第11話:あどけない助言と、七歳への到達
領地の森の深部で人為的な魔導反応と魔物の活性化が確認された――そんな報告が騎士団からもたらされた時、屋敷の会議室には緊迫した空気が漂っていた。
「くっ……魔物の配置が不自然だ。囮に誘い出されれば、手薄になった村が襲われる……!」
父様や騎士団長が地図を囲んで頭を抱えていたその時、私はお茶を運んできた使用人の後ろから、病弱な子供らしくトコトコと歩み寄った。
「ねえ、父様……? このあいだガストン先生に習ったんだけど、魔物って冷たいお水がある場所が好きなんじゃなかったっけ? こっちの森の奥には古い泉があるって聞いたけど……」
「……なっ!?」
騎士団長がハッと息をのんだ。
「泉……そうか! 奴らの目的は村の襲撃ではなく、魔力が集まるあの泉の奪取か! 敵の囮に引っかかるところだったぞ……!」
「助かったぞヒューイ! よし、全隊、泉の防衛へ急行せよ!」
子供の素朴な疑問を装った私の誘導によって真の狙いを見破った父様たちは、見事な指揮で襲撃を未然に防ぎ、魔物の群れを綺麗に撃滅してみせたのだった。
(直接表に出ることなく、知識の確認という体でヒントを出すだけで解決してくれて助かったよ)
――しかし、事件はそれで完全に解決したわけではなかった。
現場に残されていた人為的な魔法陣の主や、その背景にある「東方の境界」の動きまでは特定できず、それからの4年間、領地の陰にはどこか怪しげで不穏な空気が燻り続けていた。
◇
――そして、平穏と微かな不穏が混ざり合う中、私――ヒューイは**七歳**の誕生日を迎えていた。
自室の机で魔導書を閉じた瞬間、私の脳内に清涼な鈴の音のような通知が響く。
『――条件を満たしました。固有スキル【ストック】のレベルが「3」へ上昇します』
(ほう……! 7歳という節目を迎えたことで、スキルのレベルが上がったか)
私は早速、視界の隅に新しくなったステータス画面を展開した。
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**【基本ステータス】**
* **名前**:ヒューイ
* **年齢**:7歳
* **レベル**:20
* **【ステータス】**
* STR:75 / VIT:75 / AGI:100 / DEX:100 / INT:350
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**【保有スキル】**
* **固有スキル**:【ストック(レベル3)】※昇格!
* **思考・戦略スキル**:【深謀遠慮】【多重思考】
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**【習得魔法】**
* **生活魔法**:全般(無詠唱可)
* **火・水・風・土魔法**:中級まで(身体強化等の補助魔法含む)
※魔法階級(全7段階):初級 / 中級 / 上級 / 特級 / 聖級 / 王級 / 神級
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**【保有固有スキル:詳細】**
* **【ストック(レベル3)】**
* **新規効果**:1日**3項目**のステータスをストック可能。放出時の効率と持続時間が強化。
* **【内訳・蓄積ステータス詳細】**
* **INT(知力)**:58,000pt(付与時:+5,800 / 1h)
* **AGI(敏捷)**:16,500pt(付与時:+1,650 / 1h)
* **DEX(器用)**:16,500pt(付与時:+1,650 / 1h)
* **VIT(体力)**:11,500pt(付与時:+1,150 / 1h)
* **STR(筋力)**:11,500pt(付与時:+1,150 / 1h)
* **累積蓄積ポイント**:114,000 / 300,000pt
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(1日にストックできる項目が2つから3つに増えたのは大きいね。これで蓄積のペースもさらに上がる)
レベルは20のままだが、読書と成長によって基礎INTは350に達し、ストックの蓄積も11万4千ptを超えている。
「ヒューイくん! 今日も一緒にお絵描きしようよ!」
部屋のドアが開くと、すっかりお姉さんらしくなったアイラが無邪気な笑顔で飛び込んできた。
「ああ、すぐ行くよ、アイラ」
私は優しく微笑み返しながら、立ち上がった。
(領地の裏で燻る不穏な空気……だが、レベル3になった【ストック】とこの力があれば、どんな事態が起きても影から家族とこの平穏を守り抜いてみせるさ)
アイラの温かい手を握り締めながら、私は静かに決意を新たにするのだった。




