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転生皇后 藤原彰子 〜 欠けることのない望月の世は私が創る 〜  作者: 条文小説


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百一 上官婉児、才女は便利屋ではない

挿絵(By みてみん)


 藤壺の才ある女房が、文書作成から恋文添削まで何でも押しつけられ疲弊する。周囲は「才があるのだから当然」と言うが、彰子はそれを止める。才能は無限資源ではない。仕事を分類し、重要文書・儀礼文・私的相談を分け、負担を平準化する。彰子の一言。「才女を潰す一番簡単な方法は、褒めながら雑用を積むことです」

 才のある人は、だいたい早く見つかります。


 前世でもそうでした。文章がうまい。要点をつかむのが早い。人の意図を汲んで、少ない言葉で形にできる。言いにくいことを、角を立てずに書ける。誰かが投げた曖昧な依頼を、「つまりこういうことですね」と拾って、きれいに整えて返せる。


 そういう人は、最初のうちは重宝されます。そして次の段階で、必ずこうなります。


「あの人なら早い」


「あの人に頼めば間違いない」


「少しくらい追加しても大丈夫」


「ついでにこれも」


「あと、これも見てほしい」


「短い文だからすぐでしょう」


「恋文の言い回しだけだから」


「返歌ひとつくらい」


「断り文も」


「祝いの詞も」


「これ、誰にも見せずにちょっとだけ」


 たいへんよくない流れです。しかも厄介なのは、こういう時、周りはたいてい悪気がないことでした。


 褒めています。頼りにしている。認めています。才能があるからお願いしている。それは本当でしょう。


 でも、褒められながら潰されるということは、実際にあります。


 むしろ露骨に嫌われるより、「あなたならできるから」で仕事と感情の両方を積まれる方が、才のある人は壊れやすい。


 断ると、自分が冷たいような気がする。できてしまうから、なおさら止まらない。気づいた時には、正式な仕事も私的な相談も恋文の添削も祝いの文も、全部その人のところへ流れこんでいる。


 上官婉児(じょうかんえんじ)のような才女の話を思うたび、私はそこに少しぞっとします。詔勅に関わる。詩文を担う。政治の文筆に触れる。それは華やかです。でも同時に、言葉の才がある女は、宮中では際限なく使われやすいということでもあります。でも、便利だからといって、無限ではありません。


 その日の藤壺は、朝から妙に文が多かった。若菜が香炉の灰をならしながら、なぜか視線を何度も左の脇息のあたりへやっている。


有子は控えの紙を整えているが、今日は紙の束が明らかに高い。春枝は紙箱を抱えて、「今日は紙が喜ぶより先に、人がしおれております」と、珍しく紙以外の心配をしていた。


 小少将は扇を動かしながら、見るからに「またあの子に積んでおりますのね」という顔。澄子は灯台の金具を磨きつつ、部屋の隅にたまる疲れた気配を見ていた。


 つまり、誰かが文の山に埋まっています。


「姫様」


 赤染衛門が来た時点で、ええ、でしょうとも、となりました。


「少し、詞花が」


 詞花。藤壺の女房の中でも、とびきり文の才がある子です。長い文を短くまとめるのがうまい。曖昧な依頼を整理するのが早い。儀礼文も、私信も、やわらかい返しも、断りの文もできる。しかも、人の心を傷つけぬ言い換えをよく知っている。


 要するに、最悪です。いや、能力が悪いのではありません。周囲にとって便利すぎるという意味で。


「何が起きているの」


 赤染衛門が少し眉を寄せました。


「表向きは、御殿の文の下書きや、儀礼の詞の整理にございます」


「ええ」


「それに加えて」


「はい」


「若い者どもの恋文添削」


「……」


「返歌の相談」


「はい」


「断り文の言い回し」


「ええ」


「人に見せたくない私的な愚痴の整理まで」


「だいぶだめですね」


「ええ」


「誰が」


「ほぼ全員、少しずつ」


「それが一番だめです」


 一人の悪人がいない時ほど、止めにくい。皆が少しずつ善意で乗る。すると誰も「自分が潰した」と思わないまま、一人が擦り減る。


「詞花は」


「断りませぬ」


「でしょうね」


「“短い文でございますから”と」


「出ましたね」


「ええ。“ついでに”もかなり」


「典型です」


 常盤が、柱の陰から顔を出しました。


「上官婉児めいてまいりました」


「嬉しそうに言わない」


 前世でも、文章のうまい人、調整のうまい人、説明のうまい人は、こうして潰れました。議事録、メール案、謝罪文、依頼文、送別メッセージ、スピーチ、ついでに恋愛相談。しかも周りは「さすが」「助かる」「ほんとうにうまい」で包んでくる。


 褒めながら雑用を積む。これがいちばん危ない。


「詞花を呼びましょう」


 しばらくして来た詞花は、見事に疲れておりました。姿勢は崩れていない。文を扱う人らしく顔も静か。でも、目の奥が明らかに働きすぎです。あれは、頭の中で常に誰かの文を直している人の目。


「詞花」


「はい、姫様」


「近ごろ、文が多いそうですね」


 詞花は少しだけ笑いました。だめな時の、あの笑いです。大丈夫です、と言うための形だけの笑い。


「ありがたきことに」


「ありがたい?」


「皆さま、お頼りくださいますれば」


「ええ」


「わたくしのような者でも、少しは」


「詞花」


 私は遮りました。


「眠れていますか」


 詞花の表情が、ほんの少し止まりました。


 はい。そこでした。


「……少し、夜更けることが」


「食は」


「抜くほどでは」


「では、抜くことはあるのですね」


「……」


 若菜が少し離れたところで、たいへん心配そうな顔をした。若菜は、人が“まだ大丈夫です”と言いながら大丈夫でない時の気配に敏い。


「何がいちばん多いの」


 詞花は少し迷いました。おそらく、正式な仕事を挙げるか、私的な頼みを挙げるかで。どちらも多いのでしょう。


「大きくは」


「ええ」


「儀礼の詞と、返りの文の整え」


「うん」


「ですが、細かくは」


「はい」


「“少し見て”が、いちばん」


「ああ」


「恋文ひとつ」


「はい」


「断り文ひとつ」


「はい」


「でも、その“ひとつ”が、一日のうちにいくつも」


「ええ」


「断れぬの」


 詞花は静かに目を伏せました。


「……皆さま、本当に困っておられるように見えますれば」


「ええ」


「それに、すぐにできてしまうことも多く」


「そこですね」


「はい」


「自分でやるより、わたくしが直した方が早いと思うことも」


「ええ」


「ですから、つい」


 はい。全部そろっています。できる。早い。断りにくい。相手も困っている。自分がやった方が質が上がる。この条件がそろった人を放置すると、ほぼ確実に燃えます。


「詞花」


 私は静かに言いました。


「あなたは、便利なのではありません」


「……」


「才能があるのです」


「……はい」


「そして才能は、無限資源ではありません」


 詞花が少しだけ顔を上げる。


「……」


「水瓶のように、汲めばいつでも同じだけ出るものではない」


「……はい」


 よろしい。まずそこを本人に返します。自分が“頼まれやすい人”ではなく、“消耗している資源”でもあると分からないと、止まりません。


 では次。積んでいる側です。


 明子、佐江、夕霧、それに恋文で生きている若い女房たちを呼びました。皆、呼ばれただけで少し気まずそうです。よろしい。自覚はゼロではないらしい。


「詞花へ、いろいろ頼んでいますね」


 沈黙。


「正しいことを言えばよいのです」


 明子が、おずおずと口を開きました。


「……少し」


「少し?」


「恋文を」


「はい」


「でも、それは本当に一首だけで」


「ほかに」


「返りの言い回しを、少し」


「はい」


 佐江も続く。


「断り文を、角立たぬようにと」


 「ええ」


 夕霧は申し訳なさそうに言いました。


「わたくしは、儀礼の詞の見直しを」


「ええ」


「それに、前の控えの整理を」


 はい。皆それぞれ“自分の分は大したことない”と思っている顔ですね。そういう時が危ないのです。私は言いました。


「才女を潰す一番簡単な方法は、褒めながら雑用を積むことです」


 場が、しんと止まりました。


 常盤が後ろで、きっと今、たいへん大きく頷いています。見なくても分かります。


「“短い文だから”」


 私は続けます。


「“ひとことだけだから”」


「“すぐ済むから”」


「“あなたの方がうまいから”」


「それを十人がやれば、十分に人を潰せます」


「……」


「しかも、頼む側は皆、自分だけは軽いと思っている」


「……」


 若い女房たちの顔が、だんだん青くなっていく。よろしい。そこまで見えれば、だいぶ違います。


「詞花の才は、確かに本物です」


「……」


「だからこそ、何に使うかを分けねばなりません」


「分ける」


 と有子が静かに繰り返した。


「ええ」


 そうです。ここは分類です。前世でもこれでだいぶ救われました。何でも一人に来る仕事は、だいたい未分類です。正式業務、準正式業務、私的相談。それをごちゃ混ぜにするから、善意の泥沼になる。


「衛門」


 私は言いました。


「文の仕事を分けましょう」


 赤染衛門が、やはりそこへ行きますか、という顔をする。ええ、行きます。行かなければ、また“ついで”が洪水になりますから。


「題は」


「……“文こと分けの覚”」


「分かりやすうございます」


「今日は雅より実益です」


「承知しました」


 私は紙に書きました。


 文こと分けの覚


 一、重要文書。公的・正式・後に影響の大きいもの

 一、儀礼文。祝い、見舞い、礼、断りなど定型の整えが要るもの

 一、私的相談。恋文、返歌、個人の愚痴の整理など

 一、重要文書は、詞花を中心に件数を限って扱う

 一、儀礼文は、見本を作り、複数人で回せるようにする

 一、私的相談は、原則として自分で下書きしてから相談する

 一、「少しだけ」の持ち込みを、その場で積まない

 一、才ある者に、無制限に善意を課さない


 有子が、たいへんよい顔をしました。記録係は分類が好きですね。分かります。


「詞花」


「はい」


「あなたは、これから御殿な文と、儀礼文の見本づくりに集中して」


「……はい」


「恋文添削は」


 詞花が少し困った顔をする。断りづらいのですね。ええ、知っています。


「原則、しません」


「……」


「どうしてもの場合は、下書き済みのものを一度だけ」


「……はい」


 若い女房たちが、明らかに痛そうな顔をした。ええ、あなたたちにはそこが痛いでしょうね。でも必要です。


「恋文は自分で書くことに意味があります」


 私は言いました。


「……」


「他人の言葉で恋しても、あとで困るのは自分です」


「……はい」


「愛で米は炊けませんが」


 小少将が扇の陰で少し肩を揺らした。


「恋文もまた、自分の熱で書かぬと、あとで身に合わぬものになります」


「……」


 若菜が、少し申し訳なさそうに詞花を見る。若菜は、頼っていた側の自覚も少しあるのでしょう。でも、それでいいのです。気づけば。


「さらに」


 私は続けました。


「儀礼文の見本を整えます」


 春枝がぴくりと反応する。はい、来ました。


「祝いの詞」


「見舞いの詞」


「断りの詞」


「お詫びの詞」


「返歌の基本の型」


「それぞれ、幾つか見本を作って残す」


「有子」


「はい」


「控えを整理して」


「承知しました」


「夕霧」


「はい」


「言い回しの違いを見る目がありますね」


「……はい」


「見本づくりを詞花と分担して」


「はい」


「若菜」


「はい」


「やわらかく言い換える役を」


「承知しました」


「小少将」


「はい」


「礼を失わず、でも過剰に飾らぬところを見て」


「お任せくださいまし」


 こうして、詞花一人の頭の中にあったものを、場に移します。知識を共有する。型を残す。それだけで、“何でも詞花へ”はかなり減ります。


 その日の午後から、さっそく小さな文の稽古が始まりました。恋文を持ってきた明子に、私はまず言いました。


「下書きは」


「……まだ」


「では、まず自分で」


「はい……」


「詞花は最後の一拭いだけです」


 明子がしょんぼりする。よろしい。そこは自分で苦しみなさい。


 佐江の断り文には、詞花が一から書くのでなく、


「まず、断る理由を一つ」


「次に、相手の心を一つ拾う」


「そのあと、余地を残しすぎぬ」


 と骨組みだけ渡した。たいへんよろしい。全部やるのでなく、できるように渡す。


 夕霧は詞花と並んで、儀礼文の見本をまとめ始めた。


「見舞いでも、近しい方と遠い方では温度が違います」


「祝いは家格より先に、出来事の重みを」


 有子が即座に控える。春枝は紙の区分けに異様な熱意を見せていた。ええ、そこはもう止めません。


 詞花の顔も、数日で少し変わりました。忙しいことに変わりはない。でも、忙しさの質が違う。誰かの思いつきにちぎられていく忙しさではなく、価値のあるものを残す忙しさです。


 前世でもそうでした。疲労は同じ量でも、「自分の才が消耗品みたいに使われている」と感じるのと、「仕組みを作っている」と感じるのでは、だいぶ違います。


 数日後、その成果はすぐ見えました。


 若い女房が、以前なら詞花のところへ駆け込んでいたような祝いの文を、見本を見ながら自力でかなりのところまで書ける。


 断り文も、最初から「どうしよう」ではなく、「この型でよいでしょうか」と持ってくる。恋文でさえ、自分の言葉が増えた。


 これなら詞花の才が“一人で全部やる力”でなく、“皆が少しずつ書けるようになる力”へ変わります。


 ある夕方、明子がしみじみ言いました。


「……詞花さま、今まで、なんでもすらすらなさるように見えておりました」


「ええ」


 私は答えます。


「かなりそう見えたでしょうね」


「ですが」


「はい」


「だから何でもお願いしてよい、ではございませんでした」


「その通りです」


 佐江も、小さく続けます。


「わたくしたち、“才があるのだから当然”と思うておりました」


「ええ」


「でも、当然でなく、消耗でございましたね」


「はい」


「それに気づかぬまま褒めておりました」


「その方が、かえって残酷なこともあります」


 若菜が、そこで詞花へそっと言いました。


「詞花さま、近ごろ少しお顔が戻られました」


 詞花は少し驚いたように笑う。


「そうでございましょうか」


「はい。前は、どなたのお文を見ておられるのか、お顔だけでは分からぬほどで」


「……」


「今は、いま何をしておいでか、少し分かるような」

詞花は、その言葉にしばらく黙っていました。


やがて、小さく答える。


「それは……よかったです」


 いいですね。人は、仕事が多いことより、自分の輪郭が消える方がつらい。今は少し戻ってきています。


 その夜、詞花が私のところへ来ました。


「姫様」


「はい」


「わたくし……これまで」


「ええ」


「頼られるのが、値打ちと思うておりました」


「そうでしょうね」


「断ると、才を惜しむようで」


「ええ」


「ですから、少しくらい、少しくらいと」


「ええ」


「ですが」


 詞花は少し息をついた。


「近ごろ、文を整えることと、人の雑用箱になることは違うのだと分かりました」


「その通りです」


 私は頷きました。


「あなたの才は、皆が少し書けるようになるためにも使える」


「……はい」


「それは、一人で全部書くより、ずっと強い」


「はい」


「才は、配らねば増えませんが」


「……」


「雑に配れば、持ち主から先に尽きます」


「……はい」


 よろしい。そこまで言葉になれば、大丈夫です。少し離れたところで、常盤がしみじみ言いました。


「褒めながら雑用を積む、は、だいぶ痛い言葉でございました」


「ええ」


 私は答えます。


 小少将は扇を閉じながら、いかにも当然という顔で言いました。


「才女は、何でもできるからこそ、何に使うかに位が要りますね」


「その通りです」


 私は頷きます。


「分類されぬ才は、だいたい便利屋に落ちます」


「まことに」


 春枝は紙箱を抱えたまま、ぽつりと言いました。


「紙も、何でも包めばすぐなくなります」


「また紙ですか」


 と有子。


「でも今回はかなりよいです」


 と私。


 春枝が誇らしげでした。ええ、今のはかなりよかったです。


 赤染衛門が控えを見ながら、やわらかく言いました。


「上官婉児も、こうして読むと」


「ええ」


 私は答えます。


「才女の華やかさだけでは足りません」


「はい」


「文の才が、政治にも私事にも際限なく引かれる危うさがある」


「その通りです」


「だから、分類し、位をつけ、守る」


「ええ」


「さもなくば、潰れます」


「はい」


 私は扇を閉じました。


 ぱちり。


 才のある人は、早く見つかります。そして、見つかった才は、放っておくとだいたい便利に使われます。


 褒められる。頼られる。感謝される。その全部は、たしかに甘い。でも、その甘さの中に無制限の雑用が混ざると、人は静かにすり減ります。


 才女を潰す一番簡単な方法は、褒めながら雑用を積むことです。


 だから必要なのは、仕事を分けること。重要なもの、儀礼のもの、私的なものを混ぜないこと。見本を残し、型を渡し、一人の頭の中にだけ仕事を閉じこめないこと。そして、才能を“何でもやってくれる便利さ”ではなく、“場を一段賢くする力”として扱うことです。


 才は、無限資源ではありません。守られてこそ、長く人を助けます。

〜 出典 〜

『新唐書』卷七十六 上官昭容


 婉兒始生(えんじはじめてうまるるや)、與母配掖廷(ははとともにえきていにはいせらる)。天性韶警(てんせいしょうけいにして)、善文章(ぶんしょうによくす)。年十四(としじゅうしにして)、武后召見(ぶこうめしてまみえ)、有所制作(せいさくするところあれば)、若素構(もとよりかまうるがごとし)。自通天以來(つうてんいらい)、內掌詔命(うちにしょうめいをつかさどり)、掞麗可觀(せんれいみるべし)。嘗忤旨當誅(かつてむねにさからいちゅうにあたるべきも)、後惜其才(こうそのさいをおしみ)、止黥而不殺也(ただげいしてころさざるなり)。然群臣奏議(しかれどもぐんしんのそうぎ)及天下事(およびてんかのこと)皆與之(みなこれにあずからしむ)…


(訳)上官婉児は生まれて母とともに掖廷に入り、生来聡明で文章に優れていた。十四歳で武則天に召され、その才能を認められた。通天年間以来、宮中で詔命を掌り、群臣の奏議や天下の政事にも関与した。…


〜 舞台背景 〜

 上官婉児(じょうかんえんじ、664年 - 710年)は、7世紀の中国唐代の詩人。上官昭容(じょうかん しょうよう)とも呼ばれる。陝州陝県の出身。本貫は隴西郡上邽県。祖父は上官儀。父は上官庭芝。麟徳元年(664年)12月の上官儀・上官庭芝の誅殺により、一族の大半を処刑され、彼女も婢の身分に落とされているが、頭の良さと詩文の巧みさにより、則天武后に愛され、中宗の時期、昭容(正二品)の女官のポストを与えられた。中宗は「修文館」を建て、公卿の文学者20名を選び、宴や詩会を開催し、金爵を賜っている。婉児は先生格で、鬢の男子を導いている。群臣たちは競作し、添削を請い、婉児の影響で宮廷内では詩が流行したという。2013年、西安空港の建設中に見つかった上官婉児の墓の墓誌には「彼女は度々、中宗を諫めた」との記述がある。また、墓から発掘された俑からは、彼女が政務に携わる際には男装していたことがわかっている。更に単独で埋葬されていることから「後宮の女性」としてでなく「高級官僚」として扱われていたことがうかがえる。出典:wikipedia

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