螢の光
ほたるのひかり
この、果ての見えない膨大な時間が
ちっぽけな僕の最後の逃げ道も奪う
どんなに孤独に縛られても
最後が何処かわからないのは変わらない
何万、何億かもわからない僕の呼吸
新しい息なんて一つもなくて
日常の雰囲気に慣れ過ぎる
だから新しい呼吸が怖くて、
その呼吸の仕方も忘れた
膨大な時間に続く闇は
眼の中の光だけじゃ照らしきれない
掴めない空気でもいいから
何かにしがみつきたくて
そうじゃないと躓いてしまいそうなんだ
転んでしまうとすぐに立ち上がれないのが
ちっぽけな僕の大きな弱点
何処に進めばいいのかさえも
わからなくなってしまうんだ
そんな真っ暗な闇に似ている夜でも
僅かで、儚いけど
希望に似た小さな光が
“自分は此処だ”と飛び交う
とても綺麗で
あいつが生きる時間をずっと眺めていたい
気分になった
そんなあいつでも
闇でなきゃきっと誰も気づかない
光ってなきゃきっと誰も見ようとしない
切ない
あいつが生きる時間は
あいつにとって果ての見えない膨大な時間なんだろうか
数えられる程の幾つかの夜をこえて
自分の輝ける一時を欠かさず光って魅せる
そして幾つかの夜をこえた後
その儚過ぎる心臓は途絶える
あいつは照らす術を持っているのに
僕等と同じ時間は歩めない
僕は暗闇にただ戸惑うだけなのに
無駄に
誰かが差し伸べる光をさがすだけ
あいつは
悩む時間もなく光って消える運命なのに
僕は光る術も光る意味さえ掴めない
いつの日からか、悩む事を覚えた僕は
その解決に時間がかかりすぎて
生きる理由を忘れてしまう
もし生まれ変わるのなら
あいつになりたい
生きる理由がわからなくても
きっと光る事は忘れない
そしてきっと誰かに夢を与える
でも
それまで
悩んで、生きる理由を思い出してみてもいいかな
光る意味をさがしてみてもいいかな
きっと簡単な事じゃない
誰かの為じゃないのかもしれない
それでも、自分の為に沢山の時間を費やしてみてもいいと思った
自慢じゃないけど
いつの日からか、悩む事を覚えた僕には
まだまだ果ての見えない膨大な時間が
続いているのだから。




