ)無限に続きます。


どうかよろしくお願いいたします。

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