五十九 歌の盗作疑惑
ある女房の歌が古歌に似ていると責められる。彰子は盗作と本歌取りの違いを整理し、元歌への敬意・変化・新しい意味があるかで判断する。感情的な糾弾を避け、創作ルールを明確化。結果、その女房の歌は本歌取りとして評価される。創作界隈の炎上を、批評基準で鎮める。
歌は、似ます。
これは、かなり大事な前提です。人が同じ季節を見て、同じ月を仰ぎ、同じ花を惜しみ、同じ恋に泣けば、似た言葉が出ることはあります。
春なら霞。秋なら露。冬なら霜。恋なら袖。別れなら涙。待つなら夜長。恨むなら夢。この時代の歌には、長く使われてきた言葉があります。それは手抜きではありません。共通の土台です。
歌を詠む人々は、その土台の上で、少しずつ違う景色を見せる。前世で言えば、同じコード進行で別の曲を作るようなものです。同じお題で、別の短編を書くようなものです。同じテンプレートで、まったく違う物語を立てるようなものです。
だから、似ていること自体は罪ではありません。問題は、どう似ているか。敬意があるか。元の歌を知ったうえで、新しい意味を添えているか。
それとも、ただ都合よく借りて、自分のもののように見せているだけか。ここを分けなければ、創作の場はすぐ燃えます。
燃えます。本当によく燃えます。前世でも、創作界隈の盗作疑惑は大火事になりました。
「構図が似ている」
「台詞が同じ」
「設定が被っている」
「これはオマージュか、パクリか」
「リスペクトと言えば許されるのか」
そうして、検証画像が作られ、時系列が掘られ、関係ない過去発言まで出され、最後には作品より人間関係の方が焼け野原になります。
宮中にネットはありません。ありませんが、噂網があります。そして宮中の噂網は、場合によってはネットより怖い。拡散速度は少し遅いかもしれません。けれど、逃げ場がありません。顔を合わせます。袖が触れます。笑われます。歌が刺さります。
その日、藤壺でも、創作界隈の炎上が起きかけました。発端は、歌会でした。
帝の質問箱が始まって以来、藤壺では学びの空気が強くなっています。問いを預かり、調べ、翌日に答える。日記、物語、香、衣、噂、紙、記録。それぞれの女房が自分の得意を出す。
その流れの中で、久しぶりに小さな歌会を開くことになりました。題は「秋の夜」。
あまりにも定番です。定番すぎて、逆に難しい。月、露、虫の音、袖、夢、長き夜。使える言葉は多い。けれど、どれも古歌の影が濃い。
菅原の君は朝から燃えていました。
「秋の夜でございます! 恋にも、別れにも、物思いにもできます!」
「火鉢にならないように」
「はい!」
春枝は歌を書く紙を選びました。
「秋の夜なら、薄い灰紫はいかがでしょう」
「よいですね」
「墨の濃淡が映えます」
「ただし、紙を増やしすぎない」
「一束だけでございます」
成長しました。若菜は香を控えめに焚きました。
「夜の題ですから、少し沈を残します」
澄子は灯を落としすぎないように整えます。
「暗すぎると、字が乱れます」
有子が小さく頷きました。
「読みやすさは大事です」
文字の一件が効いています。そして、問題の歌を詠んだのは、若い女房の小萩でした。秋の夜の題で、こう詠みました。
――長き夜の 夢にぞ君を 待ちわびぬ 覚めての袖に 月ぞ残れる
場は、しんとしました。悪くない。いや、かなり良い。夢で待ち、覚めた後の袖に月が残る。実際には涙かもしれない。月光かもしれない。夢の名残かもしれない。読み手に余白を残しています。
菅原の君は、すぐに目を潤ませました。
「小萩、よいです……!」
有子も控えながら頷きました。小少将は静かに言いました。
「袖と月の取り合わせが柔らかいですね」
若菜も香炉の灰を見ながら、
「夢から覚めた後の香の残りのようです」
と呟きました。小萩は照れて、少し俯きました。
その時です。別の女房が、扇をぱちりと鳴らしました。名は、ここでは伏せます。ただ、以前から小萩の成長を少し面白くなさそうに見ていた女房です。
「その歌」
彼女は、やや高い声で言いました。
「古歌に似ておりませんか」
空気が、すっと冷えました。
「古歌に?」
菅原の君が反応します。女房は続けました。
「『長き夜』『夢』『待つ』『袖』。いかにも昔の歌にございますでしょう。聞き覚えがありますわ」
小萩の顔から血の気が引きました。
「私は……」
「まさか、写したわけではございませんよね」
言い方。完全に刺しに行っています。
常盤が、ぴくりと動きました。赤染衛門がすぐに視線で止めます。
「盗み歌では、困りますもの」
その一言で、場がざわめきました。盗み歌。重い言葉です。歌を詠む者にとって、これほど傷つく言葉はなかなかありません。小萩は、手元の紙を握りしめました。
「私は……古歌をまねたつもりは」
「まねたつもりがなくとも、似てしまえば」
女房は言い募ります。
「それに、最近、小萩殿は物語や古歌を熱心に読んでおられますし。どこかで見たものが、そのまま出たのでは?」
これは危ない。
このままでは、小萩が泣いて終わるか、周囲が感情的に反論して燃えるかの二択です。創作界隈の炎上、宮中版。私は扇を閉じました。
ぱちり。
音が、場を止めました。
「盗作という言葉は、軽く使うものではありません」
女房が、びくりとしました。
「姫様、私はただ」
「疑問を呈するのは構いません」
私は言いました。
「けれど、人の歌を盗みと呼ぶなら、基準が要ります」
「基準……」
「はい」
赤染衛門が、すぐに筆を取りました。有子も控えを構えます。紫式部が几帳の陰で、静かにこちらを見ていました。
「歌は、古歌と似ることがあります」
私は言いました。
「特に、秋の夜のような題では」
菅原の君が頷きます。
「長き夜、夢、袖、月、待つ。いずれも古くから詠まれてきた言葉です」
「そうです」
私は続けました。
「古今和歌集の時代から、歌は古い歌と響き合ってきました。本歌取りという考えもあります」
女房たちの視線が集まりました。
「本歌取りとは、古い歌をただ盗むことではありません。元歌を踏まえ、その響きを借りながら、新しい場面、新しい心、新しい意味を生むことです」
小萩は、まだ青い顔で聞いています。責めた女房は、少し不満そうです。
「では、似ていてもよいと?」
「似ているだけでは判断できません」
私は言いました。
「三つ見ます」
赤染衛門の筆が動きます。
「一つ、元歌への敬意があるか」
「敬意」
「はい。元歌を知っているなら、その美しさや意味を踏まえているか。単に言葉を抜き取って、自分のものに見せていないか」
「二つ、変化があるか」
「言葉、場面、視点、結び。元歌と比べて、何が変わったか」
「三つ、新しい意味があるか」
「元歌を思わせることで、ただ同じ感情を繰り返すのではなく、今の歌に別の深みが生まれているか」
赤染衛門が、ゆっくり復唱しました。
「敬意、変化、新しい意味」
「はい」
「批評基準ですね」
「そうです」
菅原の君が震えました。
「創作の火事に、水が」
「火鉢にならない」
「はい」
私は、責めた女房に向き直りました。
「あなたは、小萩の歌がどの古歌に似ていると思いましたか」
「それは……」
女房は少し詰まりました。
「いくつか、あるように」
「具体的に」
「長き夜に、夢で人を待つ歌は多くございますし」
「多いですね」
「袖に月というのも」
「ありますね」
「ですから」
「特定の元歌は?」
女房は黙りました。空気が変わります。盗作と責めるなら、具体的に何に似ているのか示す必要があります。
「似た雰囲気」だけで人を盗人にしてはいけません。
私は言いました。
「古くからある言葉を使っただけでは、盗作とは言えません」
女房の顔が赤くなりました。
「ですが、あまりに古めかしい」
「それは批評としては成立します」
私は答えました。
「『古語や定番表現が多く、新しさに欠ける』なら、評価の話です。けれど、『盗み歌』とは別です」
赤染衛門が静かに頷きました。
「評価と糾弾を分ける必要がありますね」
「そうです」
私は小萩を見ました。
「小萩。この歌を詠む時、意識した古歌はありますか」
小萩は、震える声で答えました。
「直接、この歌を写したつもりはございません。ただ……古今集の恋の歌をいくつか読んで、夢で逢うこと、逢えぬ夜の長さ、袖の涙は、心に残っておりました」
「つまり、古歌の世界を踏まえている」
「はい」
「この歌で、自分なりに変えたところは?」
小萩は少し考えました。
「夢の中で逢えた、とは言い切りませんでした」
「なぜ?」
「待ちわびた、とだけ。夢でも逢えなかったのかもしれないし、逢えたのに足りなかったのかもしれない。その曖昧さを残したくて」
菅原の君が小さく息を呑みました。
「それは、よいです」
「袖に残るのも、涙だけではなく、月としました。悲しみだけではなく、夜の美しさも残っているようにしたくて」
紫式部の筆が、さらりと動きました。赤染衛門が顔を上げます。
「十分に、変化と新しい意味がございますね」
私は頷きました。
「そう思います」
責めた女房は、悔しそうに唇を結びました。
「ですが、古歌を知らぬ者が聞けば、まるで自分だけの言葉のように」
「そこは大事です」
私は言いました。
「本歌取りとして評価されるには、元の歌や伝統への敬意を隠しすぎてはいけません」
小萩が顔を上げました。
「では、どうすれば」
「歌会の場では、必要に応じて『古歌の心を踏まえました』と添えればよいのです。すべての元歌を説明する必要はありませんが、古い歌に寄せた自覚があるなら、敬意を示す」
菅原の君が頷きました。
「それなら、借りたのではなく、響かせたと分かります」
「そうです」
「響かせる……」
小萩が、少しだけ息を吐きました。私は続けました。
「ただし、ほぼ同じ上の句や下の句を使い、意味も変えず、元歌を知らぬふりをして自分の作とするなら、それは問題です」
「盗作」
常盤が小声で言いました。
「はい。ただし、そう判断するには具体的な比較が必要です」
赤染衛門が、すぐに心得を作り始めました。春枝が紙を出します。
「創作の心得なら、どの紙が」
「少し厚めで」
「炎上に耐える紙ですね」
「燃やさないための紙です」
「承知いたしました」
題は、赤染衛門が書きました。
――本歌取りと盗作の心得。
一、古い言葉や定番表現が似るだけで、盗作と決めつけぬこと。
一、疑う時は、具体的な元歌を示すこと。
一、元歌への敬意があるかを見ること。
一、言葉、場面、視点、結びに変化があるかを見ること。
一、新しい意味や余韻が生まれているかを見ること。
一、評価と糾弾を分けること。
一、創作への批評は、人を焼くためでなく、歌を磨くために行うこと。
最後の一文で、菅原の君がしみじみと言いました。
「歌を磨くため……」
「はい」
私は答えました。
「人を潰すための批評は、批評ではなく攻撃です」
紫式部が、几帳の陰で低く言いました。
「才の芽は、踏むのは容易く、育てるのは難しい」
小萩が泣きそうになりました。菅原の君も泣きそうになりました。赤染衛門は、黙って書き留めました。
責めた女房は、まだ完全に納得していないようでした。けれど、場の流れは変わっていました。彼女も、これ以上「盗み歌」とは言えません。
私は、もう一度小萩の歌を読み上げました。
――長き夜の 夢にぞ君を 待ちわびぬ 覚めての袖に 月ぞ残れる
「この歌は、古歌の恋の世界を踏まえています」
私は言いました。
「けれど、夢で逢ったと断定せず、覚めた後の袖に月を残したところに、小萩の工夫があります。涙の湿りだけでなく、月の光を残した。悲しみと美しさが一緒にある」
小萩の目から、涙が一粒落ちました。
「したがって、これは盗みではなく、本歌取りとして評価します」
場に、静かな息が広がりました。菅原の君が、真っ先に拍手しそうになりましたが、歌会なので抑えました。代わりに深く頷きます。
「よい歌です」
小少将も言いました。
「袖に残るものを涙と決めないところが、衣の感触としてもよいです」
若菜が続けます。
「月が残る、というのは香の残りにも似て、静かです」
有子は控えに、丁寧にその評価を書きました。春枝は、少し誇らしげに紙を見ています。常盤は、責めた女房の反応を観察していましたが、赤染衛門に袖を引かれました。
「流さない」
「反応の記録です」
「今は歌の場です」
「はい……」
責めた女房は、しばらく黙っていました。やがて、小さく言いました。
「……盗み歌と申したのは、言いすぎでした」
小萩が驚いたように顔を上げます。
「ただ、古歌に寄せるなら、もう少し明らかにした方がよいと思いました」
言い方はまだ少し硬い。けれど、謝罪の形にはなっています。私は頷きました。
「それは助言として受け取れます」
小萩は、深く頭を下げました。
「ありがとうございます」
その後、歌会は再開されました。ただし、空気は少し変わりました。皆、古歌との距離を意識し始めたのです。菅原の君は、自分の歌を出す時に言いました。
「これは、古今集の秋の心を少し踏まえました。ただし、待つ女ではなく、待たせてしまった側から詠んでおります」
「視点の変化ですね」
赤染衛門が頷きます。春枝は紙について、
「この歌は古風なので、少し昔めいた紙の色が合います」
と提案しました。若菜は、
「本歌取りなら、香も元の香りを少し残しつつ、新しい香を重ねるようなものですね」
と言いました。よい理解です。本歌取りは、香の重ねにも似ています。元の香を消してはいけない。けれど、ただ同じ香を焚いても新しくない。少し重ね、少しずらし、新しい場に合う香りにする。
紫式部は、ずっと静かに聞いていました。最後に一言だけ言いました。
「古き歌は、井戸の水のようなものです。皆が汲みます。けれど、何を煮るかは、その人次第です」
菅原の君が震えました。
「式部様、それはもう」
「記録してよいです」
赤染衛門が書きました。本当に、名言の出る場になっています。
その夜、藤壺の文箱には「本歌取りと盗作の心得」が納められました。春枝が選んだ紙は、厚みがあり、少し落ち着いた色。火事を防ぐための紙です。有子の読みやすい字で、敬意、変化、新しい意味という三つの基準がはっきり書かれています。
小萩は、その心得を何度も見ていました。
「私、怖かったです」
「そうでしょうね」
私は言いました。
「盗みと言われるのは、つらいものです」
「でも、基準があれば、息ができます」
「ええ」
「次からは、古歌を踏まえた時、自分でも何を変えたのか考えます」
「それがよいです」
小萩は少し笑いました。
「物語も、歌も、借り方が大事なのですね」
「そうです」
「人に理想を押しつけない。古歌にただ乗りしない。どちらも、敬意が要ります」
私は頷きました。小萩は成長しています。ちゃんと、自分の過去の学びとつなげている。創作とは、完全な無から生まれるものではありません。
人は何かを読み、何かを聞き、何かを好きになり、何かに憧れて書きます。そこに影響は必ずあります。影響を受けること自体を恐れすぎれば、何も書けません。
けれど、影響を受けたものを自分の手柄のように扱えば、信頼を失います。だから、必要なのは基準です。何を借りたのか。どこを変えたのか。何を新しく置いたのか。元への敬意を持っているか。
そして、批評する側もまた、基準を持たなければならない。気に入らない相手を潰すために「盗作」と叫ぶのは、刃物を振り回すようなものです。その刃は、相手だけでなく、場の創作意欲まで切ります。
「似ている」と感じたら、まず具体的に見る。「古い」と感じたら、どこが古いのか言う。「新しさがない」と言うなら、どんな変化が欲しかったのか示す。それが批評です。
ただ燃やすのではなく、磨く。それが文化の場を守るということです。藤壺は、反登華殿の勢力ではなく文化の品位を守る場である。以前の心得が、ここでも生きています。
その後、小萩の歌は、帝の質問箱で「本歌取りとは何か」を説明する時の例にも使われました。帝はそれを聞き、穏やかにおっしゃいました。
「古き水を汲み、新しき器に入れるようなものか」
「はい」
私は答えました。
「器が変われば、映る月も変わります」
帝は少し笑われました。
「藤壺は、歌の揉め事まで答えに変えるのだな」
「揉め事のままにしておくと、赤染衛門の胃が燃えますので」
御簾の内側で、赤染衛門が静かに咳払いしました。帝は楽しげに笑われました。すみません、衛門。でも事実です。
その夜、藤壺の灯は、穏やかでした。小萩は、自分の歌をもう一度写しています。有子が、読みやすい字で横に控えを書いています。
菅原の君は、古今集を開きながら、どの歌がどう響いているかを考えています。若菜は、古い香と新しい香の重ねを試したそうな顔です。春枝は、本歌取り用の紙という謎の分類を作ろうとして、赤染衛門に止められています。
常盤は、盗作疑惑がどう沈静化したかを語りたそうですが、やはり止められています。紫式部は、几帳の陰で静かに筆を動かしています。何を書いているのかは、聞かない方がよいでしょう。
私は、文箱に納められた心得を見ながら思いました。創作の場は、繊細です。褒め言葉ひとつで伸びることもあれば、雑な糾弾ひとつで折れることもある。だからこそ、感情だけで燃やしてはいけません。
似ている。腹が立つ。気に入らない。そう感じた時ほど、基準へ戻る。
敬意はあるか。変化はあるか。新しい意味はあるか。その三つを見れば、少なくとも、ただの火事にはなりにくい。本歌取りは、盗みではありません。古い歌と対話する技です。けれど、対話には礼が要ります。
相手の言葉を聞き、自分の言葉を返すこと。ただ奪って黙るのではなく、響かせて新しい余韻を生むこと。
藤壺の灯は、その夜も静かに揺れていました。
古い歌の影と、新しい歌の声を、同じ紙の上に照らしながら。
〜 出典 〜
『古今和歌集』仮名序(結びの部分)
歌のさまをもしり、ことの心をえたらむ人は、大空の月を見るがごとくに、いにしへを仰ぎて、今を恋ひざらめかも。
(テスト向け訳文)和歌の(優れた)形を知り、言葉の真意を理解した人は、大空の月を仰ぎ見るように、(この『古今和歌集』を通して)いにしえ(の優れた歌)を仰ぎ見て、今(の時代)を(愛おしく)恋い慕わないことがありましょうか(いや、必ずや恋い慕うことでしょう)。
なので私の作品もパクリではありません。本歌取w
〜 舞台背景 〜
本歌取とは、歌学における和歌の作成技法の1つで、有名な古歌(本歌)の1句もしくは2句を自作に取り入れて作歌を行う方法。主に本歌を背景として用いることで奥行きを与えて表現効果の重層化を図る際に用いた。例えば、
『古今和歌集』巻2 94番歌 紀貫之
「三輪山を しかも隠すか 春霞 人に知られぬ 花や咲くらむ」
『万葉集』巻1 18番歌 額田王
「三輪山を しかも隠すか 雲だにも 心あらなも かくさふべしや」
この2作品を比較すれば明らかなように、貫之は額田王の第1句・第2句をそのまま採用して第3句以後を自作としている。こうした本歌取については様々な受け取り方があった。六条藤家の藤原清輔はこれを「盗古歌」(こかをとる)ものとして批判的に評価した。これに対して御子左家の藤原俊成はこれを表現技法として評価している。出典:wikipedia




