十一 唐物自慢には、輸入依存リスクで返す
定子方が珍しい唐物の香炉を見せびらかし、「こちらには大陸の風が吹いておりますの」と挑発。彰子は感心したふりをしつつ、輸入品は希少性ゆえに壊れた時の代替が利かないと指摘する。さらに国産の職人を呼び、唐物に劣らぬ調度を作らせる計画を立てる。
唐物は、強い。
この時代の貴族にとって、唐から渡ってきた品は、それだけで価値を持ちます。香炉。鏡。屏風。筆。硯。紙。織物。薬。楽器。器。
海を越えて来た、というだけで、そこに物語が宿る。遠い国の風。見たこともない都の匂い。漢詩に詠まれる山河。遣唐使の時代の記憶。異国の職人の技。
そういうものが、品物の表面に薄く光っている。だから、唐物は自慢になる。唐物を持っていることは、富の証であり、人脈の証であり、教養の証でもあります。前世で言えば、海外高級ブランドの限定品でしょうか。
「これ、現地でしか手に入らないんです」
「職人が一点一点作っていて」
「もう次は入らないかもしれなくて」
そう言われると、人は弱い。希少性。その言葉は、時代を越えて人の判断力を鈍らせます。もちろん、私も美しいものは好きです。唐物を否定する気はありません。よいものは、よい。ただし。希少なものに頼りきると、運用が詰みます。これは前世の職場で嫌というほど見ました。海外製の特殊な部品。輸入に三か月かかる交換パーツ。特定メーカーにしか直せない装置。担当者が退職したら誰も触れないシステム。「便利だから」と導入したのに、壊れた瞬間、現場全員が沈黙するやつ。
私は知っています。美しい一点物は、飾るにはよい。でも、御殿を回す基盤にしてはいけない。そして、やはりその唐物マウントは、登華殿から飛んできました。
その日は、定子方の女房たちを招いた小さな香の会でした。正式な競いではありません。表向きは、互いの御殿の近況を交わし、香を聞き、季節の移ろいを楽しむ会。
ですが、そんなものは建前です。宮中の「気軽な会」は、だいたい気軽ではありません。とくに相手が登華殿の女房たちなら、なおさら。
清少納言本人は来ていません。しかし、その周辺の女房が数名。少納言の君。右近の君。そして、唐物好きで知られる中納言の乳母子、丹波の君。
この丹波の君が、本日の主役でした。彼女は、実に晴れやかな顔で、ひとつの箱を持ってきました。箱からして美しい。黒く艶のある木。金具は細かく、蓋の縁には異国風の文様が走っています。女房たちがざわめきました。
「まあ……」
「何でしょう」
「唐櫃でございましょうか」
丹波の君は、少し得意げに微笑みました。
「近頃、海の向こうより渡りし品にございます。登華殿にて皆で愛でておりましたが、梅壺の御方にも御覧に入れたく」
出ました。御覧に入れたく。つまり、見せびらかしに来ました、という意味です。
赤染衛門が、横で小さく息を整えています。最近、彼女はこういう場での胃の守り方を覚えつつあります。春枝は紙箱のそばで、少し緊張した顔。小少将は、唐物の箱の意匠をじっと見ています。常盤は、誰がどんな表情をしたかを追っている。澄子は、香炉を置く予定の場所と風向きを確認している。
よし。梅壺の女房たち、各自の役割で観察しています。丹波の君が箱を開けました。中にあったのは、香炉でした。小ぶりですが、非常に美しい。青みを帯びた金属の肌。胴には雲と龍の文様。蓋の透かしは細かく、煙が出れば、雲間から龍が息を吐くように見えるのでしょう。
女房たちの間から、本当に感嘆の声が漏れました。私も素直に思いました。
(これは、いい)
造形が見事です。文様の細工も、こちらの職人のものとは違う線があります。どこか硬質で、異国の空気がある。丹波の君は、その反応に満足したようでした。
「こちらの香炉で香を焚きますと、煙が龍の口より立ちのぼるように見えますの」
「それは、見事でございましょう」
小少将が素直に言いました。丹波の君は微笑みます。
「ええ。登華殿では、まるで大陸の風が吹くようだと」
そして、少しだけこちらを見ました。
「梅壺の御方では、近頃、紙や衣や帳などをたいそうお整えとか。けれど、こうした唐物の趣は、やはり海の向こうより参らねば」
はい。来ました。
翻訳しましょう。
「あなたたち、紙箱や装束表を頑張っているみたいですけど、こういう本物の舶来品の雅は、さすがに持っていないでしょう?」
ということです。周囲の登華殿方の女房たちも、上品に微笑んでいます。梅壺の女房たちの空気が、少し硬くなりました。春枝が、悔しそうに袖を握ります。小少将は、香炉そのものの美しさを認めつつも、挑発には気づいている顔です。常盤は、すでに反撃の言葉を探していそう。私は扇を開きました。
「見事な香炉ですね」
まず、褒めます。ここで張り合ってはいけません。美しいものを見て、美しいと言えないのは負けです。
「文様も細やかで、煙の流れまで考えられている。海を越えて来た品には、確かに遠い風が宿ります」
丹波の君の顔に、少し勝ち誇る色が浮かびました。
「姫様にも、お分かりいただけて嬉しゅうございます」
「ええ」
私は微笑みました。
「ただ、一つ気になることがあります」
丹波の君の笑みが、わずかに止まりました。
「気になること?」
「その香炉、壊れたらどうしますか」
部屋が静まりました。赤染衛門が、ゆっくり目を閉じました。また始まった、という顔です。丹波の君は、意味が分からないというように瞬きしました。
「壊れたら、でございますか」
「ええ。蓋の透かしが欠ける。脚が歪む。金具が外れる。火を受ける内側が傷む。そうした時、直せる職人は近くにいますか」
「それは……唐より渡りし品ですので」
「同じものは手に入りますか」
「同じものは、難しゅうございましょう」
「では、代わりは?」
丹波の君は、黙りました。周囲の女房たちも、ぽかんとしています。香炉を見せびらかしたら、普通は「美しい」「珍しい」「羨ましい」で終わるはずです。そこで「壊れたらどうする」と聞かれるとは思っていなかったのでしょう。私は続けました。
「唐物は見事です。けれど、海を越えて来るものは、次が読めません。壊れた時、傷んだ時、数が足りない時、すぐ補えない」
赤染衛門が、横で小さく呟きました。
「姫様、それは香の会で申すには、いささか実務的すぎます」
「香炉は実用品でもあるでしょう」
「そうですが」
「香を焚く道具が、香を焚けなくなったら困るわ」
正論です。雅ではありませんが。
丹波の君は、少し頬を強張らせました。
「姫様は、唐物をお嫌いでございますか」
「いいえ」
私はすぐ否定しました。
「むしろ好きです」
「では、なぜそのように」
「好きだからこそ、頼りきるのは危ういと言っているのです」
私は香炉を見ました。
「希少な品は、場を一瞬で華やかにします。けれど、御殿の格を希少品の有無だけで支えれば、その品が失われた時、場ごと揺らぎます」
丹波の君は答えられませんでした。代わりに、少納言の君が口を開きました。
「梅壺の御方では、唐物の趣まで数の用意でお考えになるのですね」
また来ました。嫌味としては上手い。つまり、「あなたたちは美を数量管理でしか見られないのね」ということです。私は頷きました。
「数も大切です」
少納言の君が、少し意外そうな顔をしました。
「否定なさらぬのですね」
「ええ。美しい品が一つあることと、必要な品が必要な時に使えることは別です」
私は静かに言いました。
「一つの唐物で人を驚かせることはできます。けれど、十年御殿を支えるには、直せること、代えられること、作り続けられることが要ります」
部屋の空気が変わりました。女房たちはまだ戸惑っています。ですが、梅壺の女房たちは少しずつ理解し始めた顔です。これは香炉の話だけではない。梅壺の作り方そのものの話です。香の会は、表向きは和やかに続きました。丹波の君の香炉で焚いた香は、確かに見事でした。煙は透かしの隙間から細く立ちのぼり、龍の文様に沿って揺れます。女房たちは素直に感嘆しました。私も楽しみました。よいものは、よい。
ただし、私は同時に観察していました。香炉の構造。蓋の透かし。煙の逃げ道。火の当たり方。手入れのしにくそうな部分。運搬時に壊れやすそうな箇所。
前世の癖です。美しいものを見ても、つい保守性を考えてしまう。いや、本当に嫌な癖ですが、役には立ちます。会が終わり、登華殿方の女房たちが帰った後、梅壺には妙な沈黙が残りました。最初に口を開いたのは、小少将です。
「姫様」
「何?」
「唐物は、やはり美しゅうございました」
「ええ」
「それでも、危ういのでしょうか」
「美しいことと、危ういことは両立します」
私は答えました。
「壊れやすい花が美しいように?」
「そうね」
小少将は香炉が置かれていた場所を見つめました。
「私は、あの香炉を見た時、正直、悔しゅうございました。梅壺にはあれほどのものはないと」
「それは自然よ」
「でも、姫様が壊れた時の話をなさった時、少しだけ見え方が変わりました」
「どう変わった?」
「あの香炉は、登華殿の宝ですが、同時に登華殿をその香炉に縛るものでもあるのですね」
私は少し驚きました。小少将、だいぶ分かってきています。
「そう」
私は頷きました。
「一つしかないものは、強い。でも、一つしかないから弱い」
春枝が紙箱のそばで言いました。
「紙も同じでございますか」
「ええ。最高級の紙が一枚だけあっても、それに頼りきれば文は滞る」
「だから、下書き用や控え用を分けたのですね」
「そう」
澄子が静かに言いました。
「人も、同じかもしれませぬ」
私は彼女を見ました。
「人?」
「はい。一人の才ある女房だけに頼れば、その方が病めば場が止まります。役を分けるのは、そのためでもあるのですね」
赤染衛門が、少し感心した顔で澄子を見ました。私は内心で拍手しました。採用してよかった。
「その通り」
私は言いました。
「希少なものは大切にする。でも、希少なものだけで場を支えない」
常盤が、少し面白そうに尋ねました。
「では、姫様。唐物に対抗して、こちらはどうなさいますか」
「国産の職人を呼びます」
全員がこちらを見ました。
「国産……?」
「この国の職人です」
赤染衛門が眉を上げました。
「香炉を作らせるのですか」
「香炉だけではありません。文箱、硯箱、香合、燭台、紙箱。梅壺で日常的に使う調度を、こちらの使い方に合わせて作れる職人を探します」
「姫様」
「何?」
「それは、また大がかりなことを」
「父上に相談します」
赤染衛門が、ついに額に手を当てました。
「左大臣様が、また大量に何かを送ってこられます」
「今回は、物を送らせるのではなく、職人につなげてもらう」
「それで済みましょうか」
「済ませる」
「姫様がそうおっしゃる時ほど、済まぬことが多うございます」
失礼な。ただ、否定はできません。
その日の夕方、私は父上へ文を書きました。内容は、唐物の香炉を見たこと。その美しさ。ただし、梅壺では輸入品に頼りきらない調度運用をしたいこと。国内の優れた職人を探し、梅壺の用途に合わせた調度を作らせたいこと。赤染衛門が文を読み、首を傾げました。
「姫様。この『輸入依存』という言葉は」
「まずい?」
「意味は何となく分かりますが、父君には通じぬかと」
「では、書き換えましょう」
私は考えました。
『唐より渡りし品のみを頼みとすれば、海路絶え、品損じたる時、御殿の用たちまち滞り候。よって、国の職人を召し、日々用ふる調度を作らせ、唐物と並びて用ゐたく候』
赤染衛門が頷きました。
「これならば」
「ただし、父上は『ならば唐物を十倍送ろう』と言いかねない」
「十分あり得ます」
「そこを防ぐ一文を入れます」
私は追記しました。
『珍しき品を多く賜ることを願ふにあらず、作り、直し、継ぎて用ゐる道を整へたく候』
赤染衛門が深く頷きました。
「よろしゅうございます」
「本当に?」
「おそらく、半分は」
「残り半分は?」
「左大臣様次第にございます」
それはそう。文はすぐに出しました。翌日、父上から返事が来ました。早い。そして嫌な予感がしました。文には、豪快な筆跡でこうありました。
『唐物も国の細工も、どちらも用意させよう。職人は探させる。ついでに唐物の香炉も幾つか見繕わせるゆえ、好きに用ゐよ』
私は額を押さえました。赤染衛門が横で小さく言います。
「やはり」
「やはりね」
父上は、相変わらず物量で解決しようとします。でも、職人を探してくれるのはありがたい。唐物の香炉を追加で送ろうとしているのは止めたいですが、今は優先順位があります。
数日後、父上の手配で、都の職人が梅壺へ呼ばれました。金工の職人、木工の職人、漆を扱う者、紙箱を作る者。彼らは緊張した様子で御殿に入りました。普通、職人は出来上がった品を納めるだけです。中宮の御殿の運用を聞きながら、用途に合わせて作るなど、あまりないのでしょう。私は彼らに言いました。
「見た目の美しさは大切です。でも、梅壺では、使いやすさ、直しやすさ、同じものを作れることも大切にします」
職人たちは、少し驚いた顔をしました。金工の男が恐る恐る言います。
「同じものを、でございますか」
「ええ。一つの見事な香炉もよい。でも、同じ形で三つ作れるなら、別の価値があります」
「三つ……」
「一つは御前用。一つは女房たちの会用。一つは予備。壊れた時に入れ替えられる」
職人は、しばらく考えました。
「それならば、細工を細かくしすぎぬ方がよろしゅうございます。透かしを凝らせば美しゅうはございますが、欠けやすい」
「では、欠けにくい透かしに」
「煙の流れを見せるなら、蓋の内側に少し傾きを」
職人の目が変わりました。作り手の目。私はさらに尋ねます。
「直す時、どこが壊れやすい?」
「脚と蓋のつまみでございます」
「では、つまみは交換しやすくできる?」
「工夫できます」
「脚は?」
「差し込みにすれば、取り替えが利きます。ただし見栄えは少し」
「見栄えを損なわない範囲で」
赤染衛門が隣で、また遠い目をしています。
「姫様。香炉の設計相談までなさるとは」
「大事よ」
「まるで工房にございます」
「よい工房は、よい御殿を支えるわ」
木工の職人には、紙箱の改良を相談しました。
「春枝」
「はい」
「今の紙箱の困りごとは?」
春枝は、最初こそ職人の前で緊張していましたが、紙の話になると強い。
「湿気がこもることがございます。あと、札が外れやすいです。下書き用と燃やす用の紙箱は、急いでいる時に取り違えそうになります」
職人が真剣に聞きます。
「では、箱の手触りを変えましょう」
「手触り?」
「暗がりでも分かるよう、蓋の縁の削りを少し変える。札は差し込みに。湿気を逃がす穴は、虫が入らぬよう細く」
春枝の顔が輝きました。
「そのようなことができるのですか」
「できます」
「姫様……!」
春枝が、感動したように私を見ました。
いや、私ではなく職人を見てあげて。でも、よかった。現場の声と職人の技がつながる。これは強い。小少将は、燭台について相談しました。
「衣の色が、火の位置で強く見えすぎることがございます」
職人は、灯の高さや反射板の形を提案しました。澄子は、来客の動線を考えた文箱の置き場所について意見を出しました。有子は、筆写する時の硯箱の高さを相談しました。常盤は、出入り記録用の小さな携帯文板がほしいと言い出しました。赤染衛門は頭を抱えました。
「姫様。皆、すっかり実務の顔に」
「いいことね」
「雅はどこへ」
「実務の上に載せるわ」
「最近、そればかりでございます」
数週間後、試作品が届きました。まず、香炉。唐物ほどの異国情緒はありません。龍も雲も控えめ。形もやや簡素です。しかし、よく見ると美しい。蓋の透かしは梅と霞。煙は細く、柔らかく出る。つまみは交換可能。脚も直しやすい。火を受ける内側は厚めで、扱いやすい。そして、同じ型で三つ作れます。
丹波の君の唐物のように、一目で人を驚かせる力は弱い。でも、梅壺の場に馴染む。私はそれを見て、静かに満足しました。
「よいわ」
職人は、深く頭を下げました。
「恐れ入ります」
「唐物を真似しすぎていないのもいい」
「姫様が、この御殿の香炉をと仰せでしたので」
「ええ。これは梅壺の香炉です」
小少将が、感慨深げに言いました。
「派手ではないのに、ここに置くと自然でございますね」
「それが大事」
次に、紙箱。春枝は、ほとんど宝物を見るような顔でした。蓋の縁の手触りが用途ごとに違う。札は抜けにくい。湿気がこもりにくい。積み重ねても取り出しやすい。
「姫様……紙が、喜びます」
「また紙が喜ぶのね」
「はい」
職人は戸惑っていましたが、春枝が本気で喜んでいるので、少し照れていました。有子の硯箱も改善され、筆写が楽になりました。常盤の携帯文板は、噂の聞き取りに危険なほど便利そうです。便利すぎるので、使用ルールを作る必要があります。赤染衛門が、それを聞いてまたため息をつきました。
「道具が増えると、心得も増えますね」
「仕方ないわ」
「姫様の御殿では、品一つに心得一つ」
「よい標語ね」
「褒めておりませぬッ!」
夜。私は新しい香炉から立つ煙を眺めていました。遠い大陸の龍ではなく、梅壺の霞。静かで、控えめで、よく馴染む。赤染衛門が隣に座ります。
「姫様、正直、唐物を前にした時、私も悔しゅうございました。あれほどの品を持つ登華殿には、やはり華があると」
「ええ」
「けれど、今日この香炉を見て思いました。梅壺には梅壺の品があればよいのですね」
「そう」
「借り物の風ではなく、ここで育つ風を」
私は頷きました。
「唐物は宝です。でも、宝に頼りきると、宝の方が主になる」
それは、人にも言えます。父上の権力。帝の来訪。清少納言の挑発。定子様の光。未来に来る藤式部の筆。
どれも大切です。でも、どれか一つに依存すれば、梅壺は揺らぐ。場とは、多くの支えで成り立つものです。
遠い国の宝もよい。近い職人の手もよい。春枝の紙箱も、小少将の装束表も、澄子の観察も、有子の筆も、常盤の記録も、赤染衛門のため息も。すべてが少しずつ、梅壺を支えている。
私は扇を閉じました。唐物自慢には、輸入依存リスクで返す。
雅ではない?
ええ、知っています。
でも、美しいものを長く使うには、雅だけでは足りません。直せること。代えられること。作り続けられること。使う人の声が届くこと。
それもまた、文化を支える力です。唐物の龍は、遠い風を連れてくる。ならば梅壺の香炉は、この庭の霞を立ち上らせましょう。遠いものを愛し、近い手を育てる。その両方ができて初めて、御殿は一過性の見栄ではなく、文化になる。
私は香炉の煙を見つめながら、静かに思いました。石の中宮の御殿には、今日また一つ、国産の石が積まれた。地味で、直せて、長く使える石が。
〜 出典 〜
『源氏物語』若菜の唐物描写/平安貴族の舶来品趣味
ここの綾・錦は混ぜさせたまはず、唐土の后の飾りを思しやりて……。
〜 舞台背景 〜
今は一昔前のブランド志向って減ってきた気がするのですが、どうなんでしょ。




